2009年01月04日

Deb Aokiさん(About.com)による、2008年度北米マンガ市場10大トピック


まず先に自分の予定。
りょうさん(HEAVENLY BLUE)が、しばらくアニメ視聴
をお休みするとのことなので、作品を選択する理由が
なくなり、途方に暮れてました。
で、旧知の三和土さん(NO/ON)に相談してみたところ、
お薦めをいただいたので、冬新番から、「VIPER'S
CREED」(公式サイト)と、「獣の奏者エリン」(公式サイ
)をチェックしてみることにしました。
とはいえ、週に2本も見るのは辛いので、内容によっ
て、どちらかに絞るかもしれませんが。
「プリキュア5」シリーズのようなアプローチでは視聴出
来ないと思うので、自分の中でどう感じていくかという
こと自体が、新鮮な経験になりそうです。
誰が監督とか脚本とかは気にせずに、物語とキャラク
ターだけを楽しむ、というスタンスは変わりませんが。
どちらもダメだったらごめんなさい……。


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では本題です。
About.comのマンガ・コーナーで、担当のDeb Aoki
さんが、2008年の北米マンガ市場10大トピックを選出
してくれています。

About.com:Manga記事
"10 Major Manga Trends for 2009"

この種の記事では一番まとまっていると思うので、紹介
させていただきますね。
トピックそれ自体を並べてみると、


1.アメリカ全体の不況と、マンガの主要小売経路であ
 る大手一般書店チェーンの経営不振による、マンガ
 出版への悪影響(撤退・リストラ・出版数の減少・
 スケジュール遅延)

2.英語字幕付きアニメ「NARUTO」のネット配信開始。
 マンガのスキャンレーション問題は?

3.低年齢向けマンガの出版

4.日本以外(ヨーロッパ・中国)からのマンガ家の起用

5.マンガのオンライン配信は成功の兆しを見せず

6.アメコミと日本人マンガ家の合作

7.テレビ番組や小説からのマンガ化

8.マンガやアニメを原作とした映画企画の具体化が進む

9.実験・前衛的マンガの出版

10.マンガやアニメをテーマにした美術展の増加



ということになりますね。
一番大きかったのは、やはり1で、右肩下がりのアニメ
DVD市場に比べるとはるかに好調だとされていたマン
ガ市場でも、暗いニュースが続いた1年でした。
ただ、おそらくこれはアメリカの出版業界全体にもいえ
ることでしょうし、市場飽和の気配は一昨年くらいから
指摘されていましたから、マンガ自体が飽きられつつあ
るとか判断するのは、早計だと思います。
「NARUTO」「Bleach」を擁するVIZ Mediaなどは、
9月のリーマン・ショックまでは二桁成長だったし、それ
以降も一桁レベルで、成長は続いている、と豪語して
いましたから(ソース・Publishers Weekly 11月25日
付け記事
)、出版社ごとに、状況も大きく異なるだろう
と思います。


今年の、マンガ出版数の減少・キャンセルで、確実に
困った立場に置かれていると指摘しておかなくてはな
らないのが、日本発ではない、いわゆるOELマンガ家
さん達ですね。
日本からの翻訳マンガは、最悪北米で出版されなくな
っても、そもそもの日本での稼ぎがあるわけですが、
北米でしか出版されていないOELは、それがなくなった
ら、全て終わりですから。
出版を打ち切られた作品は、売れていなかったことも
事実でしょうし、実際、マンガ執筆だけで暮らせていた
OELマンガ家さんは、そうは多くないと思いますけれど、
一時のブームで、「これでマンガ家になれた!」と喜ん
でいた人達の行く末も気になるところです。


3のような、新たなマンガ購読年齢層の開拓という意味
で明るいニュースといえるのは、VERTICALから出版さ
れた一連の、「どろろ」「ブラックジャック」などの手塚治
虫作品が好調だったことですね。竹宮恵子さんの作品
はダメだったようですが。
北米のマンガ読者が、いつまでも「NARUTO」を読み続
けてくれるわけではないし、彼らが成長した時にそのま
まマンガを卒業したりせず、引き続けて楽しめるような
作品があってくれないと、市場が先細ってしまうでしょう
から。
そういう意味での2009年の期待作は、満を持していよ
いよ北米で出版される、日本を代表する大ベストセラー・
マンガの「美味しんぼ」だと思います(参考記事・Oishinbo
Volume 1: Japanese Food
)。
1月13日に、VIZ Mediaから出版開始されるこの英語
版「美味しんぼ」は、物語の最初からではなく、「Oishinbo
Ala Carte」というタイトルが示すように、料理や食材ご
とに分けられた、傑作選という形になっています。
お題は「日本食」「酒」「ラーメン・ギョーザ」「野菜」「魚・
寿司・刺身」といった感じで、おそらくこのアプローチで
正解でしょうね。
「バガボンド」「ONE PIECE」「のだめカンタービレ」な
ど、日本では大ベストセラーでも、北米では受けない
マンガもたくさんあるわけですが、この「美味しんぼ」は
どうなるでしょう。


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Deb Aokiさんは合わせて、2009年にはどうなっている
のか明らかになっていて欲しい、5つの質問も記してい
ます。それらは――、

1.全然動きのない講談社のアメリカ現地販社は
 どうなる?
2.日本では人気の、ケータイマンガは北米で普
 及するか?
3.VIZ Meidaからのオリジナルマンガは?
4.出版が中断している、ADVの「よつばと!」は?
5.ライトノベルが成功する可能性は?


になります。
質問4にある、2008年2月に一度は出版がアナウンス
されながらも、それからずっと音沙汰がない英語版
「よつばと!」第6巻を待ち続けているファンは、とても
多いと思います。
売れるのは確実でしょうから、色々と苦しんでいる様
子のADVなら、さっさと出せばいいのにと、素人として
は思ってしまうのですが、なんだかそうは上手くいかな
い事情があるようです。


5の北米でのライトノベルの可能性を背負っているの
が、4月に出版される「涼宮ハルヒの憂鬱」原作小説
になるんでしょうね。
これまでの北米での日本製ライトノベルは苦戦が伝え
られていますけど、もしこれが成功すれば、他のライ
トノベルも一気に、という期待はあるでしょうし、ダメな
ら「ハルヒでもダメなら……」みたいな流れになるかも
です。
昨年秋に出版されたマンガ版「ハルヒ」は好評のよう
ですが、アニメ・マンガに続けて、同じ話を三回楽しむ
ためにお金を出す人がいるだろうかという疑問と、やは
り原作小説こそ、「ハルヒ」の全ての始まりだからチェッ
クすべきと考える人はいるだろうという期待が入り混じ
った状態なんだと想像します。
どういうプロモーションを出版社側が仕掛けてくるかも
含めて、注目したいですね。




posted by mikikazu at 11:54 | TrackBack(0) | 海外情報(北米) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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