先にいつもお世話になっている素敵サイト・ブログ
様の最新記事のご紹介です。
「ジェット フォレスト パークへようこそ」の黒森コウ
さんが、前編に続いて、「プリキュア☆ミラクル☆マ
ジカル☆コンサート」のレポート後編を、15日付け
でアップしてくださっています。深夜の更新、とって
もお疲れ様でした。
ステージの構成や、演目、お客さんの反応、各歌い
手さんごとの感想など、その場の雰囲気についてた
くさん細かく綴られた、充実のレポート内容になって
いると思います。僕個人は、リアルで歌い手さん達
の歌唱を耳にしたことはないので、盛り上がりの様
子がとっても羨ましかったり。
ステージの模様は撮影されていたとのことなので、
DVD発売は、僕も期待したいです。
もうひとつは海外から。
カナダ・トロントにお住まいの、「英語でユ〜ギオ〜
!」のピグモんさんが(メッセージありがとうございま
した)、北米で放送の始まった英語版「遊戯王5D's」
の視聴メモ用ブログを開設されて、さっそく第1話に
ついて詳しく紹介してくださっています。
キャラクター名の変更や、ストーリー・設定の改変
点、英語台詞の抜粋など、こちらも充実した内容で
す。というか、やはり日本語で書いてくれると、とても
助かります(笑)。
声優さんについては、なかなか確定情報が出てい
ないようで大変みたいですね。
さて本題。
昨日の話とは逆に、実写作品では描けても、アニメ作
品では機能しなかった表現・シーンの例として、まず思
い浮かぶのが、映画「カウボーイビバップ 天国の扉」
(2001年 監督・渡辺信一郎)終盤での、主人公スパイ
クと敵役ヴィンセントによる、クンフー・ファイトになるで
しょうか。
「カウボーイビバップ」の主人公の1人であるスパイク・ス
ピーゲルは、ブルース・リーを始祖とする武道「截拳道」
(ジークンドー)の達人と設定されていて、テレビシリーズ
でも、リーの映画での台詞「感じるんだ。水のように」を
引用していました。直接ブルース・リー本人について言
及していたかどうかは、記憶にありません。
映画「天国の扉」のクライマックスでは、軍の特殊部隊出
身というヴィンセントと、生身での格闘技バトルを延々と
繰り広げるわけですが、僕個人は観客として、このシーン
を全く楽しめませんでした。
何故かというと、これはあくまで僕個人の意見ですけれど、
クンフー映画のアクションの魅力というものは、やはり生
身の俳優さんが演じているから生まれる、と思うのです。
生身の肉体や重力といった制限の中、基本は自分達と同
じ構造の身体の持ち主が、カメラの前で超人的な動きを
実際に演じているという、物理現実があるからこそ、観客
はそのシーンに感嘆するわけです。
確かに映画のトリックというものもあって、カット割りや撮
影スピード、スタント・ダブルなどにより、様々なアクション
の奇跡が生みだされてもいるのですけど、俳優さんの肉体
とその動きの説得力というものは、根底に必ずあります。
一方、アニメのキャラクターは原理的に、何でも出来る存
在です。その作品の世界観・文体による制限はありますが、
描くことが許される範囲では、何でも描ける。そこに物理的
制約はありません。
とりあえずクンフー・ファイトに限定した比較ですけど、そ
もそも「何でも出来る」アニメキャラが、どんなアクションを
示してみても、「何でも出来るわけではない」筈の、生身の
俳優さん達が決死で演じるアクションが伝えるのと、同種の
驚きと感動は、決して生み出せないのですね。
もちろん、身体全身を使ってのバトル・アクションをアニメ
ートする、技術的な高さはありますし、カメラワークも含め
て、それはもの凄いレベルだったと思います。ただ、物語
的感動を導くようなものではなかった、ということです。
クンフー・ファイトということでは、実写には他の利点もあっ
て、ずっと昔の物語として描かれる作中のキャラクターの武
術を、演じている現代の俳優さんも実際に得意としていたり、
武術指導の人が、過去実在したとされるキャラの曾孫弟子に
あたったりするといった歴史も、同時に背負うことが出来ます。
それは、架空の存在であるアニメキャラには、絶対に望めな
いことです。
どうして「天国の扉」のクライマックスに、クンフー・ファイトが
選択されたのか僕はその理由を知りませんけれど、結果と
して僕にとっては、間違った選択になりました。
実写のクンフー映画やその歴史に触れていないようなアニ
メファンの方だと、また違う感じ方だったかもしれませんが。
デジタル革命が進んで、実写とアニメの差はなくなりつつ
あるという意見もありますが、僕としてはクンフー映画はず
っと、実写でないと表現出来ないし、実写でないと意味のな
いものだと考えています。
では、アニメでないと表現出来ないものはというと、まず思
い浮かぶシーンは、映画「ルパン三世 カリオストロの城」
(79年 監督・宮崎駿)中盤での、ルパンがカリオストロ城の
屋根を駆け下りて、クラリスの囚われた塔まで大ジャンプす
るくだりでしょうか。
これは実写でやっても全く説得力はないでしょうし、劇伴音
楽の演出も含めて、アニメだからこその魅力が最大限に示
されたアクション場面のひとつだと断言出来ます。
クンフー映画のアクションとはまた違う意味で、ジャンプする
ルパンの肉体に、観客の誰もが感情移入したと思います。
要は、実写にしてもアニメにしても、アクションを描く上でキャ
ラクターに感情移入させるための、それぞれの方法論がある、
ということですね。