先に補足を。
7月13日付け記事の時点では、「機巧童子
ULTIMO」原作者であるスタン・リー氏の名前
しかゲストとして、公式サイトのスケジュール
には記載されていなかった、サンディエゴ・コ
ミコンでのVIZ MediaによるSHONEN JUMP
パネルですが、その後、作画担当の武井宏之
さんも参加されることが、プレスリリースで発表
されましたね。ほっとしました。
Anime News Network 2009年7月14日掲載
"Viz Media Welcomes Ultimo Creators
Stan Lee and Hiroyuki Takei for Rare
Personal Appearances at 2009 Comic-Con
International"
お2人が参加するパネルは、7月24日午前10
時半から11時半までRoom10で行われ、さらに
その後メインフロアのVIZ Mediaのブースで、
同日の午後2時15分から3時15分まで、サイン
会も予定されているとのことです。
武井さんは2007年に、フランスのジャパンエキ
スポにゲスト参加したことはありますが、アメリカ
でのイベントは初めてですよね?
どんな質問をされるか、楽しみです。――スタ
ン・リー氏にばっかり質問が集中するんじゃない
かとか、少しだけ不安ですけども(笑)、イベント
を楽しんでくれたらと思います。
そのサンディエゴ・コミコンでは、今日の本題で
ある「仮面ライダー龍騎」の海外向けリメイク
「Kamen Rider Dragon Knight」(以下
「KRDK」)のパネルも、7月26日・日曜日午後2
時45分から予定されていて、これも詳細を伝え
るプレスリリースが出されています。
Anime News Network 2009年7月8日掲載
"Kamen Rider Dragon Knight Rides into
San Diego Comic-Con International with
Special Panel Presentation and Screening"
こちらにゲスト参加されるのは、
Stephen Lunsford (Kit)
Matt Mullins (Len)
Yvonne Arias (Maya)
Scott Bailey (JTC)
William O'Leary (General Xaviax)
Steve and Mike Wang(Directors&Producers)
といった方々です。
あ、ゲストとしては、他にKamen Riderである
Dragon KnightとWing Knightも来てくれて、
「君と握手!」な写真会もあるみたいですね。
このパネルはもちろん、8月から予定されてい
る第16話以降の、新エピソード放送の宣伝のた
めで、その未放送エピソードからのクリップも、
先行上映してくれるそうです。
放送再開は、未確定ですが8月1日の土曜日か
らと噂されていて、これはつまり、そのまま新エピ
ソードの放送が続くのなら、アメリカで最もトイが
売れる、売らなくてはならない時期であるホリデ
イ・シーズンに、「KRDK」の物語がクライマックス
に差し掛かる、というタイミングにしたのだと思い
ます。
で、やっと本題ですが(笑)。
その「KRDK」のディレクター&プロデューサー
である、Steve and Michael Wang兄弟が、
ゲスト出演されていた、Sci-Fiジャンルの話題
専門のポッドキャストSlice of SciFiの、第208回
エピソード(2009年4月11日配信)を、やっと聞き
ました。
Slice of SciFi #208: Interview with
Steve and Michael Wang of “Kamen Rider:
Dragon Knight
時間が経っているので、既にどこかで話題にさ
れた方がいるかもですけど、とりあえずお2人の
インタビュー・パート(31分32秒〜47分29秒)
から、「KRDK」について語ったことを紹介してみ
たいと思います。
ストーリーとかキャラの説明は、「KRDK」を
知っている方はご存知だと思うので、製作サイド
からのお話で、興味深かった点を箇条書きで。
電話越しのちょっとこもった音声のインタビュー
なので、正直聞き取りにくかった部分もあって、
わかる範囲だけですが、すみません。
・2006年7月に、「仮面ライダー龍騎」の権利を
保有している東映を説得するための、パイロット
版の制作依頼を受ける。
それを見た東映からゴーサインが出たのは、
2007年の1月で、それからずっと制作が続き、
全40話の制作が終了したのは、このインタビュー
を収録している週(2009年4月上旬くらい?)。
・「これくらいの年齢の子供達が見るように」と指
示されたのは、6〜11歳だったが、自分達が小
さい頃、「Robotech」や「宇宙戦艦ヤマト」と
いった作品を見て、そのシリアスで年長者向きの
ストーリーを楽しんだ経験から、「KRDK」を見る
子供にも同じ経験をしてもらいたいと思い、
6〜11歳の子供がアクションを楽しめる一方で、
12〜17歳のティーンエイジャーにも訴えるシリア
スなストーリー作りを目指した。
・そもそも2人とも、オリジナルである「仮面ライ
ダー」シリーズの、ずっとファンだったので、「ラ
イダー」の軸にある、成長や葛藤、裏切りといった、
「キャラクターの物語」を一番大事にしたかった。
「KRDK」を一言でいえば、「Kit Taylorの成長
物語」。
・実際の撮影期間はとても短く、予算も少なかった
ので大変だった(SciFi Japanのインタビューに
よれば、一話ごとの予算は、「Power Rangers」
の半分より少し上くらい)。
・「KRDK」オリジナルキャラであるGeneral Xaviax
以外のキャラのスーツは、日本から送ってもらっ
たもので撮影。
アメリカで新しく撮影した、SFXシーンの数は約
1500ショット。
・続編があるかどうかは、トイの売り上げ次第。
などですね。
あと特に、「制作上乗り越えなくてはならなかった、
苦労したことは?」という質問に対するSteveさん
のお答えを、そのまま意訳引用してみると、
「Power Rangersのアメリカでの定評だね。明るい
配色のコスチュームやアーマー姿のキャラがいれ
ば、誰もがそれは、Power Rangersの仲間みたい
に思ってしまう。
でも、Power Rangersの視聴者層は、(「KRDK」
より)ずっとずっと幼いよね。だから、僕達にとって
一番大変だったのは、「KRDK」を見た時に、『ああ、
Power Rangersみたいに、3歳くらいの子供達が
見る作品だろ?』って思わせないことだったんだ。
それが乗り越えなくてはならない、高い高い壁だった」
ということが印象的でした。
日本だと、戦隊シリーズと、平成仮面ライダー
シリーズとでは、作風も対象層も異なることが、
今ではある程度広く認知されていますよね。
でも、そもそも放送される平成仮面ライダーシリ
ーズ(を基にした作品)が、この「KRDK」が初め
てであるアメリカでは、戦隊シリーズ(を基にした
作品)との違いについての認識も、全然確立され
ていない、ゼロの状態から始めなくてはならない
わけです。
「KRDK」は、「Power Rangers」とは、同じ変身
ヒーロー物でも、また全然違う作品なんだという、
作り手お2人の主張が、きちんとアメリカの視聴
者さん達にまで、伝わっているでしょうか。
その辺の反応を示す、5月以降の視聴率データ
についても、またいずれやります。
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