まず先に、同じフランス発の情報を。
2月25日から、パリのCinéma Publicisで単館先
行公開されていた「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」
(フランス公式サイト)ですけど、Box Office Mojo
によると、その一週目の週末興行成績(3月4〜8
日)は4001ドル(約39万4099円)、公開館数が5館
となった翌週末(3月11〜15日)は3836ドル(約37
万7846円)になり、累計が1万1592ドル(約114万
1812円)ですね。
残念ながら、さらにその翌週末(3月18〜22日)は、
ランキングから姿を消しています。
上映自体はまだ、3館ほどで続いているようですが
(スケジュール)。
というわけで本題です。
恒例ですが、BDZOOM.comによる、フランスでの
マンガ売り上げ月間ランキングの、2009年2月分
記事ですね。
BDZOOM.com 2009年3月25日付け記事
"ZOOM SUR LES MEILLEURES VENTES
DE MANGAS – MARS 2009"
まずは、トップ15のランキングを引用してみます。
数字は累計の推定刷り出し冊数です。累計なの
で、出版が古いものは、順位とは食い違います。
1.「NARUTO」第40巻(22万冊)
2.「銃夢-Last Order」第11巻(6万冊)
3.「FAIRY TAIL」第5巻(7万冊)
4.「NANA」第20巻(5万5000冊)
5.「NARUTO」第39巻
6.「聖闘士星矢 LOST CANVAS 冥王神話」第4巻
(4万冊)
7.「D.Gray-man」第14巻
8.「JACKALS 〜ジャッカル〜」第4巻(3万冊)
9.「BLUE DRAGON ラルΩグラド」第2巻
(3万8000冊)
10.「エンジェル・ハート」第26巻(1万8000冊)
11.「ベルセルク」第30巻(3万冊)
12.「Dofus」第10巻
13.「GetBackers -奪還屋-」第31巻(1万7000冊)
14.「FAIRY TAIL」第4巻
15.「魔法先生ネギま!」第17巻
というわけで、先月に引き続き、「NARUTO」第40巻
が首位を堅持しています。すごいですね。
新作ということでは、やはり「FAIRY TAIL」に勢いが
ありますね。「聖闘士星矢 LOST CANVAS 冥王神
話」も、根強いフランスの「聖矢」人気を示しています。
では続いて、Edistatによる、フランス国内での書籍
全体売り上げ週間ランキングの最新分(3月16日〜
22日)から、日本マンガを抜き出してみると、
28位 「NANA」第20巻
37位 「ソウルイーター」第1巻
39位 「NARUTO」第40位
42位 「ベルセルク」第30巻
48位 「ソウルイーター」第2巻
53位 「FAIRY TAIL」第5巻
57位 「ツバサ-RESERVoir CHRoNiCLE」第21巻
61位 「エア・ギア」第14巻
133位 「銃夢-Last Order」第11巻
157位 「テイルズ オブ シンフォニア」第1巻
173位 「涼風」第11巻
178位 「ツバサ-RESERVoir CHRoNiCLE」第21巻
(ハードカバー?)
197位 「湘南純愛組!」第29巻
198位 「NARUTO」第39巻
になります。
ニューカマーで元気があるのは、3月12日に第1&
2巻が同時発売された「ソウルイーター」ですね。
月間ランキングでどこに位置するでしょう。
毎年恒例の、du9によるフランスのコミック市場調査
2008年度版、
(英語翻訳記事)
"Numerology, 2008 edition (I)"
"Numerology, 2008 edition (II)"
では、マンガの状況についても触れられていました。
市場全体は成長を続けているものの、2001〜2005
年と比較すると、ここ3年の伸びは緩やかになってい
るようですね。
「NARUTO」が飛び抜けた売れ筋である状況は変わ
らないものの、その全体の売り上げは2007年の200
万冊から、2008年は186万冊へと初めて低下してい
て、ついに飽和に達したのか、気になるところです。
また、長く人気を保っていた「ドラゴンボール」も、
2008年はその売り上げが28%も落ちたとのことです。
これからの実写版映画の公開が、人気再興につなが
るでしょうか。
2009年度におけるフランス市場の不安材料としては、
人気シリーズの「DEATH NOTE」「SAMURAI DEEPER
KYO」「フルーツバスケット」が完結したこと、日本での
出版に追いつきそうな「鋼の錬金術師」「NANA」などの
出版数が減ることが挙げられています。2010年度は、
それに「NARUTO」「Bleach」「ONE PIECE」「魔法先生
ネギま!」も続きそうです。
市場の大きな割合を占めている、ベストセラー作品の
出版数が減ることは確かに大きな問題でしょうけれど、
逆に考えれば、上記のランキングでも勢いのある
「FAIRY TAIL」「ソウルイーター」のような新しい作品
が入り込む余地が生まれた、ともいえますよね。
また状況を見守っていきたいです。