2006年01月09日

「乙女はお姉さまに恋してる」を気に入った私的理由


どうやら順調に消化されておられるようなので(でも、
焦らずに楽しめるマイペースで、どうか)、こちらでも
物語ネタバレなしの、「乙女はお姉さまに恋してる」
についてのお話を、引き続き少しだけ。

「乙女はお姉さまに恋してる」公式サイト
http://www.alchemist-net.co.jp/products/otoboku/


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これは、恋愛シミュレーションゲームの知識がある方
に一度お伺いしてみたかったのですけれど、かねてよ
りの僕自身の要望として、主人公が礼儀正しく謙虚で
優しい性格で、一人称が「僕」で、かつ可能なら、ヒロ
インを「さん」付けで呼んでくれるようなゲームはない
だろうかと、ずっと思っていたんです。
そういう主人公を望む僕自身の性向の解析について
は、また別の話ですが……。
僕がプレイしたことのあるゲームの数はたかが知れて
いるので、一般的傾向ということではお話出来ません
けれど、例えば有名ゲームの「To Heart」なんかは、
主人公のヒロイン達に対する言動が(僕からすると)
あまりに不遜で、作品を楽しむまでには、結局至りま
せんでした。


ただ、たくさんのヒロインを相手に異なる物語を展開
しなくてはならない恋愛シミュレーションの世界では、
主人公の言動における、ある程度の積極性というの
は必然ですから、「謙虚な性格」という設定は、その
要求に反してしまうわけで、両立させるのが難しくな
ってしまうのはわかります。
「アカイイト」「あやかし忍伝 くの一番」といった
作品を僕が自然に楽しめたのも、百合的な要素とは
関係なく、女の子を主役にすることで、男性主人公で
は難しい、ヒロインに対する謙虚さや礼儀正しさが描
けていたからだ、という点は大きいと思います。


そういう意味で、男性でありつつも、その生来の優
しい性格と御曹司としての出自、女装をして、学院
の誰からも慕われる「エルダー」としての立場を演じ
なくてはならなくなった、「乙女はお姉さまに恋して
る」の主人公、宮小路瑞穂クンの描かれようは、結
果として、僕の求めている主人公像にマッチしていた
のですね。
それゆえ安心出来る視点が、作品世界を満たしてい
るので、プレイしていて、他の作品になく、これまで求
めていた心地良さを強く感じるのです。
物語自体も、そういう瑞穂クンの性格を受けて、繊細
なタッチで進んでくれているようですし。
「お姉さま」という学院内での姿は嘘でも、周囲に伝え
ている優しさは、彼の正直な心根から発した本当のも
のだという肯定的な語り口は、ファンタジーの嘘を簡
単に忘れさせてくれるものです。
「キス魔」になってしまった点については……、まあ、
それこそ「趣味か!?」ということで(笑)。


これはあくまで僕個人の見方、楽しみようであって、
万人に通じるものではないと思いますが、それでも、
この作品に触れられてよかったと思っています。
あらためて、出会う切っ掛けをくださって、ありがと
うなのです。
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