2008年11月25日

最近北米版アニメDVDに英語吹替が収録されなくなってきた理由は―― Bandai Entertainmentの説明


アニメ・マンガ専門オンラインストアRight Stufが隔週
で配信しているポッドキャスト番組Anime Todayの
新エピソード第80回
(11月21日配信)の業界人ゲスト
は、Bandai Entertainment(公式サイト)の、

・Richard Kekahuna(プロデューサー)
・Brian Cutts(アシスタント・プロデューサー)
・Anthony Foronda(マーケティング・コーディネーター)
・Robert Napton(マーケティング・ディレクター)

といった方々で、お題は彼らが手がけている、Bandai
Entertaimentの新作「地球へ…」でした。
内容的には、いわゆる宣伝トーク以上のものではない
んですが、唯一口調がシビアになったのが、英語吹替
について語る時だったんですね。


北米版「地球へ…」は、4話ずつ収録の単巻、8話ず
つ収録の2枚組セットの、2つのフォーマットでリリース
されるのですが、そのどちらにも英語吹替トラックは収
録されず、英語字幕だけのバージョンとなっています。
同じBandaiからの新作では、「ロケットガール」なども
英語字幕のみですね。
なので、ファンからはRight Stufの方に、「どうして英
語吹替が収録されていないの?」という質問が多く寄
せられていたそうで、今回の機会で、当のBandaiの
人に直接訊いてみた、という経緯になります(18:08〜
23:29の辺り)。


short_g.gif


英語吹替トラックを制作しない理由として、まず挙げら
れたのが、「北米でのリリース時期を早くすること」と
いうことでした。
吹替制作の時間を省けば、それだけ北米でリリースす
る時期を早めることが出来ますよね。日米の発売時期
の時間差については、ファンからの大きな不満のひとつ
でもありましたから、そういう意味ではファンのニーズに
応えたわけです。


もう1つは、かなりぶっちゃけですけど、「吹替制作にま
で予算を使っていたら、もう利益を上げることが出来な
くなってきた」からだそうです。
それだけ、北米でのアニメDVD――少なくともBandai
の商品――については、売上げが落ちてきているという
ことでしょう。
Richard Kekahuna氏の言葉を、大体ですが聞き取り
訳してみると――、


「基本的にはもう、字幕のみでリリースするか、リリースし
ないか、ということになってきている。字幕のみと比較する
と、それぞれのエピソードのために英語吹替トラックを制作
する予算は、とても高くなってしまうんだ。
実際にDVDを購入してくれる人達の数について、我々が
ネット上で調査してみた結果によると、アニメをダウンロー
ドして見た人達のうち、その作品のDVDを購入してくれる
割合は、1%以下だったんだ。ほとんどの人は、タダで見
るだけか、(ずっと安い)海賊版で済ませてしまうんだね」
「英語吹替を制作しないという判断は、別に我々が英語吹
替を嫌っているから、というわけじゃない。個人的には楽し
んでいるし、字幕も吹替も好きだしね。多くの場合は純粋
に、経済的な理由に基づいている。字幕だけか、それとも
リリースしないか。英語吹替版を制作して、誰も買ってくれ
なかったら、本気で会社が潰れかねないしね」



という感じですか。
かつては北米でも、英語吹替のファンはそれなりの数い
た筈ですが(そうでないと、アニメコンベンションであれだ
け英語版声優さん達がセレブ扱いされませんよね)、今は
もう、市場を支えるだけの数はいないのかもしれません。
逆に、さらに英語吹替ファンには厳しい時代になっていく
ようです。
Bandai Entertainmentの作品の英語吹替は、悪い評
判ではないものが多かったと思うのですが……。
ただし北米版「地球へ…」には、日本版にはない独自の
特典として、カナダ・バンクーバーで収録した、原作者で
ある竹宮恵子さんへのインタビュー映像なども収録され
ているそうで、商品価値を高めるための、出来る範囲で
の努力をしているようですね。


北米版「地球へ…」トレーラー



posted by mikikazu at 11:19 | TrackBack(0) | 海外情報(北米) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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