2008年11月01日

「プリンセスナイン」第23&24話、見ました。


いよいよ佳境の「プリンセスナイン 如月女子高野
球部」(バンダイチャンネル作品紹介ページ)は、第
23話「美女と野獣の対決!」と第24話「Kiss…」を
見ました。


うーん、正直よくない展開です。
予想通りかなり駆け足の語り口でしたが、 如月女子
高野球部は、夏の甲子園大会を目指す地区予選の、
準決勝にまでたどり着きました。
そこまでの過程の描写に説得力があったかというと、
微妙なところなんですが、とにかく、甲子園まであと
2勝、なわけです。
それだけ重要な段階なのだから、如月ナインのみん
なには、野球の試合だけに集中して、全力で戦って
欲しいんですね。個人的な意見ですけど。


なのに作劇は、涼さんと高杉君、いずみさんの恋愛
模様の描写にまだ重きを置いていて、第24話では第
21話に続いて、また涼さんに、試合に集中出来ない
原因を与えています。そんなの、繰り返す必要はない
と思うんです。
甲子園を目指す女子校野球部のお話としてこの作品
を見た時に、地区予選大会を描いている現状は、ま
さに本筋にあたると思うのですが、キャラの恋愛話と
いうものは、その本筋から見た時には、やはり本質的
でないというか、正直邪魔なんですね。
せっかく作品世界内では初になる、女子硬球野球部
が頑張っているのだから、野球に集中出来ない理由
などを与えるのは、ドラマの進行に対して、妨げにしか
なっていないと感じます。


その原因として動かされているのが、本来なら、
「そんな個人的な理由でピッチングに集中出来ない
なんて、エースとしては失格だわ」とまず言いそうな
いずみさんである、というのがわかりません。
第24話の、高杉君とのキスを涼さんが目撃したのは
まあ偶然の結果としても、第21話のハンカチ作戦な
んかは、冷静に考えれば、自チームの、1人しかいな
いピッチャーの心を乱して、選手として何の得がある
のか、いずみさんならわかりそうなものです。
それだけ高杉君に対する想いが強いのだとしても、
では選手としてのいずみさんの立ち位置はどうなる、
という、以前にも述べたいずみさんというキャラの中
の2つの要素の分離が目立ってしまう結果になって
います。
その部分の葛藤をきちんと描いてくれていたなら、
とはあらためて強く思いました。


ともあれ一番思ったのは、第24話で、あんな表情で
自分を見つめるいずみさんを受け入れない高杉君は
最低、ということなんですけど(笑)。
というか、いずみさんからの高杉君への想い以上の
ものを、涼さんと高杉君との関係ドラマで描けたとは
まったく思っていないので、どうしたって個人的には、
いずみさん贔屓になってしまうわけです。
涼さんがいずみさん以上に、高杉君は自分にとって
大切な存在、という思い入れを示してくれるのなら
ともかく、今に至っても、なんだか煮え切らないとい
うか、自分の気持ちを認めるのに躊躇していた段階
ですから、まっすぐに気持ちを示すいずみさんの方を
応援したくなるのが、正直な心情です。一途な女の子
の気持ちは、どうしていつも届かないのでしょうか。
いずみさんの場合、高杉君のことを諦めて、野球だけ
に生きるにしても、その野球部自体が、自分の母親の、
かつて愛した男の娘が甲子園で投げるのを見たい
という、個人的なエゴだけで用意された舞台ですから、
いずみさんが割り切るにしても、色々難しいなあと思っ
てしまいます。




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