というわけで、今日は頑張ってプリキュアだけじゃな
くて海外情報も少し。
昨日冒頭でちょっと触れた、アメリカ・ニューヨークの、
日本発の書籍をメインに英語翻訳出版している、
Verticalの話について、公式なコメントが出たので、
きちんと紹介してみます。
Verticalは、手塚治虫作品や「グイン・サーガ」などの
英語版を出版していることで、うちでも何度か紹介して
きましたよね。
事の発端は、コミック情報サイトComic Book Resources
の、Rich Johnston氏によるコミック業界の噂・ゴシッ
プを扱うコラム「Lying In The Gutters」の11月10日
付け記事内に、
「手塚治虫作品『ブッダ』や『MW』、そして『ブラックジャッ
ク』などの出版社であるVertical Comicsが、先週多くの
人員を解雇したそうだ。もし新たな資金調達先が見つか
らなければ、次に終わりを迎える出版社は彼らになるだ
ろう」
というコメントが掲載されたことです。
手塚作品以外のVerticalの出版物の売れ行きが芳しく
ないことは、他ならぬVerticalの人達が認めていました
し、今年はTOKYOPOPやDigital Manga Publishing
などのマンガ出版社でリストラが続いたこともあって、
次はやはりVerticalか――という風に、ファンの不安
が煽られました。
その一方で、理性的な、マンガ・コミック情報を扱うブロ
ガー達には、記事の信憑性を示すアイコンが黄信号と
いう、曖昧なレベルのものだということもあって、迂闊に
信じて騒がないようにしよう、とする動きもありました。
僕個人はというと、なによりVerticalの社名はただ
「Vertical」であって、記事内にあるような、あたかも
コミックを専門に扱う出版社のような「Vertical Comics」
ではない、ということには気づきましたから、そういう基
本的な間違いのあるコメントだし――という感じでした。
これを受けて、まずVerticalの公式ブログが11月12日
付けで、Verticalが近い将来に事業を撤退することは
ない、という短いコメントを出します。
続いて、エディトリアル・ディレクターであるIoannis
Mentzas氏からの声明として、「Verticalは『多くの人員』
を解雇したりはしていない。解雇したのはただ1人だけ」
ということを明らかにしました(via MangaBlog)。
その声明の中で、確かに厳しい状況ではあるが、それ
は業界全体がそうであり、Verticalはもっと悪い状況も
経験してきたこと、そして「ブラックジャック」への、全米
規模での売り上げ伸張の期待が述べられています。
とりあえず、細かい社内のことはわかりませんが、
「1人」の解雇が、何故だか「大勢」の解雇という風に、
大げさに間違って伝えられてしまったようですね。
悪い話だから大げさに伝えたいという悪意も、伝わる
途中のどこかに潜んでいたのかもしれませんが。
これはまったく僕個人レベルの心情ですが、やはり手
塚治虫作品は、より多くの人に読んでもらいたいので、
その英語版の出版に頑張っているVerticalは、素直
に応援したいです。
逆にこれを機に、「Verticalを支えよう。そしてもっと多
くの作品を出版してもらおう」という動きが、北米のファ
ンに生まれてくれたら、とも思います。