2009年05月14日

英語版「ガンダムSEED」「ガンダム00」「Black Lagoon」のボイスディレクターJames Corrigall氏インタビュー at Voiceprintポッドキャスト


お馴染みカナダ・バンクーバー発の、アニメ・カー
トゥーン声優のTrevor Devallさんによるポッドキャ
スト番組Voiceprintの最新エピソードである第21
回が、5月12日から配信開始されていました。
前回のエピソードからは、2ヶ月以上の間隔が空
いてしまいましたけど、Trevorさんはフランスに出
かけたりもしていたようですね。これからは、月イチ
くらいの更新ペースを目指したいとのことで、また
楽しみにしています。
バンクーバーの声優業界の景気も、あんまりぱっと
しないみたいで、業界を活性化するような次の大ヒ
ット作を待っている、という感じのようです。


いつものエピソードなら、ゲストはバンクーバーの
The Ocean Groupの作品で活躍している声優さ
んなのですが、今回のゲストは、Trevorさん言う
ところの、録音ブースの「ガラスの向こう側」にいる、
ボイスディレクターのJames Corrigallさん。
Jamesさんは、ミュージック・プロデューサーを目指
して、高校卒業後、音楽ビジネスと音響エンジニア
リングが学べる学校に進んだんだそうですが、そこ
でボランティアとして関わったカナダのバンドの酷
さに幻滅し、何をやっている会社なのかもよくわか
らずに(ジョークでしょうけど)、友人の紹介でThe
Ocean Groupを選んだ、とのことです。


1年間ほどの、エンジニア、ダイアログ・エディター
としての仕事を経て、初めてボイスディレクターの
肩書きを得たのが、先輩から途中で引き継いだ
「Monster Rancher(モンスターファーム)」でした
が、企画の最初から、きちんとディレクターとして関
わったのは、「ゾイド」になります。
「ゾイド」の収録2日目に、9.11が起きたそうです
から、正確な日付がわかりますね。


今回の番組の中で言及された代表作は、

「機動戦士Zガンダム」
「機動戦士ガンダムSEED」
「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」
「機動戦士ガンダム00」
「とっとこハム太郎」
「Black Lagoon」
「出ましたっ!パワパフガールズZ」
「NANA」

などになります。
このポッドキャストの前日に、「ガンダム00」の2nd
シーズン最終話が収録されたそうです。
カナダではガンダムシリーズの人気が高いので、
語られる話題や、リスナーからの質問も、ガンダム
関連のものがとても多かったですね。
Trevorさんも、今まで演じた中で最もクールなキャ
ラクターとして、「SEED」シリーズのムウ・ラ・フラガ
を挙げていました。


short_g.gif


手がけた作品の中でお気に入りはという質問に、
Jamesさんが迷わず即答したのが、「Black Lagoon」
でした(30分40秒〜)。
特に、レヴィ役のMaryke Hendrikseさんの演技を
絶賛していて、僕は英語版「Black Lagoon」は未見
ですからコメント出来る立場にはありませんけど、
知っている方なら、納得出来るのではと想像します。


一方で、収録が一番大変だったエピソードという質
問に対しては、キャラクターを創り上げなくてはなら
ない、全ての作品の第1話が大変だという真面目な
答えと合わせて、特に、「出ましたっ!パワパフガー
ルズZ」のお化け屋敷の話(たぶん第34話「お化けの
住む家!?」)を挙げていました。
とにかくこのお話は、PPGZの女の子3人が、叫び続
ける内容なので、収録する方も肉体的に大変だった
ということですね。歯医者さんのドリルをずっと頭の
中に突っ込まれている感じだったとか(笑)。
疲労困憊したエンジニアさんも収録後帰宅してから、
14時間もひたすら眠り続けたそうです。


ボイスディレクターとして、自分の仕事が報われた
と感じる瞬間は、という質問には、達成感―― sense
of completion という表現をされていました。
向こうの録音では、日本のアニメと違って、それぞ
れの声優さんのトラックを、個別に収録していきます
よね。
その台詞が、エピソードや作品全体の中で、どんな
流れの中にあるのか、ディレクターがきちんと把握
していないと、仕事は簡単に破綻してしまいます。
だからこそ、自分が思い浮かべていた全体の構想
の通りに、全てのボイストラックが上手く当てはまり、
ひとつの作品として完成した時の達成感は格別だ、
ということですね。


また実務的な苦労のひとつは、特に日本語の名前
の発音の処理になるようです。
英語の台詞の中で、日本語の名前を、オリジナルの
発音にどれだけ近づけるかの判断は、クライアントか
らの要求にもよるそうですが、やはり難しいとか。
Trevorさんも指摘していましたが、英語台詞での演
技の流れの中で、日本語名前の響きがどう調和する
のか、という問題もあるようですし。
逆に考えて、洋画の日本語吹替で、人物の名前だけ
オリジナルの英語発音(マイケルをマイクォーとか)に
近付けたら、不自然ですものね?


今回のエピソードは1時間半超えとかなり長いので
すが、アニメ英語吹替の現場で活躍している、声優
さんとディレクターさんという、プロフェッショナルの人
達だから語れる貴重なお話が満載で、アニメの英語
吹替に興味がある人なら、必聴だと思います。とって
もお薦めです。




posted by mikikazu at 11:22 | TrackBack(0) | 海外情報(北米) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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