2008年12月04日

フランスのコミック市場における、中国コミックの現状と展望


うちでは珍しい、中国絡みの話ですけど。
ComiPressが11月30日付けで、中国のマンガ・ア
ニメ情報ポータルサイトの动漫频道 南方网(Southcn)
発の、フランスのコミック市場での、中国作家による
作品の現状と問題点、そして発展のためのアイディア
などを伝えるレポートの英訳を掲載していました(via
Icarus Publishing)。


Comi Press 11月30日付け記事
"A Summary of France's Comics Market and the
Future of China's Comics Market"


オリジナル記事
南方网 10月31日付け記事
「法国漫画销售市场概述」


フランス市場での中国コミックについて書かれた
中国語のレポートの英訳をまたここで日本語で紹介
するという、なんだか伝言ゲーム状態ではあります
が(笑)。蟻は貧乏か?←古っ
日本の方なら、そのまま元記事を中国語→日本語で
機械翻訳しても、それなりに読めるとも思います。
フランスのコミック市場については、以前にも紹介した
グザビエ・ギルベールさんによるdu9掲載レポートや、
JETRO(日本貿易振興機構)によるレポート欧州にお
けるコンテンツ市場の実態
も、詳しくて参考になるで
しょう。


short_g.gif


とりあえず、データ的なことだけを抜き出してみると、

・2007年にフランスで出版されたコミックのタイトル数は
 4313(再版含む)。出版社数は254。
 全体では4000万冊以上のコミックが売れ、金額として
 は約4億ユーロ(約474億円)の市場規模。
・2000年には、出版されたタイトル数は1137、そのうち
 日本マンガは227タイトル。フランス大手出版社からの
 BDが558、インデペンデント出版社から236、そして中
 国コミックは116だった。
・2007年には、新作が3313タイトル出版され、そのうち
 1428がアジアからのタイトル。1018タイトルがフランス
 大手からのBD、613タイトルがインデペンデント、253
 タイトルが中国コミック。日本マンガはフランスコミック
 市場で4割のシェア。

というものが挙がっています。
2007年個別のベストセラーでは、第1位の作品の55万冊
から、第10位の24万冊の作品まで並んでいますが、日本
マンガで最高の売上げを誇る「NARUTO」(22万冊)でも、
トップ10には入れません。


中国コミックの存在は、フランス市場ではまだまだ小さい
のですが、その理由として記事が挙げているのが、

・中国作家によるコミックのスタイルは、フランス市場
 で主流である、ヨーロッパ風、日本風、アメリカ風そ
 れぞれの作風と大きく異なっている。
・フランスのコミック市場は、大規模な宣伝を展開出来
 る、既存の大手出版社と、彼らによるベストセラー作
 品によって独占されている。
・画力やキャラクター、オリジナリティにおいてはそれな
 りに評価されていても、日本やヨーロッパの作品と比較
 すると、中国コミックはストーリーラインが弱いとされる。

ということなどですね。
三つ目の「ストーリーラインが弱い」というは、価値観や
テーマ的な問題か、それとも純粋に技巧的なことなのか、
ちょっとわかりませんけど。


これらの問題をふまえて、考えられている対策が、

・ヨーロッパで開催されるコンベンションやフェスティバル
 に、もっと積極的に参加して中国コミックをアピールする。
・自分達でコンベンションを主催する。
・ヨーロッパやアメリカの出版社との共同ビジネスを展開
 する。
・中国の作家とヨーロッパのアーティストとのコラボレーシ
 ョンを支援する。

などになります。
あと、日本のマンガにあって中国コミックにないものは、
アニメとの連動でしょうね。フランスで現在売れている
全てのマンガがアニメ化されているわけではないにして
も(参考・ フランスでの日本マンガ売り上げランキング
2008年10月期
)、その影響力は大きいでしょうし。




posted by mikikazu at 10:11 | TrackBack(0) | 海外情報(フランス) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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