2009年02月12日

英語版「PLUTO」(手塚治虫・浦沢直樹)第1巻レビュー集


今月北米で発売される英語翻訳版マンガで、個人
的に注目しているのが、2月17日にVIZ Media(
式サイト内ページ
)から発売される、どうやらフルタイ
トルは「Pluto: Urasawa x Tezuka」になったらしい、
「PLUTO」(手塚治虫原作・浦沢直樹作)第1巻ですね。
原作にあたる「鉄腕アトム」の「地上最大のロボット」
編は、Dark Horseから出版されている英語版「アト
ム」こと「Astro Boy」の第3巻に収録されています。
英語版「PLUTO」の翻訳を手がけているのは、Jared
CookさんとFrederick L. Schodtさんで、特に
Schodtさん(公式サイト)は、手塚治虫研究家である
だけでなく、その「地上最大のロボット」編の翻訳も直
接担当されていますから、引き続き携わってくれてい
るという意味では、とても安心出来ます。


個人的な意見ですけど、浦沢直樹さんの長編作「二
十世紀少年」「MONSTER」「PLUTO」の中では、
「PLUTO」が一番お気に入りだったりします。
他の作品もそれなりに良い出来だとは思いますが、や
はり講談社の手塚治虫全集で育った身としては、あの
「アトム」をどうリライトするかという、物語それ自体以上
の楽しみがついてきますし。ああ、アトムとウランちゃん
を、こういうデザインにしたのか、という一発でノックアウ
トでした。コミックス派なので、待つのが大変ではありま
すけど(笑)。


発売に先んじて、北米のマンガ・コミック関連のサイト
では、レビューがそろそろ掲載され始めているので、
今日はそれらの一部を紹介しておきたいと思います。
全訳は無理なので、コメントの一部だけを抄訳という
感じで。


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Comic Book Bin
"Pluto: Urasawa x Tezuka: Volume 1
By Leroy Douresseaux"


評価:A

「物語世界もまた、読者にとっては未知なものであり、
読者はその奇妙さを通して、物語の中心にある謎を
探っていくと同時に、そんな世界で生きるとはどういう
ことかを理解していかねばならない。なにより浦沢は、
『MONSTER』で描いたのと同じく、この人工知能の
物語においても、人間が様々な面を持ち得ることが
何を意味するのかについて、我々に示そうとしている」

            ☆
               
Comic Book Resources
"Pluto: Urasawa x Tezuka Vol. 1
by Greg McElhatton"


評価:5星中5星(満点)

「ロボットの殺人機械が戦場から去ることを決意し、
音楽に挑み理解するために執事になる物語が面白
く読めるとは、まったく思っていなかったのに、それ
らの最後の章では、私は本当に悲しく感じていた。
最初は単にサイド・ストーリーが終わって、孤独な作
曲家とその執事について、もっと読みたかっただけな
んだと思っていたんだ。
けれど1分後に突然、私は理解したんだ。そうじゃな
い、私は本当に、ノース2号という、6本腕のロボット
に気持ちが移ってしまったからこそ、悲しいんだと。
これこそ『PLUTO』の素晴らしさの証明であり、何故
『Urasawa x Tezuka』という副題が付けられている
かということの、私なりの理解でもある。手塚の物語
から選ばれた要素が抜き出され、浦沢の最良の部分
と組み合わされているんだ」

             ☆

ICv2
"Review of 'Pluto: Urasawa x Tezuka' Vol.1
by Tom Flinn"


評価:5星中5星(満点)

「浦沢のリアリスティックなスタイルは、手塚のレトロ
なロボットのデザインと、驚くほどよくマッチしている。
手塚は常に、深い哲学的なテーマのようなものを、彼
の物語に織り込んでいたのだが、それは浦沢の作品
のような語り口の重みを支えるのに、十分なものだ」

             ☆

Manga Recon
"Pluto: Urasawa x Tezuka, Vol. 1
By Michelle Smith"

評価:A+

「浦沢による物語のアレンジの結果は、見事というしか
ない。私は全く読むのが早いわけではないが、場面や
ペースの、ほとんど映画的な感覚によって、『PLUTO』
のページはあっという間に進んでいった。物語それ自体
の重みによって沈み込んでしまうような作品では、決し
てないだろう」

               ☆

Comics Worth Reading
"Pluto: Urasawa x Tezuka Book 1
by Ed Sizemore"

評価:Recommended(お薦め)

「手塚はロボットと人間が平等に生活している世界の
普通の日常というものがどんな風になるのか、細かく
描くことはほとんどなかった。1950年代以降、様々な
マンガ家達が、ロボットが市民であり、それが個人的
レベルでどんな意味を持つのかというテーマについて
の探求を続けていた。浦沢直樹は、それら50年以上分
のロボットについての探求の蓄積を、手塚のオリジナル
の世界に、注入し直している。もし手塚が基礎を構築
したとしたなら、浦沢がやってきて、その上に家を建て
ているようなものだといえる」


short_g.gif


というレビューがとりあえず見つかりました。
別に褒めてるところだけ抜き出しているわけではあり
ませんけど、評価的にはどこも絶賛、と考えていいと
思います。これだけネガティブな言葉が見つからない
作品も珍しいですね。ファンとしては嬉しいです。
あとは、これがセールスにもつながってくれると、さら
に嬉しいところですが。


posted by mikikazu at 08:31 | TrackBack(0) | 海外情報(北米) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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