2012年06月22日

百合姫コミックス作品「ゆるゆり」「空色ガールフレンド」「春夏秋冬」の海外配信がこの夏開始

海外向け電子コミック販売サイト「JManga」では、北米唯一の百合漫画専門出版社ALC Publishingとの提携もあって、最近は百合漫画の英語翻訳配信に積極的で、自社発表のランキングを見る限りでは、反応も上々のようです。特に後藤羽矢子さんの「プアプアLIPS」、森永みるくさんの「GIRL FRIENDS」などは、大きな話題となっていました。
そしてついに、百合漫画の総本山とも呼べる一迅社の百合姫コミックスからの作品が、この夏そのラインナップに加わることを、ニュージャージー州に拠点を置く百合振興団体Yuricon(ALC Publishingは、その商業出版部門)が、その公式サイトで発表しています。

"ALC Publishing and JManga announce a Yuri Summer with Three Comic Yuri Hime titles!"

この夏、翻訳配信開始されるのは、

「ゆるゆり」(なもり)
「空色ガールフレンド」(リカチ)
「春夏秋冬」(作・影木栄貴/画・蔵王大志)


の3作です。
特に「ゆるゆり」は、アニメ版第2期も、第1期に続いてクランチロールによる海外向け同時配信が発表されていますから、良いタイミングでメディアミックス展開出来そうですね。
もちろん、今回の配信作品の評判がよければ、さらなる百合姫コミックス作品の配信が続いていくでしょうから、大いに期待したいです。 自分も密かに、リクエストを送ったりしていますけれど(笑)。
やおい/BLと違って、百合漫画は海外でまだまだ商業的には未開のジャンルですので、百合の海外での発展に尽力されている方々にエールを送りたいですね。


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2012年06月20日

北米の百合振興団体Yuriconによる、百合漫画家森永みるくさんインタビュー翻訳

かねてよりお世話になっている、ニュージャージー州に拠点を置く百合振興団体Yuricon及び百合漫画専門出版社ALC Publishing(公式サイト)の代表であるErica Friedman エリカ・フリードマンさんが、個人ブログOkazuに6月17日付で、百合漫画家森永みるくさんへのインタビュー記事を掲載してくださっています。

Okazu: Interview with Yuri Manga Artist Morinaga Milk

このインタビューは海外で始まった森永さんの作品の翻訳出版展開を受けてのものですね。
まず北米では、正規のオンライン漫画販売サイトJMangaで、代表作「GIRL FRIENDS」第1〜5巻が既に購入可能になっており、また秋からはSeven Seas社から、全2巻にまとめた単行本も出版が予定されています。
また欧州に目を向けるとフランスではTaifu Comicsから、既に「GIRL FRIENDS」全巻が出版済であり、さらに近日中には「ひみつのレシピ」の出版も予定されています。
さらにドイツのCarlsen社でも今月から、"Wir beide!" というタイトルで、「GIRL FRIENDS」の出版が開始されています。さらにロシアでもПалма Пресс社から出版が進んでいるようです。
昨年から今年、そして来年にかけては、森永さんが欧米で羽ばたく年みたいですね。

以下、エリカ・フリードマンさんから正式に許可をいただけましたので、インタビューの日本語訳を掲載させていただきます。

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Q1. 簡単に自己紹介をお願いします。

A. 東京生まれで東京在住です。
 ジェンダーは女性。
 百合漫画を描くのが大好きです。


Q2. どうやって漫画家になったんですか? それは子供の頃からの夢でしたか?

A. 漫画家になるのは、子供の頃からの夢でした。
 20歳の頃に、応募した作品がある賞で選ばれたんですね。
 それで、ライトノベル作品の挿絵でデビューすることになりました。
 それから21歳の時、私の同人誌を読んだことのある編集者さんにスカウトされて、
 漫画家になることが出来ました。


Q3. 理想とする漫画家さんは?

A. 小さな頃は、萩岩睦美さんの少女漫画を読んでいました。それで私も漫画を描き
 始めたんです。作家になれなかったら、「美少女戦士セーラームーン」のようなアニメを
 作りたかったですね。よく見ていましたから。
 女性達の恋愛物語を描ける作家になりたかったんです。


Q4. もし漫画家になれていなかったら、どんな仕事をしていると思います?

A. 本屋さんか、漫画喫茶で働きたかったでしょうね。

Q5. 百合漫画を創りたいという動機はなんでしたか?

A. 動機と呼べるかはわからないですけど、大好きな「美少女戦士セーラームーン」の女性
 キャラ達を見た時に、彼女達が百合カップルだと、自然に思えたんですね。
 それからずっと、百合漫画だけを描き続けています。


Q6. 漫画制作の手順について少し教えてください。
 1. 1話を描くのに、どれくらいの時間がかかりますか?

A.それぞれのお話につき、台詞を書くのに1週間、絵を描くのに1週間かかりますから、
 合計でだいたい2週間ですね。


2.何人のアシスタント達さんと一緒に作業しています?

A. 2人です。

Q7. 日本での「GIRL FRIENDS」への反応はどんなものですか?
  英語に翻訳されることについて、どう思いますか?

A. 日本ではそんなに人気がないと思います。近所の本屋さんでも売っているのを
 見たことがありませんし。熱心な百合ファンだけしか読んでいないみたいですね。
 
 英語に翻訳されると知った時にはとても嬉しかったです。でも私は英語が読めないので、
 翻訳が正しいニュアンスまできちんと伝えてくれているかはどうかは、わからないです。


Q8. 最近の作品は、とても現実的な雰囲気を深めていますよね。
  描いている時は、どんなことを考えているんですか?
  どんなメッセージを伝えようとしているんですか?

A. 恋に落ちるというものは辛いし、悩むべきこともたくさんあります。
 あるいは泣くことだってある。
 でも、そうであっても、恋に落ちることは無意味なんかじゃない。
 それが私の伝えたいことだろうと思います。


Q9. (無回答)
 
Q10. 海外のファンに訊いてみたいことはありますか?

A. 私は女子高生が好きなので、学校を舞台にした漫画を描いているんです。
 海外のファンは日本の学校を舞台にした漫画を読むことを、変に感じたりは
 しないんでしょうか?


Q11. 海外のファンにメッセージをお願いします。

A. 私の躁的な漫画を読んでくださってありがとうございます。
 私が行けない外国の人々が、私の漫画を読んでくれていることは、
 とてもミステリアスですけれど、嬉しいことでもあります。
 いつか海外のファンの方々とお会い出来たら素晴らしいでしょうね。


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2012年06月18日

姫川明さんのお誕生日をお祝いするイラスト募集イベントを明日(6/19)開催します

前回の記事でご紹介しましたけれど、16日にNHK総合で放送された、「東京カワイイ★TV」のドバイ特集はご覧になっていただけたでしょうか。
「Gold Ring」のことも、押さえるべきポイントはきちんと押さえてくれた、よい扱いだったと思いますし、初公開となる、色々な資料も見られましたよね。
姫川明さんお二人についても、仕事場だけでなく、その国際的な人気や、海外との共同作業となった「Gold Ring」制作過程における苦労なども伝えてくれて、とてもよかったです。
姫川さんが実は長野さんと本田さんの二人組のマンガ家さんというだけでなく、実は女性だったということをこの番組で初めて知った方々もおられるようです。特に海外だと、「明 akira」というお名前は、大友克洋さんの国際的有名作品のこともあって、男性名だと認知されているようです。なので、姫川さんのことをご紹介いただいた、ある北米のサイトのレビューでも男性扱いだったので、慌てて自分から連絡して修正してもらった、なんてこともありました。

そしてそして。
姫川さんのTwitterフォロワーの方々ならご存知だと思いますけれど、明日19日は本田さんのお誕生日です。
そこで長野さんからのご発案で、姫川さんのマンガ作品のイラスト/ファンアートを皆さんから広く募集する、という企画が発表されています。お言葉を引用させていただくと、「漫画家は普段提供する側ですが読者の方からイラストを頂くのはいつもとっても嬉しいものです。ゼルダも嬉しいですし、オリジナルだと更に喜びます*^^*」とのことですね。
送り方は、Twitter上でのリプライ経由でもいいですし、メールでも構わないそうです(メールの宛先は、公式サイトに記載されている、infoアットhimekawaakira.com です)。贈っていただいた絵はピックアップして、Twitterブログかで発表させていただくかもしれません、とのことですが、姫川さん個人だけに贈りたくて、公表は困るという方は、その旨明記してください。また作品は、無理に新規でなくても以前描いたものでも大丈夫、だそうです。

先月の長野さんのお誕生日の際には、お二人に、高知の名物キャラ「カツオ人間」のストラップをお贈りさせていただいて、大笑いで受けはしましたが、喜んでいただけたかは微妙でした(笑)。なので、絵心のある皆様からのイラストで、本田さんのお誕生日を盛大にお祝いすることになればとても素敵だと思いますので、よろしくお願いします!!
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2012年06月13日

海外AmazonのKindleストアで無許可販売されていた日本の同人誌は、全て削除されました

6月8日付け記事の続報です。
海外AmazonのKindleストアで無許可販売されていた日本の同人誌の英訳版は、日本時間の6月13日までに、全て削除されたようですね。大きな問題になる前に解決出来て、とりあえずはよかったです。
抗議をするためには、作者から直接、様々な書類や手続きが必要ということでしたが、おそらくはそれも含めて多く抗議が届いたことで、Amazon側が悪質な出品者だとやっと判断してくれたのだと思います。本来なら、出品自体が審査を通ってはいけないと思いますけれど。
ともあれ、今後もこういうことは起こり得ると思いますので、まめにチェックしていきたいです。

今回の件では、とても多くの方にご協力やアドバイスをいただきました。深くお礼を申し上げます。ありがとうございました&お疲れさまでした!!
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2012年06月10日

6月16日にNHK総合で放送される「東京カワイイ★TV」で、アラビア語マンガ「Gold Ring」が紹介されます

NHKの公式サイトの方で情報が公開されましたので、こちらでも告知させていただきますね。

UAE(アラブ首長国連邦)ドバイ在住のQais Sedki カイス・セドキさんによる原案を、日本在住のマンガ家コンビ姫川明さん(公式サイト)が、マンガ作品として制作したアラビア語マンガ「Gold Ring」(公式サイト *音楽が流れます)については、かねてより情報を伝えていますよね。
4月の国際放送ラジオNHK WORLD RADIO JAPANでの紹介に続くものですが、今回は日本国内向けの、NHK総合テレビの番組においても、「Gold Ring」を紹介してもらえることになりました。

番組は、土曜日夜の午後11時半から放送されている「東京カワイイ★TV」(公式サイト)。
6月16日放送の次回がドバイ特集、それもドバイの若者と日本のポップカルチャーとの接点をテーマにしているとのことで、その流れの中で、「Gold Ring」を紹介してくださる、とのことです。担当ディレクターの方とも直接お話しましたが、30分番組の中で、10分弱くらいの扱いになるのでは、というお話でした。ただし、公式サイトでも視聴出来る予告や、番組内容紹介ページでも、「Gold Ring」それ自体についての言及はありませんから、そんなにメインの扱いではないと思います。
とはいえ、「次回のオンエア」ページで、一番大きく写真が掲載されているのが、「Gold Ring」の原作者兼、出版社Pageflip Publishing(公式サイト)の代表であるセドキさんなんですけれど。さて、実際の内容はどんな感じになるでしょう。

日本の姫川明さんのところでも取材されたそうですから、姫川さん達がテレビに登場するレアな機会(?)ということで、ファンの方は必見かもですね。


以下の写真は、5月5日のコミティアに参加した時の模様です。アラビア語版の第1巻は売り切れる盛況でした!!

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2012年06月08日

海外AmazonのKindleストアで、日本の同人誌の英訳版が無許可販売されている件について

一昨日にネット知人の方から、海外のAmazonの電子書籍サービスKindleストアで、日本の同人誌が販売されているのだが、許可を得ているものには見えない、という情報をいただきました。

そこで、まずアメリカAmazonのKindleストアで、「同人誌」の英訳のひとつに当たる"Fanbook"で検索してみると、確かに140冊ほどの、英語翻訳された日本の同人誌作品が登録されているのが見つかりました。9.99ドルの価格設定で、今年の4月19日から大量に登録され始めています。
また、これはアメリカAmazonだけでなく、イギリス、ドイツ、イタリア、スペイン、フランスなど、各国のKindleストアでも購入出来るようになっています。
登録されている全ての同人作品について知っているわけではないそうですが、大手のサークルさんが多いそうですし、蒼樹うめさんやむっちりむうにいさんのような、プロの漫画家さんの同人誌もありますね。また、明らかに作者名が、実際の本のそれと異なっているものもあります。

登録されている作品の、日本国内の作家さんとの連絡を試みているのですが、さっそく連絡が取れたある作家さんによると、「全く知らなかった。自分は一切許可していないものである」という回答をいただきました。他の作品も同様に、無許可で登録されているものだろうと想像します。
アニメにおけるファンサブと同様に、商業漫画作品の無許可翻訳(スキャンレーション)についてはよく知られていますが、同人誌作品の無許可翻訳もまた、海外では広まっています。
このKindleストアに登録されている作品を幾つか、そういった同人誌のスキャンレーションを無許可配布しているサイトで調べてみると、やはり同じ作品が見つかります。現物との比較は出来ていませんが、おそらく、このAmazonのKindleストアに登録されている英語翻訳同人誌は、ここでの販売のために翻訳されたものではなく、そういった違法なスキャンレーションサイトから無料で集めてきたものを、第三者が勝手に販売しているのだろうと想像します。それくらいの作業なら、おそらく個人でこなせるでしょうね。
もちろん、日本の同人作家さんが、ご自身でKindleストアで販売されている作品もあるのですが、これは全く違うケースだと思います。

友人であるアメリカの(もちろん正規の)漫画出版社の代表の方とも相談し、確認してもらった上で、Amazonにはまず、「こういった商品が売られている」という連絡は昨日していただきました。翻訳版が勝手に売られてしまっている日本の同人作家さん達から、「無許可である」との確認が取れて、抗議をしたい、やめさせたいというご意志があるようでしたら、またあらためて、その方を通してAmazonには正式に抗議を届けることになるかと思います。もちろん、二次創作という微妙な立場の作品ですから、それぞれの立場でのご判断やお考えはあるでしょう。
とりあえず、登録されてしまっている作品の作家さんと交流のある方は、この件について作家さんにご一報いただけると幸いです。自分個人(メールアドレス: mikikazu.koアットgmail.com)に連絡していただいてもかまいません。よろしくお願いします。


posted by mikikazu at 19:26 | Comment(2) | TrackBack(0) | 海外情報(北米) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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