スペインの首都マドリードでは、この週末の5月8
〜10日にかけて、名称でわかる通りのマンガ・アニ
メイベント、ExpoManga 2009(公式サイト)が開催
されます。
それに合わせて、先月から投票が一般にも呼びか
けられていた(投票期間4月1日〜5月1日)、マンガ・
アニメを対象とする賞――賞自体に名称はないみた
いなので、そのままExpoManga 2009アワードと
呼んでおきます――の、各ノミネートが5月5日付け
で、お馴染み情報サイトのRamen Para Dosで伝
えられていました。
Ramen Para Dos 2009年5月5日付け記事
"Nominados a los Premios ExpoManga 2009"
各賞は、一般ファンからの投票によるものと、プロ・
業界関係者からの投票によるものに分けられていて、
その対象は、特別なカテゴリーを除いては、2008年
度内に、スペイン国内で正式に発売・放送された作
品に限られています。なので、昨年度のスペイン国内
でのマンガ・アニメ人気の傾向を知る指標として、あ
る程度役に立つでしょう。
最終的な受賞者は、イベント2日目である5月9日
午後8時に発表されるそうです。
とりあえず、各賞のノミネートを紹介していきます。
まず、業界関係者による選出部門から。
・スペイン語翻訳版マンガ部門
「父の暦」(谷口ジロー Planeta DeAgostini)
「ジョージィ!」(井沢満・いがらしゆみこ Banzai)
「きまぐれオレンジ☆ロード」(まつもと泉 Glénat)
・スペイン語吹き替え版アニメ部門
「ロードス島戦記・Ultimate Box Edition」 (Jonu Media)
「ドラゴンボールZ・TVシリーズ」 (Selecta Visión)
「聖闘士星矢・special edition」(Selecta Vision)
・情報サイト部門
「Infotaku」
「Misión Tokyo」
「Ramen para dos」
・ベストプロフェッショナル(人物)部門
Annabel Espada(Planeta DeAgostini y Norma Ediciones)
José Luis Puertas(Jonu Media)
Manuel Guerrero(Selecta Visión)
――と、ここまでが図書館司書・出版社・メディア
関係者といった、スペインのマンガ・アニメ業界の
人達による選出です。
アニメ・マンガ作品についても、内容よりもその翻
訳や装丁、パッケージなどの、商品としてのクオリ
ティが重視されているようですね。
続いては、スペインのアニメ・マンガファンによる選
出部門です。こちらは、純然たる人気投票と考えて
いいでしょう。
・スペインでTV放送されたアニメ部門
「Bleach」(Cuatro)
「NARUTO」(Animax)
「DEATH NOTE」(Buzz)
・ビデオ発売されたTVアニメ部門
「Bleach」 (Jonu Media)
「DEATH NOTE」 (Selecta Vision)
「NANA」 (Jonu Media)
・OVA部門
「エルフェンリート」 (Canal Buzz)
「鴉-KARAS-」(Canal Buzz)
「NARUTO-滝隠れの死闘オレが英雄だってばよ!」
(Animax / Panini)
・アニメ映画部門
「ファイナルファンタジーVII アドベントチルドレン」
(Universal)
「鋼の錬金術師 シャンバラを征く者」
(Panini / Buzz)
「ツバサ・クロニクル 鳥カゴの国の姫君」
(Jonu Media)
・スペインで出版して欲しいマンガ部門
「涼宮ハルヒの憂鬱」(ツガノガク)
「パフェちっく!」(ななじ眺)
「ソウルイーター」(大久保篤)
・スペインで放送・発売して欲しいアニメ部門
「コードギアス 反逆のルルーシュ」
「鋼の錬金術師 Fullmetal Alchemist」
「らき☆すた」
・スペイン語版吹替声優部門
Roger Pera
(DEATH NOTEのL、めぞん一刻の五代裕作)
Jorge Saudinós
(ONE PIECEのゾロ、遊戯王のダイナソー竜崎)
Sergio Zamora
(Bleachの黒崎一護、聖闘士星矢の紫龍、DEATH
NOTEの夜神月)
・お気に入り女性キャラクター部門
ブルマ(ドラゴンボール)
朽木ルキア(Bleach)
紬屋雨(Bleach)
・お気に入り男性キャラクター部門
エドワード・エルリック(鋼の錬金術師)
黒崎一護(Bleach)
うずまきナルト(NARUTO)
・お気に入りマンガ作者部門(2008年度内)
星野桂(D.Gray-man)
大場つぐみ・小畑健(DEATH NOTE)
岸本斉史(NARUTO)
・お気に入りスペイン人マンガ作者部門(2008年度内)
Hiya(Hunter of Tales)
Dorianna(No te escondas)
Jesulink(Los Cinco Elementos)
・お気に入りマンガ作者部門(オールタイム)
岸本斉史
久保帯人
浦沢直樹
・お気に入りスペイン人マンガ作者部門(オールタイム)
Dorianne (Laura Bartolomé)
Hiya
Inma Ruiz
・お気に入りスペイン人イラストレーター部門
Dorianne (Laura Bartolomé)
Victoria Francés
J. M. Ken Niimura
・お気に入りアニメソング部門
「What's up,people?!」(マキシマムザホルモン)
―― 「DEATH NOTE」2ndOPテーマ
「PAPERMOON」(Tommy heavenly6)
―― 「ソウルイーター」2ndOPテーマ
「UNDO」(COOL JOKE)
―― 「鋼の錬金術師」3rdOPテーマ
・スペインでのアニメ放送局・マンガ出版社部門
Canal Animax
Editorial Nowevolution
Norma Ediciones
になります。
そして最後に、業界関係者によって選ばれた三つ
の候補から、ファン投票によって決定する部門が、
・ベストマンガ部門(オールタイム)
「MONSTER」(浦沢直樹)
「NANA」(矢沢あい)
「らんま1/2」(高橋留美子)
・ベストアニメ部門(オールタイム)
「ドラゴンボール」
「カウボーイビバップ」
「らんま1/2」
・ベストクリエイター部門
CLAMP
高橋留美子
手塚治虫
になります。
マンガ・アニメ両部門に、近作の「犬夜叉」ではなく
「らんま1/2」が選ばれているのは、業界関係者の
目からは、スペインでのマンガ・アニメの歴史的に、
「らんま」が、それだけ重要な作品だという判断なん
でしょうね。
クリエイター部門も悩むところですが、CLAMP・高橋
留美子さん両氏共にきっと、まずは手塚先生にあげ
て欲しいと仰るのではないでしょうか。