「プリキュア」シリーズといえば、ずっとお伝えしてい
るように、カナダのYTVで、1作目の「ふたりはプリ
キュア」が、「Pretty Cure」(番組公式ページ)として、
現在放送中です。
「絶賛」と呼べるほど好評なのかどうかについては、
まだデータがありませんけど。
英語吹替で放送されているこのカナダ版「ふたりは
プリキュア」、主人公の美墨なぎささん・雪城ほのか
さんの名前が、それぞれNatalie Blackstoneと
Hannah Whitehouseになっていたり、アカネさん
のたこ焼屋Taco Cafeがドーナツ屋になっていたり
といった変更が施されているのですけど、物語内容
そのものは、概ねオリジナルに近いようです。
それでも個人的に気になっていたのが、シリーズの
中でも名作とされる、第8話「プリキュア解散!ぶっちゃ
け早すぎ!?」の扱いです。
ご存知のように、このお話までずっと、なぎささんと
ほのかさんの2人はお互いを、「雪城さん」「美墨さん」
と、名字で呼び合っていました。
藤P先輩についての、ほのかさんからのなぎささんへ
の気遣いが裏目に出て、2人の関係はギクシャクして
しまうのですが、そういった気持ちのすれ違いを経て、
ラストでやっとファースト・ネームで呼び合える、より
近い関係に2人はなった、というのが、このお話のプ
ロットです。
ところが、このカナダ版では最初から、2人はお互い
のことを「Natalie」「Hannah」とファースト・ネーム
で呼び合っているので、そういう呼び名の変化という
部分は、翻訳改変の都合上無くなってしまうのでは、
と想像していました。
1話からずっと、このカナダ版におけるオリジナルか
らの改変を細かくレポートしてくれている人がいるの
ですけど、第8話の報告には、その部分についても、
言及がありました。
カナダ版なぎさのNatalieさんには、「Nat」(ナッツあ
るいはナツ)というニックネームがあるんですね。
親友の志穂(Shawna)と莉奈(Rina)からは、そう呼
ばれている一方で、プリキュアのパートナーである、カ
ナダ版ほのかのHannahさんからは、このエピソード
まで、ずっと「Natalie」と呼ばれていたようです。
そしてこのエピソードの最後で、ついにHannahに、
「Natalie」ではなく、「Nat」と呼ばせるようになるん
ですね。
オリジナルでの、名字(雪城さん)から、ファースト・
ネーム(ほのか)への移行の代わりを、プロットとして
成立させるために、「Nat」という愛称が役立ったわ
けです。
逆にHannahの方は、そもそも愛称がないというか、
それだけ親しく呼んでくれる親友がいないという立
場なので、たぶんHannahのままでしょうけど、お話
としては、「Natalie」から「Nat」への移行で十分だ
ろうと思います。
このカナダ版の英語吹替制作については、日本の
東映アニメーション側が直接監修しているそうです
が、この処置については、とても上手くやったのでは、
と評価したいです。
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