作品の順序は予定と違ってしまいましたけれど、
引き続き「はやて×ブレード」(林家志弦 集英社
公式サイト)を、新装版の最新刊である、第9巻ま
で読んでみました。
この作品を読んでみようと思ったのは、お馴染み
Yuriconの代表であるエリカ・フリードマンさんが、
そのブログOkazuでのレビューで、常に高く評価
されていたからですね。
エリカさんは、ご自身でも時に「sharky」と表現す
るくらいに辛口な評をされることもあるんですが、
この「はやて×ブレード」においては、いつも総評
で8〜9の高得点を与えているので、ずっと気に
なっていました。
ちなみに英語版マンガは、百合系作品に強いSeven
Seas Entertainmentから、メディアワークスによ
る旧版の装丁で、第3巻(2009年4月)まで、現在
出版されています。
以降の巻も、一応出版予定がリストアップされて
はいるのですが、日本での出版社変更がどのよう
に影響を与えるのかは、よくわかりません。どうなる
でしょう。
ともあれ内容的には最高でした。とてもとても楽し
んで読めたと思います。
確かにプロットの基本には、チャンバラというか剣
戟があるのですが、単純な勝負論以上に、剣待生
同士のバトル――「星奪り」のルールが、「天」と
「地」の2人のペアで戦うことを義務付けているた
めに、物語の主体は、常にキャラの関係性にあり
ます。
勝った負けたよりも、どうしてその相手と組んで戦
うのか、その人と組んで誰と戦うのかという関係性
の確認・発展のドラマの方が、重要なんですね。
それは、勝った方がいいですけど、負けたからとい
って、そのペアの物語が終わるわけではないし、物
語から排除されるわけでもない。
強さだけが物語の中で絶対視され過ぎると、いわゆ
る強さのインフレみたいな問題も起きてしまいます
が、この作品の場合は、バトル物でありながらも、
その辺が上手く調節されています。
まあ理屈はともかく、最大の魅力は、2人の女の子
達が、パートナーとして力を合わせ、一生懸命に頑
張る姿のバリエーションが、それぞれたくさん楽しめ
るということになると思います。
なんやかやで皆さん仲が良いのが微笑ましいです。
それを百合恋愛的といっていいのかは、僕にはよく
わかりませんけれど、バトルの緊張感が甘さをほど
よく緩和し、また物語の方向性も明確にしていると
評していいでしょう。
何故2人はパートナーとしてお互いを認め、力を合
わせなくてはいけないのかという、フィクション物語
としての理由付けがまず確立されているので、それ
を受け入れてしまえれば、楽しめると思います。
個人的なお気に入りキャラは、やはり犬神五十鈴さ
んになるんでしょうね。
「わんわん」とか「わんこ」とか「犬っ子」とか、愛称
はちょっとアレで気の毒ですけど(笑)、桃香さんへ
の一途な気持ちは、登場キャラの中でも一番わか
りやすいし、応援したくなるような? 誰に対しても
敬語なのも、ポイント高いですし。第2巻の表紙は、
中身読むまで誰だかわかりませんでした、という驚
きも微笑ましかったです。
僕はキャラCD(公式サイト)とかには、あまり興味が
ない方ですが、この五十鈴さんの担当声優は、オド
オドな敬語キャラということでも適格な、天下の能登
麻美子さんとのことで、聞かないわけにはいかない
かも、ですね。
次に読むのは……到着順にもよりますが、「かんなぎ」
(武梨えり 一迅社)第1〜6巻になりそうです。