2009年03月29日

米・テネシー州のアニメコンベンションJAMPcon 2009延期についての、代表Andrea Morgan氏による説明


当ブログ3月23日付け記事

「米・テネシー州のアニメコンベンション
JAMPcon 2009が不況を理由に開催延期へ」


のフォローになります。
詳しい事情については、当事者の方にお話を訊く
べきだろうと、JAMPcon 2009(公式サイト)の代表
であるAndrea Morgan氏に、問い合わせのメール
を送っておいたのですが、本日丁寧なお返事をいた
だきました。ありがとうございます。


コンベンションが延期となった理由として、公式コ
メント
内で「economic collapse(経済の危機的
状況)」を挙げていて、スポンサーが集まらないとか、
集客が見込めないとかいうことを僕は想像して、
Morgan氏にその点をお伺いしてみたんですが、
やはり後者が理由として大きかったようです。
以下、コメントを一部引用させていただきます。


short_g.gif


1年目にはいくつかのスポンサーがついてくれて
いて、もちろん今年も探してはいましたが、そんな
必死に、というほどではありませんでした。
なので延期の主な理由は、仰るように、参加者の
数を保証出来なかったからですね。


延期せざるをえないとしたら、開催の直前までそ
の決定を引き伸ばすことは、良い考えとは思いま
せんでした。なのでこれは、より予防的措置な行
動だといえます。
アメリカに住む私達はみんな、全米各地ですでに
数百万の人々が職を失っている状況を理解して
います。全てのアニメコンベンションがその影響を
感じているのでしょうが、唯一の違いは、私達の
JAMPconは、まだ始まって二年目だということな
のです。


代表として、延期によって参加を考えていた人達
に、厳しい経済状況から立ち直る時間を与えられ
ると考えました(既に、良い決断だったと私に伝え
てくれてきた人達もいます)。そして私達にとっても、
JAMPconが存続する可能性をより確実にしてくれ
ていると思います。


歴史のあるアニメコンベンションにとっては、参加
者の減少は、開催を継続するか否かを左右するほ
どの大きな問題にはならないかもしれません。
けれど、歴史の浅いコンベンションにはなってしま
うんですね。(同じテネシー州で開催予定が中止さ
れた)Anime Addictsが、その1回目大会を開催
出来なかったのも、参加者数を見込めないことが
理由のひとつだろうと、私は考えています。
そういった状況をアニメファン達もちゃんと理解して
くれていることに、私達は感謝しています。
延期は、中止とは全く別のことです。
既に新しい開催期日も決定していますし(2010年
5月21〜23日)、新たなゲストも1人決まりました。
新装された公式サイトも、もうすぐ立ち上がる予定
です。来週末にはMTAC(Middle Tennessee Anime
Convention 公式サイト)があります。私達もそこへ
JAMPcon 2010をプロモートするために参加します。


初年度は参加者達からも、たくさんのサポートを
受けることが出来ましたし、延期が多くの点で、
JAMPconを実際救うことになっていると思います。
なので、今年行っていただろうものよりも、2010年
の内容は、より良いものになるだろうと私は確信し
ています。
(ところで、AnimeCons.comの記載では、昨年の
推定有料入場者数が約400人となっていますが、
約500人が最終的な正しい数字です)


short_g.gif


というのが、まずいただいた一通目のメールの
内容になります。続いて届いた二通目では、より
詳しいディテールが語られていました。
未曾有の大不況という、全米的な状況に加えて、
チャタヌーガ市自体のアニメファン・コミュニティの
小ささもあるようです。それなりのファン人口がい
るフロリダなどとは、また違うというわけですね。
だから昨年の500人という数字は誇るべきものだ
というのが、Morgan氏の解説です。
とはいえ決して大きな数字ともいえないので、それ
を下回るかもしれない現在の経済状況を考えると、
小さな規模のコンベンションとしては、無理にリスク
を犯せないという判断なんだろうと思います。
延期の決断が早かったことで、金銭的損失も生じ
ていないようです。


そうですね、Morgan氏の説明を聞いて思うのは、
アメリカは広くて、アニメコンベンションの規模・性
格にしても、地域によって色々異なるだろう、とい
うことですね。
一般メディアは、数万人を動員し、日本からの大
物芸能人ゲストが参加するような大イベントを、
北米のアニメコンベンションだとして伝えていると
思うんですが、数百人規模で、大物ゲストが参加
しているわけではないけれど、少ないスタッフ達の
熱意によって支えられている、地方のコンベンショ
ンも、やはりたくさんあって、そちらの方が実は多
数派だろうと思います。
イベントの規模の大小に関係なく、スタッフや参加
者達を動かすのは、アニメやマンガに対する愛情
と、それをイベントを通して伝えたい、同じものを愛
する人達と分かち合いたいという気持ちだと思い
ます。


二通目の最後に、Morgan氏が記していたのが、
「日本の人達が、JAMPconに来られるわけではな
いということはわかっていますけど、アニメは、私達
のどちらにとっても、とても大切なものですよね。
だから、延期についてもきちんとした説明を知る権
利が、お互い全ての人にあると思います」
という言葉でした。
アメリカでこうやってアニメを愛して活動している自
分達のことは、きちんと知っていてもらいたい、とい
うことだと思います。当ブログを通じて少しでもその
お役に立てたのなら、幸いです。
来年度のJAMPconの成功を、心から祈ります。


posted by mikikazu at 10:44 | TrackBack(0) | 海外情報(北米) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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