2009年03月17日

OTAKU USA編集長パトリック・マシアスさんによる、日本オタク文化の歴史を語るレクチャー at テンプル大学ジャパンキャンパス


よく取り上げさせてもらっている方ですけれど、雑誌
OTAKU USA(公式サイト)の編集長であるパトリック・
マシアスさんが、去る3月13日に、東京都港区南麻
生にあるテンプル大学ジャパンキャンパスに招かれ、
「Otaku Power – Trivia, Desire, and Transformation」
と題した、日本のオタク文化の歴史について語るレ
クチャーを行ったそうです。
その模様がさっそく、マシアスさんの個人ブログで
ある「An Eternal Thought in the Mind of Godzilla」
に3月14日付けで、ポッドキャストとして公開されて
いました。いわゆるオーディエンス録音ではなく、発
言者ご本人による収録なので、音質は良好です。


40分程の長さの内容は、「鉄腕アトム」「宇宙戦艦ヤ
マト」「機動戦士ガンダム」「超時空要塞マクロス」
「AKIRA」「新世紀エヴァンゲリオン」といった、各年代
の代表的な作品を通した、アニメ文化とそのファンダ
ムの、歴史と変容をざっと語る、というものです。
冒頭でマシアスさんも断っていますが、時間が限られ
ているので、オタク文化の重要なパーツである同人誌
活動などに触れる余裕はなく、よってそこから派生した
やおいにもまったく言及出来ませんでしたが、仕方な
いと思います。
可能なら2日間ほど時間をつくって、OTAKU USAの
編集者・ライターさんが、それぞれの専門分野について
じっくり語るシンポジウムでも開催出来れば理想的な
んでしょうけれど。日本からも、数土直志さん(アニメ!
アニメ!
)、ceenaさん(英語で!アニメ・マンガ)、かざ
みあきらさん(白い空)、といったエキスパートの方々を
お招きして。あ、僕は荷物持ちくらいの役にしか立たな
いと思います、あはは。


short_g.gif


マシアスさんが大きく時間を割いて語っていたのが、
秋葉原の歴史と、そこで起きた事件の解説でした。
ずっと西日本在住で、今まで一度も秋葉原に足を運
んだ経験のない僕には、日本のオタク文化を語る時
に、どれだけ秋葉原について割合をさくべきか、判断
する資格はないと思います。その辺は、もっとふさわ
しい方にマシアスさんの解説を聞いてほしいです。


アメリカ映画について語る時に、ハリウッドという街あ
るいは地域の存在が、都合が良いように、ひとつの
わかりやすい象徴として、秋葉原という街が便利だと
いうのはわかります。観光産業としても、「まずここに
行っておかねば」というスポットがあるのは、きっとあ
りがたいことでしょうし、とりあえず秋葉原を紹介してお
けば、日本のオタク文化の一端には触れたことになる
という、手順の話ですね。
ただその一方で、メイド喫茶が日本のどこの街にでも
あるわけではないし、コスプレなんて一度もしたことが
ない、そもそも新作テレビアニメがほとんど放送されな
い地域に住んでいる人も、たくさん存在するという日本
全体の実態も、きちんと伝わっていては欲しいです。
海外のメディアが日本のオタク文化の代表として秋葉
原を紹介する際に、「自分には関係ない」と感じる人達
の、オタクとしてのアイデンティティを支えるものはなん
なのかという想像もまた、必要だろうと思います。


short_g.gif


OTAKU USA絡みで、ついでに紹介しておく動画があり
ます。
ブログAnime Dietが公開している、コンベンションWondercon
(2009年2月27日〜3月1日 公式サイト)のビデオリポー
トで、OTAKU USAのパネルの模様も取材されており、
マシアスさんを含むOTAKU USAの編集者さん・ライター
さん達のお姿も拝見出来るのですね。
こういう方々が作っているんだとわかる、良い機会だろう
と思います。
それと頑張ってますゴジラ。受けるのわかります。





posted by mikikazu at 11:52 | TrackBack(0) | 海外情報(北米) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

この記事へのトラックバック
eXTReMe Tracker
×

この広告は90日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。