2006年01月07日

「魔法少女リリカルなのは」第12話



「私達の全ては、まだ始まってもいない。
 だから、本当の自分を始めるために
 今までの自分を、終わらせよう」

           (フェイト・テスタロッサ)

というわけで、ちょっと間が空いてましたが、もちろ
ん忘れたわけじゃありませんの「魔法少女リリカル
なのは」
は、決着戦突入のラス前エピソードになる、
第12話「宿命が閉じる時なの」でした。
↑にも引用したように、名台詞も連発された、文句
のない極上レベルのお話でした。何度繰り返し見て
も飽きないエピソードというのも、久しぶりです。

「魔法少女リリカルなのは」公式サイト
http://www.nanoha.com/archive/index.html


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母親に捨てられたフェイトの復活を描いた前半部が
成功しているのは、そこに、主人公であるなのはが
直接的な言葉や行動で関与しなかったことが、最大
の理由になると思います。
もちろん作品演出という意味では、これ以上ないタ
イミングで重ねられた挿入歌や、声優さんの演技も、
大きなポイントとして評価すべきですよね。


ここでのフェイトの復活に、なのはが関与し、つま
りフェイトを救う、あるいは引っ張り上げるような
形になってしまうと、以後の2人の関係が、対等な
ものにならなくなってしまうのですね。
「初めて私と対等に、まっすぐ向き合ってくれた」
なのはと同じところに立つためには、フェイトはど
うしても自分の意志と力で、起き上がらなくてはな
らなかった。あ、もちろんいつも彼女のそばにいて
くれた、盟友バルディッシュと共に。
そしてそれが出来たことで、もう1人の主人公とし
てのフェイトの魅力を再構築すると同時に、さらに
今後描かれるべき、新たなフェイトとなのはの、
「本当」の物語も始められるわけです。
再会した二人が余計な言葉を交わし過ぎることも
なく、瞳だけで最初の「なにか」を伝え合い始めた
場面に、胸がただ熱くなりました。


そういう(あくまで僕個人のものですが)読み取りを
ふまえて、あらためて感じるのは、物語のパーツが、
然るべき場所にきちんと収まりつつ進んでいく、語り
口の完成度と、それゆえの安心感ですね。
無駄がないというか、計算尽くしという嫌味を感じさ
せるわけでもない、血の通った物語が構築されてい
ると思います。


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整理された語り口という点で指摘出来る要素は、各
キャラクターの目的意識が明確な作劇になっている、
ということがありますね。
一般的にいわれるキャラ立てということだけでなく、
物語の中で、各自が成すべき立場に忠実であり、ど
のキャラも筋が通った人格に読み取れる。
例えば、狂乱するプレシアに対するクロノ君の台詞、

「世界はいつだって、こんなはずじゃないことばっか
りだよ。ずっと昔から、いつだって誰だって、そうな
んだ!」

「こんなはずじゃない現実から、逃げるか、それとも
立ち向かうかは、個人の自由だ。だけど、自分の勝
手な悲しみに、無関係な人間まで巻き込んでいい権
利は、どこの誰にもありはしない!」

なんて、本来ならば首魁であるプレシアに対してなの
ですから、主役のなのはが言ってもよさそうな重みを
備えたものですよね。
アニメに限らず、キャラクター主体のメディアにおい
ては、往々にして、そういう特権を主役に与えてよし
とします。クライマックスで主演俳優が、語り口のリ
ズムを無視して延々と長芝居(演説とも)を始めてし
まうような映画は、すぐに思い当たるでしょう。


でも、「なのは」においては、そういった瞬間のイン
パクトよりも、時空管理局付の魔導師として、様々
な現実を経験してきた筈のクロノ君だからこそ言え
る台詞なのだというリアリズムを優先します。
なのはが同じことを言ってしまうと、ここまでの彼女
を考えても、やはり身に沿わないと思うでしょうし、
結果として、クロノ君のキャラクターの価値も、彼が
生きている人間なら当然そうすべきであるように、
作り手が大事にしてくれている、と感じるのです。
「キャラクターが生きている」とは、まさにこういう語
り方のことを言うのでしょう。
「なのは」に対しては、主人公のなのはが9歳らしく
ないといった批判もあったそうですが、ドラマ演出と
いう面では、このようにきちんと理にかない、効果あ
る選択がなされていると思います。


ここで、クロノ君のシリアスで重い台詞が生きるのも、
例えば第11話の冒頭にあった、直接台詞は交わさな
いままに、クロノ君がエイミィさんの癖毛を直そうとす
るような、生真面目だけではない人格的側面の幅を
示す要素が、ちゃんと配置されているからですね。
そういう意味でも、ホントに丁寧に計算された良質の
作品だと思います。


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いよいよ次は残念ながらラスト・エピソードなので
すが、サブタイトルが内容を想像させてはくれます
し、そのまとめ方でいいとも思います。
まあ、ホントに大どんでん返しで、最初に言ってた
みたいにユーノ君がラスボスだったりしたらスゴイ
んですけど(笑)。
「ふははは。全ては、この手にジュエルシードを揃え
るための企てだったのよ! プレシアごときは、我が
手駒に過ぎぬわ!媚びろ!崇めよ!跪け!」
「……外道が。地獄でプレシアに詫びるがいい!ほ
あたあ!」
とか?←だからそれだと違う作品ですってば。


ともあれ、「ちょっとイイことがある……かもしれま
せん」とのことなので、「なのは」OPフルコーラス版
をちゃんと聴きこんでから、いずれ最終話に臨みた
いと思います。
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