2009年10月31日

米国図書館協会部会のヤングアダルト図書館サービス協会による、10代向け推薦グラフィックノベル・ノミネートに含まれた日本マンガ


毎年この時期の、恒例の話題ですね。
フォローし始めて4年目になりますけど、
米国図書館協会(ALA-American Library
Association
)の、青少年部門である、ヤング
アダルト図書館サービス協会(YALSA-Young
Adult Library Services Association

が毎年選出している、「アメリカのティーンに
ふさわしいグラフィックノベルの推薦リスト」
の、
本年度のノミネート作品が発表され始めてい
ます(via MangaBlog)。


ここでいうYoung Adultというのは、12〜18歳
が対象であり、そのフィクション部門では、年を
経るごとに日本のマンガ作品が多く選ばれるよ
うになってきていて、アメリカの図書館における
マンガの人気と、このマンガは図書館に置くの
にふさわしいという、当地の人達の判断の傾向
を知るのに役立つものとなっています。
近年TOP10リストにまで選ばれている日本マン
ガは、


2006年
「DEATH NOTE」第1〜3巻
 (作・大場つぐみ/画・小畑健 VIZ Media)

2007年
「いばらの王」第1〜2巻
 (岩原祐二 TOKYOPOP)
「放課後保健室」第1〜5巻
 (水城せとな Go Comi!)
「エマ」第1〜5巻
 (森薫 DC Comics / CMX)

2008年
「砂時計」第1〜3巻
 (芦原妃名子 VIZ Media)
「リアル」第1〜2巻
 (井上雄彦 VIZ Media)
「うずまき」第1巻
 (伊藤潤二 VIZ Media)


ですね。
選出されたことを受けて、実際に全米各地の図
書館がこぞって購入したかどうかは、また別の
調査が必要ですけど、それなりの影響力はある
ものだと想像します。
現時点でノミネートされている、日本人作家によ
る翻訳出版されたマンガ作品は――。


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「テガミバチ」第1巻
 (浅田弘幸 VIZ Media)

「桜蘭高校ホスト部」第11巻
 (葉鳥ビスコ VIZ Media)

「逆転裁判」
 (CAPCOM Del Rey)

「CLOVER」
 (CLAMP Dark Horse)
  ――既刊4巻を1巻にまとめた、オムニバス・
 エディション

「トレイン☆トレイン」第1巻
 (影木栄貴 Doki Doki/DMP)

「はこぶね白書」第1&2巻
 (藤野もやむ TOKYOPOP)

「焼きたて!!ジャぱん」第15巻
 (橋口たかし VIZ Media)

「海獣の子供」第1巻
 (五十嵐大介 VIZ Media)

「ソラニン」
 (浅野いにお VIZ Media)

「もやしもん」第1巻
 (石川雅之 Del Rey)

「隠の王」第1巻
 (鎌谷悠希 Yen Press)

「オトメン(乙男)」第1巻
 (菅野文 VIZ Media)

「高校デビュー」第8巻
 (河原和音 VIZ Media)

「ラピスラズリの王冠」
 (川瀬夏菜 DC Comics/CMX)

「ミックスベジタブル」第1巻
 (小村あゆみ VIZ Media)

「さよなら絶望先生」第1巻
 (久米田康治 Del Rey)

「takeru-〜SUSANOH〜魔性の剣より」第1&2巻
 (唐々煙/中島かずき TOKYOPOP)

「僕等がいた」第1〜4巻
 (小畑友紀 VIZ Media)

「ひぐらしのなく頃に」第1&2巻
 (竜騎士07/鈴羅木かりん Yen Press)

「花の名前」
 (斎藤けん CMX/DC Comics)

「君に届け」第1巻
 (椎名軽穂 VIZ Media)

「カラクリオデット」第1巻
 (鈴木ジュリエッタ TOKYOPOP)

「PLUTO」第1〜3巻
 (手塚治虫/浦沢直樹/長崎尚志 VIZ Media)

「Go West!」第1巻
 (矢上裕 CMX/DC Comics)

「大奥」第1巻
 (よしながふみ VIZ Media)


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になりますね。
全ての作品を知っているわけではありませんが、
なかなかバラエティに富んでいると思います。
あ、途中の巻がノミネートされているのは、出版
時期条件が、この16ヶ月間、つまり昨年の9月1
日から、今年2009年の12月31日の間に指定さ
れているからですね。
マンガが単巻構成でなく、続き物だと知っている
図書館サイドなら、当然最初の巻から購入すると
思います。
これらの提出されたノミネート作品から、議長を
含め11人で構成される選定委員会がTOP10
リストを選ぶわけです。
発表は、年明けの2010年1月になってからですね。


個人的な注目はやはり、「PLUTO」ですね。
僕は正直、「20世紀少年」よりも「MONSTER」
よりも、「PLUTO」派だったりしますし。
昨年のリストでは、手塚治虫さんの「どろろ」
「ブラックジャック」が、「Great Graphic Novels」
には選ばれたものの、TOP10からは外れたので、
今年は浦沢版アトムに頑張ってほしいです。


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2009年10月30日

フランスでの日本マンガ売り上げランキング(2009年9月期)


フランスからの話題ということで、ひとつ先に
お薦めの映像レポートです。
アニメ・マンガ情報サイトのManga Sanctuary
が10月3日付けで、19分21秒という長尺の、
Japan Expo 2009(7月2〜5日)レポートを
掲載してくれています。
せっかくのインタビューの言葉は全然なんです
が、音楽だけで伝えるパートも多いですし、参
加者さんや各社のブースの雰囲気が、よくわか
ると思います。

Manga Sanctuary 2009年10月3日付けレポート
"Film exclusif sur Japan Expo !"


・参考記事
アニメ!アニメ! 2009年7月23日付け記事
「2009年フランス ジャパンエキスポ来場者
 16万4000人 2年で倍に」

同・2009年9月27日付け記事
「ジャパンエキスポ来場者16万5501人 
 プレス1200人」



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見ました? では本題です。
お馴染みBDZOOM.comが、2009年9月期の
フランスでのマンガ売り上げランキングを掲載し
てくれています。

10月22日付け記事
"ZOOM SUR LES MEILLEURES VENTES DE
MANGAS – Octobre 2009"


以下、月間トップ15のランキングです。
数字は累計の推定発行部数で、このランキン
グは月間での売り上げ結果ですから、出版時
期によって、順位と食い違う場合もあります。


1.「NARUTO」第43巻(25万冊)
2.「DEATH NOTE」第13巻(6万5000冊)
3.「ONE PIECE」第51巻(9万冊)
4.「FAIRY TAIL」第8巻
5.「Bleach」第34巻(5万1000冊)
6.「ソウルイーター」第5巻(6万冊)
7.「星は歌う」第3巻(2万2000冊)
8.「NARUTO」第42巻
9.「D.Gray-Man」第17巻(3万5000冊)
10.「ツバサ-RESERVoir CHRoNiCLE」
 第23巻(3万5000冊)
11.「ハンター×ハンター」第26巻
12.「Doubt」第1巻(外海良基)
13.「魔法先生ネギま!」第21巻(3万5000冊)
14.「仮面ティーチャー」第1巻(2万1000冊)
15.「エア・ギア」第17巻(2万冊)



というわけで、先月に続いて「NARUTO」第43
巻がトップの座に居座っています。なんだかも
う、コメントもないですね(笑)。
新顔としては、藤沢とおるさんの「仮面ティーチ
ャー」が好調のようです。


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続いて、Edistat調べによる、フランス国内の
全書籍売り上げ週間ランキングの、最新版
(10月19〜25日)から、日本マンガの順位を
抜き出してみます。


2.「NARUTO」第44巻
27.「NANA」第21巻
99.「ゼルダの伝説 時のオカリナ」第1巻
102.「NARUTO」第43巻
114.「GetBackers -奪還屋-」第35巻
116.「ゼルダの伝説 時のオカリナ」第2巻
118.「スイッチガール!!」第4巻
120.「DEATH NOTE」第13巻
122.「クレイモア」第16巻
142.「聖闘士星矢 LOST CANVAS 冥王神話」
  第8巻
177.「魔法先生ネギま!」第21巻



という結果で、残念ながら「NARUTO」の最新刊
である第44巻(10月23日発売)は、今回このラン
キングでは、首位を獲得出来ませんでした。
もちろん、2位でもスゴいことなんですけど。


このランキングでの個人的な注目は、姫川明さ
んの「ゼルダの伝説 時のオカリナ」ですね。
この作品、フランスだけでなく、ドイツやアメリカ
など、世界の広い範囲で結構売れているみたい
です。
もちろん、「ゼルダの伝説」自体の知名度もある
んでしょうけど、Wikipediaでの、姫川明さんの項
の古いと思われる記述をみると、「未出版である
北米・ヨーロッパでは各言語に自主翻訳された
ものがweb上に存在する。今のところ著者はファ
ンの心情を理解し、これらを黙認しているようだっ
た」という文章があって、まあWikipediaですか
ら、作者さんの心情云々が事実かどうかはともか
くとして、正規出版版が北米やヨーロッパで現在、
好調に売れているという事実自体は、喜ばしいも
のだと思います。


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2009年10月29日

「ふたりはプリキュア」アメリカの大手動画配信サイトHuluでの配信開始


今日はプリキュア関係の海外情報ですね。
アメリカの大手動画配信サイトHuluで、コメ
ントの時期からすると1週間くらい前から、
プリキュアシリーズ第1作目「ふたりはプリキ
ュア」の、英語字幕版でのエピソード配信が
始まっているようです。

Huluの「Pretty Cure」ページ
http://www.hulu.com/pretty-cure

残念ながら、視聴出来るのはアメリカ国内から
だけなんですけど、既に全49話がアップされて
いますね。
このHuluでのネット配信は、Crunchyroll(Pretty
Cureページ
)、FUNimationサイトに続くもので
すが、両者がアニメファン向けに限定された配信
プラットフォームだったのに対して、アメリカで放送
されている人気番組を揃えたHuluでの配信なら、
さらに広い一般層に「ふたりはプリキュア」が届く
可能性が、(理屈では)増えるわけです。
というか、アニメファンで「プリキュア」を見たい人
は、どちらかで既に見てしまっているでしょうし。
アメリカの地上波・ケーブルテレビで「プリキュア」
が放送される可能性は、現在休止中のカナダで
の放送が大好評だったりしたら、あり得たかもし
れないんですけど、どうでしょう。
まあでも、正規の手段で見てもらえるルートが増
えるのは、とてもいいことです。


アニメ!アニメ!さんの2009年5月30日付け記事
にならって、「ふたりはプリキュア」が始まった今週
分のテレビ番組人気ランキングから、アニメ作品
を抜き出してみると、


22位 「NARUTO-疾風伝-」
38位 「NARUTO」
47位 「Bleach」
55位 「犬夜叉」
60位 「鋼の錬金術師FA」
64位 「ONE PIECE」
68位 「犬夜叉・完結編」
83位 「Robotech: Macross Saga」
85位 「DEATH NOTE」
122位 「Robotech:New Generation」
133位 「アストロボーイ・鉄腕アトム」(2003年版)
143位 「BACCANO! -バッカーノ-」
175位 「北斗の拳」
187位 「Robotech: The Masters」
204位 「ピーチガール」
209位 「一騎当千」
210位 「屍姫」
223位 「ゴーストハント」
225位 「スクールランブル」
209位 「Speed Racer」
249位 「NANA」
250位 「Voltron」
274位 「スラムダンク」
295位 「獣王星」
296位 「Black Blood Brothers」
297位 「鉄腕アトム」(1980年版)
331位 「ふたりはプリキュア」
335位 「ネギま!?」 


という結果で、これからどれだけ上がっていくか、
期待したいです。


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そうそう、海外でのプリキュアといえば、製作会
社である東映アニメーションは、平成22年3月
期の決算発表を行ったそうですね。

アニメ!アニメ! 2009年10月28日付け記事
「東映アニメ第2Q減収に 劇場好調 テレビが
 厳しく」


で、その報告の中には、

「(略)また、『ワンピース』、『プリキュア』シリーズ
については、イタリアを中心とした欧州での販売
が順調に推移しましたが、為替の影響により、ほ
ぼ横ばいとなりました」

というコメントがありました。
「ONE PIECE」は広く展開されていますけど、ヨー
ロッパで今年放送されたプリキュアシリーズは、イ
タリア国営放送局RaiDueでの、「Yes! プリキュア5」
だけの筈です。DVDリリースは、どこの国でもされて
いなかったような?
数字としては横ばいということでも、こうやって海外
のテレビ局でもプリキュアシリーズを評価して、放送
権を買い続けてくれているところがあり、その金額が
伝えるに値するものであると知れるのは、ファンとし
ては嬉しいことです。
来年夏には、「5」の直接続編である「GoGo!」の放
送も予定されているようですし(「5」最終話のあと、
「GoGo!」の予告編が放送されたそうです)、イタリア
のプリキュアファンは恵まれているかもですね。


2009年10月28日

アメリカ・オレゴン州ポートランド発のポッドキャストKaijucastの最新エピソードのテーマは、「妖怪映画」


10月21日付け記事でご紹介した、アメリカ・
オレゴン州ポートランド在住のKyle Yount
さんによる、怪獣映画専門のポッドキャスト
Kaijucastが、10月27日付けで、最新エピ
ソードの第10回、
"Japanese Ghosts and Goblins take over"
を配信しています。


時期はハロウィン、ということでいつもとは少
し趣きを変え、今回のお題は「妖怪映画」とい
うことになっていますね。
怪獣映画とも色々重なる、日本独自のファン
タジー映画ジャンルです。
ゲストは第3回に続いての出演となる、地元の
ラジオ局で、「Horror Holocaust」という、ホラ
ー映画の話題専門の番組でDJを務めている、
Jeff Deanさん。Kyleさんのお友達で、当然ゴ
ジラ映画の大ファンとのことですね。


なかなかに楽しい内容だったので、今回はいつ、
どういう話題が語られたのかについての記録を
日本語でも掲載しておきたいと思います。英語
だと"show note"ですが、日本語で何と称すべ
きかよくわかりません。
こういうのって、「今はこの話題について話して
いるんだな」とわかって、個人的には外国語の
ポッドキャストを聞く時には便利なものなので、
同じようにお役に立てば幸いです。


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(00:00〜02:25)
・OPテーマ、イントロダクション。

(02:25〜10:21)
・紹介される映画からの音楽。

(10:21〜23:00)
・「妖怪」とはなにか?
・大映妖怪映画三部作
 「妖怪百物語」
 (1968年 安田公義監督)
 「妖怪大戦争」
 (1968年 黒田義之監督)
 「東海道お化け道中」
 (1969年 安田公義、黒田義之監督)
 についての解説。
 アメリカでは、かつてADV Filmsからリリース。
 それぞれの英語題は
 「Yokai Monsters: One Hundred Monsters」
 「Yokai Monsters: Spook Warfare」
 「Yokai Monsters: Along With Ghosts」
 現在では入手困難か?

(23:00〜29:00)
・妖怪の生まれた理由。
 「小豆洗い」
 「河童」 ―― なぜお寿司の「カッパ巻き」には
 そういう名前がついているのか。
・妖怪について英語で学べる本。
 「Yokai Attack!」(Hiroko Yoda&Matt Alt)

(29:00〜33:09)
・映画「さくや妖怪伝」(2000年 原口智生監督)
 について。
 (スタッフが平成ガメラ映画の人達ということで、
 大好きなJeffさんが喜んでいました)

(33:09〜38:08)
・映画「怪談」(1964年 小林正樹監督)について。
 アメリカでは、CriterionからDVDリリース。

(38:08〜46:33)
・「妖怪大戦争」(2005年 三池崇史監督)に
 ついて。
 アメリカでは、「The Great Yokai War」の
 タイトルで、Tokyo Shock(Media Blasters
 のレーベル)からリリース。

(46:33〜50:12)
・水木しげる氏について。
・「ゲゲゲの鬼太郎」の解説。

(50:12〜54:45)
・音楽紹介。

(54:45〜1:00:20)
FilmusikのプロデューサーGalen Huckins氏
 インタビュー。

(1:00:20〜1:07:54)
――ニュース
 ・「ゴジラ」(1954年)ブルーレイについて。
 ・ 日本のブログUltimo Spalpeenに紹介される。
 ・今月のアンケート結果。
 ・ebayに出品されている「百鬼夜行」掛け軸。

(1:07:54〜1:19:14)
・音楽紹介。


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音質は良好で、お二人とも大人ですし、Jeffさん
はプロのDJですしで、わりに分かりやすい英語
でゆっくり喋ってくれますから、聞き取り易い方の
英語ポッドキャストだと思います。
ニュースコーナーでは、もちろん報告してあるの
で、うちのブログについても紹介してくださって
います。例によって、発音には苦労されていて、
申し訳なかったですけど(笑)。


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テーマである妖怪映画とは関係なく、インタビュー
が挿入されていた、Filmusikについては説明が
必要ですね。
Filmusikは、ポートランドで活動している音楽家・
声優・音響効果技術者のグループで、古い映画の
画面に、違う音楽・台詞・効果音を重ねて、新しい
ものを表現してみよう、というプロジェクトなんですね。
来月取り上げられる作品が、「ガメラ対大悪獣ギロ
ン」
(1969年 湯浅憲明監督)ということで、Kaijucast
からも取材を受けた、ということみたいです。
予告編で、かなりやろうとしていることの雰囲気が
掴めます。


Filmusik: Gamera vs. Guiron from Galen Huckins on Vimeo.




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2009年10月27日

意識調査・イタリアのデジタル放送局Rai4で放送して欲しいアニメ作品は?


イタリアの国営放送局であるイタリア放送協会
(Radiotelevisione Italiana) ―― 通称Rai
のチャンネルの一つ、地上波デジタル放送局の
Rai4(公式サイト)については、

「天元突破グレンラガン」

http://www.rai4.rai.it/Serie/Serie.aspx?IDSerie=1

「コードギアス 反逆のルルーシュ」

http://www.rai4.rai.it/Serie/Serie.aspx?IDSerie=2

「ARIA The Animation」

http://www.rai4.rai.it/Serie/Serie.aspx?IDSerie=99

「ロミオ×ジュリエット」

http://www.rai4.rai.it/Serie/Serie.aspx?IDSerie=98


といった日本アニメを放送していることもあり、
何度かご紹介してきましたよね。



サイトAnimeClickでは24日から、Rai4のディレ
クターであるCarlo Freccero氏からの依頼に
よって、イタリアのアニメファンへの意識調査を
行っています。
お題はずばり、「既にDVDが発売・発売予定され
ている作品も含めて、Rai4で放送してほしいアニ
メ作品は?」というものです。

"Quale anime vorreste su Rai 4 dopo
Gurren Lagann e Code Geass?"


記事のコメント欄で、1人三作品までのリクエスト
が許されており、明日28日の締め切りをひかえて、
たくさんの意見が投稿されています。
今、イタリアのアニメファンが一番見たいアニメは
なんなのかを知るのに、格好の調査だと思いま
すので、現時点までの結果をまとめてみますね。
全員はさすがに1日では無理だったので、とりあ
えず、最初に書き込んだ100人の方の意見から。


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32票
「涼宮ハルヒの憂鬱」

21票
「Ergo Proxy」

19票
「ソウルイーター」
「プラネテス」

18票
「サムライチャンプルー」
「Bleach」

17票
「N・H・Kにようこそ!」

14票
「交響詩篇エウレカセブン」

12票
「ラブ★コン」

9票
「岩窟王」

7票
「ノエイン もうひとりの君へ」
「魔方陣グルグル」

6票
「攻殻機動隊SAC」
「ヴァンパイア騎士」

5票
「.hack//SIGN」
「クロノクルセイド」

4票
「Black Lagoon the second barrage」
「真マジンガー衝撃!Z編」
「最終兵器彼女」
「X/1999」
「Hellsing Ultimate」


3票
「Hellsing」(TVシリーズ)
「鋼鉄神ジーグ」
「強殖装甲ガイバー」
「D.Gray-man」
「ジョジョの奇妙な冒険」
「ラーゼフォン」
「RAVE」


2票
「機動戦士ガンダム」(ファースト)
「トリニティ・ブラッド」
「UFOロボグレンダイザー」
「ツバサ・クロニクル」
「頭文字D」
「シュヴァリエ〜Le Chevalier D'Éon〜」
「電脳コイル」
「NANA」
「蟲師」
「カウボーイ・ビバップ」
「FREEDOM」
「新ゲッターロボ」
「GANTZ」
「灰羽連盟」
「天上天下」


1票
「あずまんが大王」
「黒執事」
「機動戦艦ナデシコ」
「ジャングルはいつもハレのちグゥ」
「xxxHolic」
「Fate/stay night」
「機動戦士ガンダム00」
「精霊の守り人」
「鉄のラインバレル」
「クレイモア」
「ウルフズ・レイン」
「トライガン」
「ルパン三世」(第一期)
「タイガーマスク」
「マジンガーZ」
「銀河鉄道999」
「東京マグニチュード8.0」
「MONSTER」
「キューティーハニー」
「最遊記RELOAD GUNLOCK」
「家庭教師ヒットマン REBORN!」
「CLANNAD」
「さよなら絶望先生」
「ソウルテイカー」
「ef - a tale of memories」
「家庭教師ヒットマン REBORN!」
「テガミバチ」
「アイシールド21」
「妄想代理人」
「あぃまぃみぃ! ストロベリー・エッグ」
「めぞん一刻」
「ヘタリア」
「ブギーポップは笑わない Boogiepop Phantom」
「北斗の拳」
「電影少女」or「I"s」
「ドラゴノーツ -ザ・レゾナンス-」
「キン肉マン」
「宇宙戦艦ヤマト」
「今日から俺は!」
「大空魔竜ガイキング」
「グイン・サーガ」
「化物語」
「コードギアス 反逆のルルーシュ R2」
「獣王星」
「機動戦士ガンダムSEED」
「トランスフォーマーG1」
「パラダイス・キス」


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という結果です。
イタリアでの「ハルヒ」人気は高いのか、やはりテ
レビでも見てみたい人が多いようですね。
あと、「Ergo Proxy」「ノエイン もうひとりの君へ」
などは、北米でも人気でしたし、海外受けしや
すい作品傾向なのかもしれません。



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2009年10月26日

映画「Astro Boy」(邦題「ATOM」)の、アメリカでの第1週週末成績


アメリカではこの10月23日から、3014スクリーン
で公開の始まった、手塚治虫さんの「鉄腕アトム」
を原作とするCGアニメーション映画「Astro Boy」
(邦題「ATOM」 米公式サイト)の、1週目の推定
週末興行成績の数字が出ています。
Box Office Mojoによると、「Astro Boy」は初
登場6位で、興行成績は701万7000ドル(約6億
5188万円)になっていますね。


ComingSoon.netが事前に出していた予想では、
順位は4位で、数字は1270万ドルでしたから、
順位はともかく数字としては、予想の半分少し上
と、かなり下回ってしまったものになっています。
配給側の期待がどの辺りだったのかは、知りま
せんけど。
「Astro Boy」の製作費は、4000万ドル(IMDb)
から、6500万ドル(Box Office Mojo)まで諸説
ありますが、おそらくは2000万ドルを超えないだ
ろう、アメリカ国内だけの成績ではまったくの赤字
でしょうから、今後の世界各国での頑張りを期待
するしかないでしょうか。
とはいえ、最も「鉄腕アトム」フランチャイズの
認知度が高い筈の日本では、初登場で10位、
二週目でトップ10圏外ということで(eiga.com)、
既に頼れない市場になってしまっていますが。


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僕自身は未見なのですけれど、現時点でネッ
ト上では、75ほどのレビューが確認出来て、
その三分の一である25ほどのレビューにざっ
と目を通してみたんですが、かつての宮崎駿
作品のような、絶賛の嵐というわけじゃないで
すけど、そんなに反応は悪くないと思います。
Rotten Tomatoesの分類だと、肯定・否定
で半分ずつくらいにされていますが、実際のレ
ビューを読んでみると、Rotten Tomatoesが
引用するようなネガティブな文章もあるものの、
評価出来る部分もある、というものも結構見
つかります。
ただもちろん多くの場合、「子供・ファミリー
映画としては」「コアな鉄腕アトム・手塚治虫
ファンからは、『あれが違う』『これを変えた』と
批判を受けてしまうかもしれないが」という注釈
付きではありますが。
批評家受けがそんなに悪くなかったとしたら、
やはりメイン観客である子供達、あるいは彼ら
を劇場にまで連れて行く、親御さん達向けのマ
ーケティングの失敗、ということになるんでしょ
うか……。


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多くのレビューで指摘されていた、「Astro Boy」
における「鉄腕アトム」からの変更点のひとつは、
アストロのモデルとなった、テンマ博士の息子で
あるトビーの死因が、「アトム」における飛雄での
「交通事故死」から、ロボットの実験中の事故で
ビームを浴びての、「消滅死」に変わったことみた
いですね。
これは何故かというと、あくまで想像ですけど、
交通事故ではリアル過ぎるし、死ぬほどの事故
ですから流血の描写などがあったら、映画のレイ
ティングだって上げなくてはならなくなる。
ビームを浴びての消滅死なら、血も描写しなくて
済む、「きれいな」死に方に出来る ―― という
ことかなとも思うんですが、どうでしょう。


それはともかく、批判ということではないですけ
ど、このトビーの死が、いくつかのレビューでは
話題にされていたんですね。
つまり、「子供向けの映画で、キャラクターの『死』
を描いてもいいのか」「子供が『死』を理解出来る
のか」という指摘です。
もちろん飛雄/トビーが死ななければ、そもそも
アトムもアストロも作られないわけで、これは変
更のしようのない大前提のプロットなわけですけ
れど、新たにそういう指摘を目にすることは、個人
的に興味深かったです。
そんなにアメリカ製の子供向けアニメーション映
画で、「死」を描くことがタブーなのか稀なのかは、
僕は不勉強なのでわかりませんけれど、逆にいう
と、今回の「Astro Boy」製作者は、死なせ方は変
えても、とにかく死なせるという、そのゆずれない
一点は守ったわけですね。



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2009年10月25日

「仮面ライダー龍騎」の海外向けリメイク「Kamen Rider Dragon Knight」北米での視聴率データ(9月5日〜10月17日)


まず先に、10月22日付け記事のフォローです。
記事を書いた時点では確かに、「次回エピソード
の放送は11月7日午前7時」と書かれてあった、
カナダ・YTVの「ふたりはプリキュア」ページ
今日あらためてチェックしてみると、「現在放送
予定のあるエピソードはありません」に、記述が
変わってしまっているんですよね……。
好意的に解釈するなら、最初はリピート放送の予
定だったのが、後半のエピソードも購入したこと
で、スケジュールの再調整が必要になったとか?
まあ、その情報自体がフェイクだったら、どうしよ
うもないですけど……。
カナダの「プリキュア」ファンには、まだまだ当惑
の期間が続きそうです。


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では本題。
かねてよりお伝えしている、 「仮面ライダー龍騎」
の海外向けリメイク「Kamen Rider Dragon
Knight」(以下「KRDK」 公式サイト)の視聴率
情報ですね。
今日は、9月5日放送の第21話「Strike's
Ultimatum」から、10月17日放送の第28話
「A Dragon Caged Len, Kase, and Maya」
までです。
残念ながら、8月29日放送の第20話「Letter
From The Front-Line」については、データが
出ていません。すみません。
ともあれ話数を考えると、物語的には、いよいよ
佳境といったところなんでしょうか。
ソースはいつものようにCynthia Turner's
Cynopsis- Cynopsis Kids
、対象年齢層は
6〜11歳です。


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9月5日(第21話)

・同時間帯(11時30分〜12時00分)比較

「SpongeBob SquarePants」
(NICKELODEON) ―― 4.5/21
「Handy Manny」(DISNEY CHANNEL) ―― 1.8/8
「Yu-Gi-Oh 5Ds」(CARTOON NETWORK)
 ―― 1.5/7
「The Suite Life of Zack and Cody」(ABC)
―― 0.7/3
「Zeke and Luther」(DISNEY XD) ―― 0.7/3
「Kamen Rider Dragon Knight」(CW)―― 0.5/2
「The Zula Patrol」(NBC) ―― 0.3/1
「Strawberry Shortcake」(CBS) ―― 0.0/0


・日本アニメ・特撮作品との比較

「爆丸 バトルブローラーズ」 (CARTOON NETWORK)
 ―― 2.3/16
「ポケモン・ダイアモンド&パール Battle Dimensions」
(CARTOON NETWORK)―― 2.3/11
「遊戯王5D's」(CARTOON NETWORK)―― 1.5/7
「遊戯王」(CW)―― 1.0/5
「遊戯王」(CW)―― 0.9/5
「恐竜キング」(CW)―― 0.7/3
「Kamen Rider Dragon Knight」 (CW)―― 0.5/2
「Power Rangers RPM」(ABC) ―― 0.3/1
「Power Rangers RPM」(ABC) ―― 0.1/0


9月12日(第22話)

・同時間帯(11時30分〜12時00分)比較

「SpongeBob SquarePants」
(NICKELODEON) ―― 5.3/27
「Alien Force」(CARTOON NETWORK) ―― 2.5/12
「Handy Manny」(DISNEY CHANNEL) ―― 2.4/10
「The Suite Life of Zack and Cody」(ABC)
―― 0.9/5
「Zeke and Luther」(DISNEY XD) ―― 0.5/3
「Kamen Rider Dragon Knight」(CW)―― 0.4/2
「Babar」(NBC) ―― 0.2/1
「Strawberry Shortcake」(CBS) ―― 0.2/1


・日本アニメ・特撮作品との比較

「ポケモン・ダイアモンド&パール Galactic Battle」
(CARTOON NETWORK)―― 2.6/12
「爆丸 バトルブローラーズ」 (CARTOON NETWORK)
 ―― 1.7/11
「遊戯王5D's」(CARTOON NETWORK)―― 1.5/7
「遊戯王」(CW)―― 0.9/5
「恐竜キング」(CW)―― 0.8/4
「Power Rangers RPM」(ABC) ―― 0.5/3
「Kamen Rider Dragon Knight」 (CW)―― 0.4/2
「Power Rangers RPM」(ABC) ―― 0.3/2

9月19日(第23話)

・同時間帯(11時30分〜12時00分)比較

「Penguins of Madagascar」
(NICKELODEON) ―― 4.5/21
「Handy Manny」(DISNEY CHANNEL) ―― 2.1/9
「Phineas and Ferb」」(DISNEY XD) ―― 1.7/8
「Yu-Gi-Oh 5Ds」(CARTOON NETWORK)
 ―― 1.5/7
「The Suite Life of Zack and Cody」(ABC)
―― 1.2/5
「Willa's Wild Life」(NBC) ―― 0.4/2
「Kamen Rider Dragon Knight」(CW)―― 0.4/2
「Noonbory and Super」(CBS) ―― 0.2/1


・日本アニメ・特撮作品との比較

「爆丸 バトルブローラーズ」 (CARTOON NETWORK)
 ―― 1.7/11
「遊戯王5D's」(CARTOON NETWORK)―― 1.5/7
「恐竜キング」(CW)―― 1.2/6
「遊戯王」(CW)―― 1.1/5
「Power Rangers RPM」(ABC) ―― 0.7/3
「Power Rangers RPM」(ABC) ―― 0.6/3
「Kamen Rider Dragon Knight」 (CW)―― 0.4/2


9月26日(第24話)

・同時間帯(11時30分〜12時00分)比較

「SpongeBob SquarePants」
(NICKELODEON) ―― 5.2/24
「Handy Manny」(DISNEY CHANNEL) ―― 2.1/9
「The Suite Life of Zack and Cody」(ABC)
―― 1.3/6
「Yu-Gi-Oh 5Ds」(CARTOON NETWORK)
 ―― 1.1/5
「Agent Cody Banks」(DISNEY XD) ―― 1.0/5
「Kamen Rider Dragon Knight」(CW)―― 0.7/3
「Sabrina: Animated Series」(CBS) ―― 0.5/2
「Babar」(NBC) ―― 0.4/2


・日本アニメ・特撮作品との比較

「ポケモン・ダイアモンド&パール Galactic Battle」
(CARTOON NETWORK)―― 2.4/11
「爆丸 バトルブローラーズ」 (CARTOON NETWORK)
 ―― 1.7/10
「遊戯王」(CW)―― 1.2/6
「遊戯王5D's」(CARTOON NETWORK)―― 1.1/5
「恐竜キング」(CW)―― 1.0/5
「Power Rangers RPM」(ABC) ―― 0.7/4
「Kamen Rider Dragon Knight」 (CW)―― 0.7/3
「Power Rangers RPM」(ABC) ―― 0.6/3


10月3日(第25話)

・同時間帯(11時30分〜12時00分)比較

「SpongeBob SquarePants」
(NICKELODEON) ―― 3.9/19
「Handy Manny」(DISNEY CHANNEL) ―― 1.9/8
「Suite Life on Deck」(DISNEY XD) ―― 2.3/12
「Yu-Gi-Oh 5Ds」(CARTOON NETWORK)
 ―― 0.9/4
「The Suite Life of Zack and Cody」(ABC)
―― 1.2/6
「Kamen Rider Dragon Knight」(CW)―― 0.7/3
「Sabrina: Animated Series」(CBS) ―― 0.5/2
「Babar」(NBC) ―― 0.3/2

・日本アニメ・特撮作品との比較

「ポケモン・ダイアモンド&パール Galactic Battle」
(CARTOON NETWORK)―― 2.0/9
「爆丸 バトルブローラーズ」 (CARTOON NETWORK)
 ―― 1.3/9
「遊戯王」(CW)―― 1.1/5
「恐竜キング」(CW)―― 1.0/5
「遊戯王5D's」(CARTOON NETWORK)―― 0.9/4
「Kamen Rider Dragon Knight」 (CW)―― 0.7/3
「Power Rangers RPM」(ABC) ―― 0.4/2
「Power Rangers RPM」(ABC) ―― 0.2/1


10月10日(第26話)

・同時間帯(11時30分〜12時00分)比較

「SpongeBob SquarePants」
(NICKELODEON) ―― 4.9/23
「Phineas and Ferb」(DISNEY CHANNEL) ―― 4.5/21
「Yu-Gi-Oh 5Ds」(CARTOON NETWORK)
 ―― 1.2/6
「The Suite Life of Zack and Cody」(ABC)
―― 1.2/6
「Haunted Mansion」(DISNEY XD) ―― 1.2/5
「Kamen Rider Dragon Knight」(CW)―― 0.7/3
「Sabrina: Animated Series」(CBS) ―― 0.6/3


・日本アニメ・特撮作品との比較

「ポケモン・ダイアモンド&パール Galactic Battle」
(CARTOON NETWORK)―― 2.3/10
「爆丸 バトルブローラーズ」 (CARTOON NETWORK)
 ―― 1.7/11
「遊戯王」(CW)―― 1.3/6
「遊戯王5D's」(CARTOON NETWORK)―― 1.2/6
「恐竜キング」(CW)―― 0.9/5
「Kamen Rider Dragon Knight」 (CW)―― 0.7/3
「Power Rangers RPM」(ABC) ―― 0.3/1
「Power Rangers RPM」(ABC) ―― 0.3/1


10月17日(第27話)

・同時間帯(11時30分〜12時00分)比較

「SpongeBob SquarePants」
(NICKELODEON) ―― 4.3/19
「Phineas and Ferb」(DISNEY CHANNEL) ―― 3.0/13
「The Suite Life of Zack and Cody」(ABC)
―― 1.4/6
「Yu-Gi-Oh 5Ds」(CARTOON NETWORK)
 ―― 1.1/5
「Aaron Stone」(DISNEY XD) ―― 0.5/2
「Kamen Rider Dragon Knight」(CW)―― 0.4/2
「Sabrina: Animated Series」(CBS) ―― 0.3/1


・日本アニメ・特撮作品との比較

「ポケモン・ダイアモンド&パール Galactic Battle」
(CARTOON NETWORK)―― 1.9/8
「爆丸 バトルブローラーズ」 (CARTOON NETWORK)
 ―― 1.3/8
「遊戯王」(CW)―― 1.6/7
「遊戯王5D's」(CARTOON NETWORK)―― 1.1/5
「恐竜キング」(CW)―― 1.6/8
「Kamen Rider Dragon Knight」 (CW)―― 0.4/2
「Power Rangers RPM」(ABC) ―― 0.3/1
「Power Rangers RPM」(ABC) ―― 0.3/1


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というわけで、ずっと0.4〜0.7%の数字が続い
ている感じでしょうか。安定しているといえば、
そうなんでしょうけど。
この数字はおそらく、局や時間帯を考えれば
健闘しているかもしれないが、続編や映画版
が可能になるかどうかというと、微妙なところ、
といった評価になると思います。
続編や映画版については、いよいよこれから本
番のホリデイ・シーズンでの、トイやゲームの売
り上げが最大の判断材料になるでしょうね。
12月29日発売予定Wiiゲーム「Kamen Rider
Dragon Knight」は、トレーラーを見る限り、
なかなか出来は良さそうですけど?





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あと、9月からCWでは、「遊戯王5D's」の代わりに、
1作目の「遊戯王」が再放送されているのですが、
ここ最近はずっと、Cartoon Networkでの「5D's」
の視聴率を上回っているのは、「遊戯王」ファンとし
ては、複雑な心境になるかもしれませんね……。


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2009年10月24日

アメリカ・アイオワ州のオンラインストアRight StufのDVD在庫状況から想像する、北米でのアニメ不人気作品


今日は、いつもとちょっと違う角度からの調査
をしてみたいと思います。
アメリカ・アイオワ州グリムスに拠点を置くオン
ラインストアRight Stuf(公式サイト)については、
隔週で配信しているポッドキャスト番組Anime
Today
と合わせて、よく紹介していますよね。
  

BOXセットは違いますが、そのアニメDVDの単
巻カタログには、Right Stufが現在保有してい
る在庫数も表示されるんですね。
本来は、「残りがこれだけしかないですから、
注文はお早めに」というメッセージの役目を務め
ているんだと思います。


そもそもの仕入れ数が不明ですから、その表示
される在庫数から、「売れた」実数を想像するの
は難しいですけれど、「売れなかった」数につい
ては、ある程度の想像が可能だと、結果から見
えてきました。
DVDの単巻価格が10ドル以下になっている
Bargain Binのリストの中から、特に在庫数の
多い作品をリストアップしてみます。
全ての作品は無理なので、僕が知っている範囲
での有名作になりますが。


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「009-1」第1巻(6ドル) ―― 401
「エア・ギア」第1巻(5ドル) ―― 407
「エリア88・TVシリーズ」第1巻(3ドル) ―― 467
「怪〜ayakashi〜」第3巻(7ドル) ―― 437
「極上生徒会」第1巻(5ドル) ―― 426
「ベイブレード」第1巻(2ドル) ―― 432
「瓶詰妖精」第1巻(7ドル) ―― 360
「BURN-UP SCRAMBLE」第1巻(8ドル) ―― 496
「SPACE PIRATE CAPTAIN HERLOCK」
 第1巻(4ドル) ―― 365
「クロノクルセイド」第7巻(6ドル) ―― 442


「魁!クロマティ高校」第1巻(4ドル) ―― 440
「魔装機神サイバスター」第1巻(5ドル) ―― 445
「地球防衛家族」第1巻(5ドル) ―― 468
「北へ。 〜Diamond Dust Drops〜」
 第3巻(8ドル) ―― 370
「せんせいのお時間」第1巻(8ドル) ―― 403
「すっとこ大戦ドッコイダー」第1巻(3ドル) ―― 454
「はじめの一歩」第1巻(5ドル) ―― 442
「ファイナルファンタジー:アンリミテッド」
 第1巻(3ドル) ―― 485
「ガドガード」第1巻(4ドル) ―― 461
「岩窟王」第1巻(4.49ドル) ―― 431


「GANTZ」第1巻(3ドル) ―― 444
「学校の怪談」第1巻(4ドル) ―― 456
「ギルガメッシュ」第1巻(4ドル) ―― 481
「GIRLSブラボー」第6巻(8ドル) ―― 413
「神魂合体ゴーダンナー!!」第1巻(4ドル) ―― 472
「超重神グラヴィオン」第1巻(3ドル) ―― 485
「ガン×ソード」第1巻(8ドル) ―― 380
「強殖装甲ガイバー」第1巻(4ドル) ―― 395
「ヒートガイJ」第1巻(3ドル) ―― 480
「人間交差点」第1巻(3ドル) ―― 441


「JINKI:EXTEND」第3巻(5ドル) ―― 404
「十兵衛ちゃん2 -シベリア柳生の逆襲-」
 第1巻(6ドル) ―― 411
「カレイドスター」第1巻(3ドル) ―― 452
「恋風」第1巻(6ドル) ―― 379
「LAST EXILE」第1巻 (4ドル) ―― 482
「L/R Licensed by Royal」第1巻
 (4ドル) ―― 447
「超時空要塞マクロス」第1巻(9.99ドル)
―― 488
「MADLAX」第1巻(4ドル) ―― 482
「陸上防衛隊まおちゃん」第1巻(5ドル)
―― 446
「忘却の旋律」第1巻(6ドル) ―― 470


「機動新撰組 萌えよ剣」第1巻(5ドル) ―― 425
「魔探偵ロキ RAGNAROK」第1巻(6ドル) ―― 495
「ななか6/17」第1巻(6ドル) ―― 474
「練馬大根ブラザーズ」第1巻(6ドル) ―― 372
「新ゲッターロボ」第1巻(6ドル) ―― 461
「ニニンがシノブ伝」第1巻(12ドル) ―― 482
「NOIR」第1巻(5ドル) ―― 450
「パンダーゼット THE ROBONIMATION」第1巻
 (4ドル) ―― 425
「南国少年パプワくん」第1巻(4ドル) ―― 436
「新白雪姫伝説プリーティア」第1巻
 (3ドル) ―― 490


「プリンセスナイン」第3巻(5ドル) ―― 436
「Red Garden」第2巻(6ドル) ―― 437
「京極夏彦 巷説百物語」第1巻(7ドル) ―― 406
「聖闘士星矢」第1巻(3ドル) ―― 448
「最遊記RELOAD」第1巻(8ドル) ―― 438
「サムライガン」第1巻(4ドル) ―― 437
「少年陰陽師」第1巻(2ドル) ―― 426
「ソウルテイカー」第1巻(4ドル) ―― 413
「スターオーシャンEX」第1巻(6ドル) ―― 403
「宇宙のステルヴィア」第1巻(5ドル) ―― 415


「苺ましまろ」第1巻(8ドル) ―― 385
「鉄人28号」(2004年版)第1巻(3ドル) ―― 464
「TEXHNOLYZE」第1巻(8ドル) ―― 412
「この醜くも美しい世界」第1巻
 (8ドル) ―― 447
「東京アンダーグラウンド」第1巻
 (5ドル) ―― 451
「円盤皇女ワるきゅーレ」第1巻(5ドル) ―― 442
「ウルトラマニアック」第1巻(5ドル) ―― 469
「勇午-交渉人-」第1巻(3ドル) ―― 485
「戦闘妖精雪風」第1巻(5ドル) ―― 455
「ゆめりあ」第1巻(4ドル) ―― 427
「ジパング」第1巻(6ドル) ―― 449


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という辺りが、在庫数の多さ上位作品ですね。
売価については、人気作でもBOXセットが出れば
同じくらい下がりますけれど、各在庫数を見てわか
るのは、500を超えたものがなく、上限は400台後
半ということですね。
これは想像ですけれど、Right Stufでの、少なくと
も単巻第1巻の最低仕入れ数が、おそらく500なん
だろうと思います。
その想像が正しければ、各作品の売れた本数は、
500から、現在の在庫数を引いたものになる筈で
すよね。そうすると本当に、Right Stufで500本
仕入れても、数十本しか売れていない作品が、たく
さんあるわけです。


もちろん、北米でアニメDVDを売っているのはRight
Stufだけではありませんが、仮にこの十倍の小売
ルートで売れているとしても、数百本レベルにしか
ならないと思えます。オンラインストアでしか売れ
ないようなマニアックな作品(上記リストのほとんど
が当てはまると思います)だと、もっと小さな倍率に
なりますよね。
BOXセットが出てしまうと、単巻DVDは上記のよう
な叩き売り価格で売るしかないわけですけど、仮に
それで全ての在庫がさばけたとしても、利益が出る
ようなことはないでしょう。
Right Stufの倉庫を、実際に一度覗いてみたいなあ、
とは思います。


posted by mikikazu at 10:48 | TrackBack(0) | 海外情報(北米) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年10月22日

カナダ・YTVが、「ふたりはプリキュア」後半23エピソードの放送権を取得


日本時間の昨日くらいから広まっているのが、
カナダの子供向け放送局YTV(公式サイト)
が、プリキュアシリーズ第1作目の「ふたりは
プリキュア」後半の23エピソード(全49話)の、
つまり最終話までの放送契約を、東映アニメ
ーション側と交わした、というニュースですね。


Animation Magazine
2009年10月20日付け記事
"YTV Picks Up Full Season of Pretty Cure"

WorldScreen.com
2009年10月21日付け記事
"YTV Signs On for More Pretty Cure"

C21Media 
2009年10月21日付け記事
"YTV prescribes more Pretty Cure"


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英語圏では初となる、このカナダ・YTVでの
「ふたりはプリキュア」の放送については、
当ブログでもずっとフォローしていますよね。
英語吹替版での放送が始まったのは、今年
の3月6日からで、しばらくは順調に続いてい
たと思うんですが、ここ2カ月ほどは放送が
不定期になっていたらしくて、ファンの間では
「前半で打ち切られたのでは」という不安の声
も囁かれていたんです。
また、日本の日経MJ紙などでの報道では、
全49話の筈の「プリキュア」1作目が、全26話
だとも伝えられていて、とりあえず全話放送契
約ではないのでは、という想像もありましたか
ら、打ち切りというか、前半だけでの放送終了
の可能性は、否定出来ませんでした。


実際過去には、前半26話だけの放送契約が
伝えられていた「東京ミュウミュウ」が、後半
エピソードが放送されないまま終了したことも
ありましたし(北米など、4Kids Entertainment
が権利を保有していた地域のみ。そうではな
いイタリアなどでは、最後まで放送されました)。


一方で、秋以降の放送継続については、7月
23日付けで出された秋期シーズンの放送予定
作品を伝えるプレスリリース、あるいは9月1日
付けで発表された放送予定表(pdfファイル)な
どで、「Pretty Cure」のタイトルが示されていた
こともあり、情報は混乱していたんですね。
なので、とりあえず打ち切りではなく、最終話ま
での放送が確定したらしいことには、ファンとし
て安心しました。
というか、1作目の「ふたりはプリキュア」が途
中で終わってしまうと、同じほのかさんとなぎさ
さんが主人公である、直接の続編「Max Heart」
も放送出来なくなってしまいますし。
だから、「Max Heart」の放送についても、望み
がつながったと言えると思います。


YTV内の「Pretty Cure」公式ページのエピソ
ードリストには、第17話までしか掲載されてい
ませんけれど、フォーラムなどでの反応を見る
限りでは、少なくとも第26話までは放送されて
いるようです。
放送の再開は、11月7日午前7時からとも書か
れてありますが、そういうサイトの状況ですし、
間違っていることも多いようですから、信じてい
いのかどうかは、よくわかりません。
カナダの「プリキュア」ファンは、しばらく土曜日
の朝は、テレビの前でヤキモキすることが続き
そうですね。


2009年10月21日

アメリカ・オレゴン州ポートランド発の怪獣映画専門ポッドキャストKaijucast


最近面白く聞き始めたポッドキャストが、アメ
リカ・オレゴン州ポートランド在住のKyle Yount
さんがホストを務める、Kaijucastです。

http://kaijucast.com/

名前が示すように、ゴジラを代表とする、日本の
着ぐるみ怪獣映画の話題だけを専門に語るポッ
ドキャストなんですね。
仮面ライダーシリーズやスーパー戦隊を含む、
特撮 tokusatsu全体を扱ったポッドキャストなら
他にもあるようですが、怪獣映画だけにテーマを
絞ったポッドキャストは、Kyleさんが知る限りで
は、このKaijucastだけになるようです。日本発
の怪獣映画ポッドキャストなんて、あってもよさそ
うですけど?


2009年1月に配信を開始し、月に1話ずつのペ
ースで、現在までに9話を配信している、全ての
エピソードを聞き終えたわけではありませんが、
基本的には1時間の長さで、Kyleさんと友人の
怪獣映画ファンとのトーク、お薦め怪獣映画音楽
の紹介、怪獣映画の最新情報を伝える、という
フォーマットのようですね。
Kyleさんは、現在30代の半ばくらいだと思うんで
すけど、友人の方々も同じくらいで、アメリカとい
う国で、どうやって怪獣映画を知り、惹かれてい
ったのか、というそれぞれのプロセスを知ることが
出来るのが、一番興味深いと思います。


例えば、Kyleさんご自身が怪獣映画にハマったの
は、1987年に日本に滞在していた時に、1984年
版「ゴジラ」(橋本幸治監督)の、アメリカ版である
「Godzilla 1985」をたまたま見たことがキッカケ
だそうですが、他の多くの方は、地元のローカル
テレビ局で繰り返されていた、昭和ゴジラ映画の
リピート放送を見たことが理由になるようですね。
たぶん、それより若い世代だと、そういう経験は
少なくなって、ネットが情報収集ルートの主体にな
っていってると想像します。


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個人的にお薦めのエピソードは、Kyleさんが
2009年7月3〜5日にイリノイ州シカゴで開催
されたG-Fest XVI(公式サイト)に参加し、様々
な人に取材した、第7回エピソードですね。
G-Festは、1994年から毎年開催されている、
ゴジラ及び怪獣映画をテーマにしたコンベンシ
ョンで、今年で16回目になります。日本のファ
ンにも、結構知られたイベントですよね。


Kyleさんがインタビューしたのは、G-Festを
主催している雑誌G-Fanの発行人であるJ. D.
Lees氏、日本からのゲストである佐原健二氏、
イベントの常連ゲスト・スタッフであり、「ゴジラ
vsキングギドラ」(91年)で、アンドロイドのM-11
を演じていた、ロバート・スコット・フィールド氏、
その他会場に詰めかけていた、色々な世代の
ファンの人達ですね。現在進行形での、アメリカ
の怪獣映画ファンの声がたくさん聞けます。


フィールド氏が語っていたんですけど、「ゴジラ
vsキングギドラ」に出演した時の苦労のひとつ
は、自分はずっと大阪でDJをしていたので、日
本語にも関西弁のクセがついてしまっていた。
でもアンドロイドのM-11が関西弁で喋ってはさ
すがにおかしいので、標準語できっちり喋るよう
に頑張ったことだとか。
また、台本には英語の台詞もいくつかあったの
だけれど、文法的にはメチャクチャだったので、
ネイティブ・スピーカーの立場から、意味が通じる
正しい英語に直す役目を買って出たりもしたそう
ですね。


残念ながら、2004年の「ゴジラ FINAL WARS」
から5年近くも、ゴジラ映画が製作されていないこ
ともあって、アメリカでもさすがに、怪獣映画ファ
ンが減ってきているそうですね。
仮面ライダーもスーパー戦隊シリーズもウルトラマ
ンも新作が作られ続けているのだから、いずれは
「ゴジラ」も復活するでしょうけど、どういう形になる
でしょう。
エピソード1話ではKyleさんも、次のゴジラでは、
着ぐるみとCGIをどう使い分けるべきかという問題
を語ったりもされていました。


posted by mikikazu at 07:37 | TrackBack(0) | 海外情報(北米) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年10月20日

ドイツのマンガ売り上げランキング・TOP3出版社編(2009年8〜9月期)


昨日の北米に続いて、今日はドイツでのマンガ
売り上げ情報です。
各マンガ出版社が公式サイト及び、そのフォー
ラム内で伝えている、自社作品売り上げランキ
ングを並べてみますね。


まずは、ドイツのマンガ市場シェア第1位(43%・
2006年のデータ)Carlsen(公式サイト)から。
ソースは、Carlsen Manga公式フォーラム
内スレッドの、"CARLSEN MANGA!-Bestseller"
です。


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2009年8月期

1.「NARUTO」第37巻
2.「ONE PIECE」第51巻
3.「DAISUKI」(マンガ雑誌) 2009年8号
4.「会長はメイド様!」第2巻
5.「ドラゴンボール・アンソロジー」第6巻
6.「窮鼠はチーズの夢を見る」
7.「花ざかりの君たちへ」第23巻
8.「ラブニスタ」第1巻
9.「かりん」第10巻
10.「スパイラル〜推理の絆〜」第1巻
11.「S・A〜スペシャル・エー」第8巻
12.「今日からマ王!」第2巻
13.「SHADOW LADY」第3巻
14.「ヴァンパイア騎士」第6巻
15.「ハンター×ハンター」第23巻
16.「背徳は甘く蝕む」
17.「Black Lagoon」第8巻
18.「放課後保健室」第4巻
19.「邪道」第6巻
20.「ロマンセ 大人のキス」


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昨日のアメリカからは10巻ほど出版が遅れて
いますが、「NARUTO」第37巻が1位、逆には
るかに先へ進んでいる「ONE PIECE」第51巻が
2位と、おそらくドイツのマンガ市場全体でも、
双璧の2作になっていると思います。
それ以外はバラエティに富んでいますが、やは
りやおい/BL作品の強さが目立ちますね。
というか、ドイツのマンガ市場について調べ始
めてから、作品や作家さんの名前をたくさん知
るようになりました。


続いて、シェア第2位(39%)のEMA(Egmont
Manga & Anime 公式サイト)は、月間TOP15
チャート
から。


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2009年9月期

1.「名探偵コナン」第63巻
2.「ミューズの学園で逢おう」第2巻
3.「愛で痴れる夜の純情 禿編」
4.「キングダム・ハーツU」第3巻
5.「欲情©MAX」
6.「渡瀬悠宇The Best Selection」
7.「ツバサ-RESERVoir CHRoNiCLE-」第24巻
8.「しゅごキャラ!」第2巻
9.「NANA」第2巻
10.「天は赤い河のほとり」第19巻
11.「名探偵コナン」第62巻
12.「櫻狩り」
13.「しゅごキャラ!」第1巻
14.「ネギま!?neo」第4巻
15.「RHプラス」第2巻


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こちらは、北米ではさっぱりですがヨーロッパ
ではそれなりに強い「名探偵コナン」第63巻
がトップです。
北米で失敗した理由は、アニメ版を深夜枠で
しか放送出来ず、結局打ち切られたことも大
きいと思います。ヨーロッパだと、国にもより
ますけど、子供が見られる時間帯で放送して
いますし。
ドイツでは民放のRTL2で、2002年の4月から、
午前11時55分から午後4時までの「Pokito」と
称されるアニメ専門枠の中で放送されたとのこ
とですね。
公式サイト内の「名探偵コナン」ページでは、
ドイツ語版の色々なクリップが見られて、面白い
です。かーなり重いですけど。


それと、3位の「愛で痴れる夜の純情 禿編」は、
ドイツでは「Kimono Boys」という、まんまな
タイトルにされていました。確かに、訳すのは
大変なタイトルでしょうけど(笑)。


さらに続いて、シェア第3位(12%)のTOKYOPOP
ドイツ(公式サイト)。
公式フォーラム内スレッド"TOKYOPOP-Hits 2009"
から、最新の第40週分(10月10日発表)を。


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1.「ゼルダの伝説 時のオカリナ」第2巻
2.「クリムゾン・スペル」第3巻
3.「今日、恋をはじめます」第2巻
4.「チョコレートコスモス」第4巻
5.「LOVE ROUND!!」
6.「ゼルダの伝説 時のオカリナ」第1巻
7.「エルフェンリート」第4巻
8.「絶対覚醒天使ミストレス☆フォーチュン」
9.「ナインパズル」第2巻
10.「りりむキッス」第1巻
11.「ウチの探偵知りませんか?」
12.「愛してるぜベイベ★★」第7巻
13.「今日、恋をはじめます」第1巻
14.「To Loveる」第6巻
15.「エルフェンリート」第3巻
16.「DEATH NOTE」第1巻
17.「ロザリオとバンパイア」第3巻
18.「エルフェンリート」第1巻
19.「DEATH NOTE」第5巻
20.「チョコレートコスモス」第3巻


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という結果です。
姫川明さんの「ゼルダの伝説 時のオカリナ」は、
トップを独走していた第1巻に引き続き、第2巻
も売れているようです。
「ロザリオとバンパイア」は、売れていないわけ
ではないですが、北米ほどの勢いはないようで、
同じジャンプ系でも、発売から数週間ずっと
「To Loveる」の方が上位なのは面白いですね。



最後に参考として、オンラインストアAmazonドイ
ツでの、マンガ・トップセラーリストからも。


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1.「NARUTO」第38巻
2.「ONE PIECE」第52巻
3.「ヴァンパイア騎士」第7巻
4.「クリムゾン・スペル」第3巻
5.「ゼルダの伝説 時のオカリナ」第2巻
6.「ツバサ-RESERVoir CHRoNiCLE-」第25巻
7.「魔法先生ネギま!」第23巻
8.「Bleach」第37巻
9.「Hauch der Leidenschaft」
10.「こんな男は愛される」第2巻


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・参考資料
JETRO(日本貿易振興機構)による調査レポート
「ドイツにおけるコンテンツ市場の実態」

posted by mikikazu at 09:30 | TrackBack(0) | 海外情報(ドイツ) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年10月19日

北米マンガ売り上げランキング2009年10月中旬期(NYタイムズ・オンラインストア)


ちょっと間が開いてしまいましたが、今日は
北米でのマンガ売り上げについての情報を
久々に。
間が開いた理由は、いつもICv2が掲載して
いる、グラフィック・ノベルの月間売り上げラ
ンキングが、なかなか伝えられなかったから
で、とりあえず今日のところは、The New
York Timesが伝えている最新ランキングと、
各オンラインストアでの動きのみですね。


まず、The New York Timesによる10月
第2週(4〜10日)のmangaベストセラー

(要登録)のTOP10は、


1.「NARUTO」第46巻
2.「ロザリオとバンパイア」第9巻
3.「かりん」第14巻
4.「鋼の錬金術師」第20巻
5.「VAMPIRE KISSES」第3巻
 (Ellen Schreiber, Elisa Kwon and Rem)
6.「スキップ・ビート!」第19巻
7.「ONE PIECE」第22巻
8.「しゅごキャラ!」第7巻
9.「アラクレ」第8巻
10.「よつばと!」第6巻



ですね。
「NARUTO」第46巻の1位は、まあ当然で、
また吸血鬼ものが、TOP5に3作入るという、
アメリカでのジャンル人気傾向を示しています。


相当な数の人が待っていた、「よつばと!」第
6巻は、おそらく出版元のYen Pressの歴史
(まだ2年と少しですが)始まって以来、最高の
ヒット作になっていると思います。
このランキングでの順位は、

9月13日〜19位
・第3位

9月20日〜9月26日
・第3位

9月27日〜10月3日
・第8位

ということで、アニメ化されているわけでもない
作品としては大健闘だと思います。
もちろん、それだけのクオリティを備えた作品な
わけですし、同じ作者さんの「あずまんが大王」
の人気を引き継いだ部分もあるでしょう。
なので、予定されている、Yen Pressからの「あ
ずまんが大王」の再出版も、かなり売れると想像
します。


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引き続いて、北米(アメリカ・カナダ)の各オンラ
インストアにおける、マンガ作品の売り上げラン
キング2009年10月中旬編です。


アメリカ

大手一般書店チェーン

・Borders

1.「NARUTO」第46巻
2.「ロザリオとバンパイア」第9巻
3.「遊戯王R」第1巻
4.「鋼の錬金術師」第20巻
5.「紳士同盟†」第10巻
6.「ONE PIECE」第22巻
7.「スキップ・ビート!」第19巻
8.「かりん」第14巻
9.「VAMPIRE KISSES」第3巻
10.「アラクレ」第8巻
11.「よつばと!」第6巻

・Barnes & Noble

1.「Maximum Ride」第2巻
 (James Patterson)
2.「NARUTO」第46巻
3.「純情ロマンチカ」第1巻
4.「Dark-Hunters」第1巻
 (Sherrilyn Kenyon)
5.「フルーツバスケット」第23巻
6.「Dark Hunger」
 (Christine Feehan)
7.「NARUTO」第45巻
8.「ヴァンパイア騎士」第7巻
9.「Bleach」第28巻
10.「Bleach」第27巻


・Books-A-Million

1.「NARUTO」第46巻
2.「VAMPIRE KISSES」第3巻
3.「NARUTO」第38巻
4.「Bleach」第28巻
5.「フルーツバスケット」第23巻
6.「NARUTO」第33巻
7.「ヴァンパイア騎士」第7巻
8.「フルーツバスケット」第22巻
9.「NARUTO」第36巻
10.「ヴァンパイア騎士」第6巻


オンラインストア

・アメリカAmazon

1.「Maximum Ride」第2巻
2.「Warriors: Ravenpaw's Path」第1巻
 (Erin Hunter, James Barry)
3.「銃夢 LastOrder」第12巻
4.「NARUTO」第46巻
5.「ベルセルク」第31巻
6.「Maximum Ride」第1巻
7.「Darkstalkers Tribute」
8.「Warriors: Tigerstar and Sasha」第3巻
9.「xxxHolic」第14巻
10.「Black Lagoon」第8巻


アニメ・マンガ専門店

・Right Stuf

1.「ツバサ-RESERVoir CHRoNiCLE」第24巻
2.「xxxHolic」第15巻
3.「ツバサ-RESERVoir CHRoNiCLE」第26巻
4.「鋼の錬金術師」第22巻
5.「魔法先生ネギま!」第25巻
6.「ツバサ-RESERVoir CHRoNiCLE」第25巻
7.「桜蘭高校ホスト部」第13巻
8.「鋼の錬金術師」第21巻
9.「さよなら絶望先生」第6巻
10.「xxxHolic」第14巻


・Anime Castle

1.「NARUTO」第46巻
2.「ロザリオとバンパイア」第9巻
3.「Black Lagoon」第8巻
4.「親指からロマンス」第4巻
5.「犬夜叉」第41巻


コミック専門店

・Midtown Comics
(ニューヨーク州ニューヨーク市)

1.「NARUTO」第46巻
2.「GANTZ」第7巻
3.「コードギアス ナイトメア・オブ・ナナリー」
 第2巻
4.「新世紀エヴァンゲリオン 碇シンジ育成計画」
 第2巻
5.「Starcraft Frontline」第4巻
6.「AKIRA」第1巻
7.「ベルセルク」第31巻
8.「PLUTO」第5巻
9.「デトロイト・メタル・シティ」第2巻
10.「ロザリオとバンパイア」第9巻


カナダ

・Bookmanager
(コミック&グラフィックノベル・ランキング)
――カナダ国内の、大手チェーンに属していない
独立書店向けの書籍データ・サイトで、調査対象
はコミック専門店や、大手チェーンを除く、400店
ほど。

1.「NARUTO」第46巻
2.「The Zombie Survival Guide : Recorded
 Attacks」(Max Brooks)
3.「WATCHMAN」(Alan Moore)
4.「ONE PIECE」第22巻
5.「Hobbit Graphic Novel」(Tolkien)
6.「ロザリオとバンパイア」第9巻
7.「ヴァンパイア騎士」第7巻
8.「Bleach」第28巻
9.「フルーツバスケット」第23巻
10.「The Book Of Genesis」(R Crumb)


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という結果ですね。
ほとんどのお店で1位を取っている、「NARUTO」
第46巻が、いま現在北米で最も売れているマンガ
だと判断していいでしょう。
それを追うのが、「ロザリオとバンパイア」第9巻
ですか。


今回興味深いのが、ニューヨークのコミック専門店
Midtown Comicsのランキングですね。
「NARUTO」の1位はともかく、その他のラインナッ
プは様々な感じで面白いです。コミックファンとアニ
メファンが入り混じってるみたいな?
あ、例によってRight Stufは、Del Rey作品の全
品33%引きセールス中なので、こういう偏ったラン
キングになっています。「さよなら絶望先生」第6巻
なんて、2010年4月発売予定なんですが(笑)。


posted by mikikazu at 08:07 | TrackBack(0) | 海外情報(北米) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年10月18日

「仮面ライダー龍騎」の海外向けリメイク「Kamen Rider Dragon Knight」、中南米での放送予定地域広がる


今日は地域を分けて、もう一つ「仮面ライダ
ー龍騎」の海外向けリメイクである「Kamen
Rider Dragon Knight」(公式サイト 以下
KRDK)の海外情報を。
ドイツに引き続いては、中南米です。


製作会社のアドネス株式会社の公式サイ
には、「中南米各国で9月以降順次放送
開始」との記述があるんですが、その詳細
がわかりました。
現在までに中南米で「KRDK」を放送してい
るのは、ブラジル(Rede Globo、Cartoon
Network)とメキシコ(Televisa)になるん
ですが、

WorldScreen.com 2009年9月24日付け記事
"Adness Lands Pan-Regional Licensing
Deal with Panini"

によると、アドネスと、イタリアに本拠を置き、
ヨーロッパや南米で広く展開しているPanini
グループ(公式サイト)が、中南米地域での、
「KRDK」シールやトレーディング・カードなど
の製造・流通ライセンス契約を結んだと伝え
られていて、この中で、アルゼンチン、チリ、
コロンビア、ヴェネズエラ、エクアドル、中央
アメリカにカリビアン諸島といった、具体的
な国名が、2009年から2010年にかけての
放送予定地域として挙げられていたんですね。


北米と比較すると、南米での「KRDK」の人気
は高いようですし、これらの地域でも成功すれ
ば、続編や映画版への可能性も高まるかもし
れません。
ただしその場合、登場人物や舞台が、南米の
それに変わったりするかも……?


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南米といえば、ブラジルでは第28話までが地
上波のTV Globoで放送されたのに続いて、
ケーブル・衛星局のCartoon Networkでも、
10月7日からの放送が始まっているんですが、
時間帯が夜になったことで、さらに幅広い層
での人気獲得が期待されています。


そういった期待を示すものとして面白いニュー
スだったのが、「KRDK」が「ドラゴンボール」と
合わせて、ブラジルの学校用品のキャラクター
として、広く用いられている、というものですね。

JBOX.com 2009年8月30日付け記事
"Volta às Aulas com Dragon Ball Z e
Kamen Rider"


同 2009年10月14日付け記事
"Kamen Rider Ganha Linha de Material
Escolar Pela Pacific"


を見ると、ノート、バックパック、文房具入れ?
といった商品が用意されているのがわかります。
他にランチ・ボックスなどもあるようですね。
こういうキャラクター商品展開は、上手くいけば
利益も大きいと思います。


PlayArteによるブラジルでの「KRDK」DVD
リリースも既に始まっていて、ポルトガル語
Wikipedia
によれば、

9月16日発売
・第1巻(第1〜4話)
・第2巻(第5〜7話)

10月12日発売
・第3巻(第6〜12話)
・第4巻(第13〜18話)
・第5巻(第19〜24話)

11月14日発売
・第6巻(第25〜30話)

というスケジュールになっているんですけど、
オンラインストアなどで確認してみると、現在
市場に出回っているのは、まだ第1&2巻だ
けのようですね。
実売価格は29.90レアルということで、約1590
円と、ドイツでの価格とほぼ同じですね。
それがこういう作品のDVDの、世界的な標準価
格なのかもしれませんが。
日本でのDVD価格はどうなるでしょう。


posted by mikikazu at 09:59 | TrackBack(0) | 「Kamen Rider Dragon Knight」情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「仮面ライダー龍騎」の海外向けリメイク「Kamen Rider Dragon Knight」、10月29日よりドイツRTL2で放送開始


かねてよりお伝えしている、「仮面ライダー
龍騎」の海外向けリメイクである「Kamen
Rider Dragon Knight」(公式サイト 以下
KRDK)の海外情報なんですが、今日はドイ
ツでの動きについて、少しまとめておきたい
と思います。


製作会社のアドネス株式会社の公式サイ
でも伝えられているように、ヨーロッパで
は初めてとなるドイツで、10月29日から、
民放局のRTL2での放送が、いよいよ始ま
ります。
他にヨーロッパで放送が確定しているのは、
イタリアの民放メディアセット・グループです
が(ソース・Global License 2009年2月
10日付け記事
)、地上波や衛星など、たくさ
んあるグループ内の、どのチャンネルでの
放送になるのかは、まだ不明です。


ともあれ、ドイツでの放送開始が迫っている
ということで、RTL2の公式サイト内にも、
「KRDK」の紹介ページが登場しました。
このページによると、放送開始は10月29日
(アドネスのサイトでは27日になっていまし
たが……)、月曜から金曜日の午後4時の時
間帯で、第1シーズンの全40話を放送する予
定、とのことですね。


あえて"Die 1. Staffel"(第1シーズン)とい
う記述があるのは、やはりヨーロッパでも、
Power Rangersのように、人気シリーズとし
て続いて欲しい期待があるのだと思います。
なので、この記述を根拠に、「第2シーズンが
決定している」と想像するのは、おそらく早計
でしょうね。
どういうペースで放送するのかは、まだわか
りませんけれど、毎日新作エピソードではす
ぐに終わってしまうので、それなりにリピートも
はさんでいくと思います。
予告編も置かれてはいますが、残念ながら中
身は英語版そのままです。英語版で放送する
わけではないでしょうけど……。


この放送開始の2週間後の11月13日には、
はやくもDVD第1巻(第1〜5話収録)がドイツ
で発売されます(ドイツAmazon)。
販売価格は10.95ユーロ(約1483円)と、か
なりお得ですね。
リリース会社は、EURO VIDEOです。


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ドイツでの「KRDK」のライセンスを獲得したの
は、ミュンヘンのm4e(公式サイト)という会社
で、同社のサイト内には、既に「KRDK」の紹介
ページ
が公開されていて、ドイツ・オーストリア、
スイスのドイツ語圏といった地域への商業展開
が示されています。
対象層は、8〜16歳の男の子、及びアクション・
ファン全ての世代、ということになっています。
6月29日付けのプレスリリース(pdfファイル)に
よると、2010年の春には、ナムコバンダイによ
るWiiとNintendo DSのゲームの発売も予定
されているようですね。
さて、ドイツでの反応はどうなるでしょうか。


・英語版ゲームの公式トレーラー




posted by mikikazu at 08:29 | TrackBack(0) | 「Kamen Rider Dragon Knight」情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年10月17日

ファンサブによるアニメ作品レビューについての、北米ニュースサイトAnime News Network編集者氏からの説明


当ブログ10月5日付け記事で、北米の大手
ニュースサイトであるAnime News Network
(以下ANN)が、北米で未ライセンスの、つま
り字幕付きで見ようしたら、違法なファンサブ
を利用するしかないと思われる作品を含む、
秋期新作アニメのプレビュー企画を進行して
いることが、問題視されているとお伝えしまし
たよね。


Twitterの方でも既報でしたが、その企画の
担当編集者であるZac Bertschy氏が、情報
サイトAni-Gamersが配信しているポッドキャ
ストの第21回
(10月15日配信開始)にゲスト
出演し、ANNによるプレビュー企画に対する
批判に応える形で、企画意図の説明を行って
います。
以下、ファンサブで作品を視聴していることを
否定しない上で語られた、Bertschy氏の主張
をまとめてみます。


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・北米のアニメファンのほとんど全てが、日本
 での放送直後にファンサブでアニメを見てい
 る以上、その現実状況には合わせなくてはな
 らない。

・他に合法手段で視聴するルートが存在しない
 作品の場合、やむを得ない。

・企画の目的は、ファンサブという手段の宣伝で
 はなく、作品内容そのものについて伝えること。
 ダウンロードのためのリンクなども紹介してい
 ない。

・レビューを掲載せず、日本での放送についての
 情報だけでも、結局ファンはファンサブで見て
 しまうのだから、同じこと。

・プレビュー企画を問題視しているのは、わずか
 な人達だけで、ほとんどのアニメファンは企画
 を支持し、毎回期待を寄せている。

・企画が、正規版DVD購入のためのガイドになっ
 たというファンもいる。

・名前は出せないが、たくさんの北米のアニメ業
 界の人からも、「企画を楽しんだ」との反応が伝
 えられている。

・年に2回(春・秋期)、それも、各作品の1話だけ
 なのだから、大きな問題ではない。

・現状のスタンスで、北米のアニメ業界とも良好な
 関係を保っている。ファンサブの1話くらいは、
 現実的妥協の範囲内。

・ANNは日本のアニメスタジオとも親密な関係を
 築いているが、自分は部署が異なるので、詳し
 いことはわからない。 

・プレビュー企画のページからの広告収入は微々
 たるもの。メインの収入は、ニュースやエンサイ
 クロペディアのページから。

・ファンサブを利用しているメディアはANNだけ
 ではない。
 AnimeOnDVD(現Mania.com)のフォーラム
 には、ファンサブで見た作品について語るスレ
 ッドが存在しているし、そのページからの広告
 収入を得ている。
 雑誌OTAKU USAにしても、北米でまだ正規リ
 リースされていない作品のレビューが掲載され
 ていたことがある。
 ファンサブを利用せずに、アニメ関連のメディア
 を運営するのは、現実的に無理。

・個人的には、ファンサブでアニメを見るのは大
 嫌い。全ての作品が、日米で同時配信される
 日を夢見ている。


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という辺りになると思います。
担当編集者であるBertschy氏の側のスタンス
が明確にされたことで、さらに議論が発展して
いくと思います。
とりあえず現状としては、ANNは今後も、例え
存在それ自体は違法であっても、ファンサブを
利用したプレビュー企画を、定期的に続けてい
く模様ですね。


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ポッドキャストの会話の中では取り上げられ
ませんでしたが、ファンサブを利用してレビュ
ーを行う上での問題点のひとつは、法的・倫
理的な面以外に、純粋な作品批評という面か
ら指摘せざるを得ない、「アマチュアによる翻
訳で作品を評価するのは、作品に対してフェア
だろうか?」ということだと、個人的には思っ
ています。


日本でも、外国映画について論じる映画評論
家さんはたくさん存在していて、彼らの全てが、
外国語に堪能だというわけではありませんよね。
せめて自分が専門とするジャンルにおいて堪能
であれば、ベストですけど。
そういった人達の鑑賞は、翻訳字幕に頼るもの
になるわけですが、それでも作品批評という行
為が成立・確立しているのは、翻訳家に対する
信頼があるからだと思います。
プロの翻訳家が、可能な範囲で、作品の中の台
詞を正しく伝えてくれているという大前提が存在
しているからこそ、外国映画の批評もまた成立
するわけです。


アニメのファンサブの場合、翻訳しているのは
匿名のアマチュア個人あるいはグループです。
その出来は様々で、時にプロの仕事よりも正確
だと評されることもあれば、ネットに流す速さを
競うばかりに、杜撰な結果になることもあります。
ただ共通するのは、匿名かつアマチュアという
立場で行っている以上、翻訳の出来や道義的な
結果に対して、責任を取る必要がない、というこ
とですね。


日本の映画界でも、プロの翻訳家による字幕翻
訳が批判にさらされることがあります。
それは逆に言うと、それだけプロの仕事には責
任が伴われて然るべきだし、実際ほとんど全て
のプロフェッショナル翻訳家さんは、責任に見合
うだけの仕事をきちんとされていると思います。
されているからこそ、映画評論家も、自分が理
解していない言語で語られる外国語映画につい
て、安心して批評が展開出来るわけです。
それだけの信頼を、アマチュアによる翻訳でし
かないファンサブに寄せていいとは思わないし、
そういったファンサブに頼って作品評価を下す
ことは、作品に対してフェアではないと考えます。


posted by mikikazu at 11:32 | TrackBack(0) | ファンサブ/スキャンレーション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年10月16日

マンガ・スキャンレーションの歴史(90年代から現在まで)


Brigid AlversonさんのMangaBlog経由で
知りましたが、僕もその膨大なテキスト量に
驚いたのが、マンガ情報サイトComiPress
が、本サイトの活動休止と合わせて発表した
新しい企画の、Inside Scanlationです。


スキャンレーション scanlationは、ご存知
のように、マンガを権利者の許可を得ずに
翻訳したものですね。アニメの場合はファン
サブ fansubです。
ファンサブと同じく、ネットの普及と共に、海
外のファンの間で、自国では出版・放送され
ていない作品・エピソードを手に入れる手段
として重宝されてきましたが、一方でその違
法性・市場に与える功罪についても、議論が
あります。


このInside Scanlationの目的は、賛美や
批判ではなく、客観的にスキャンレーション
について考えるためのデータを提供していく
こと、だそうです。
ざっとコンテンツを見渡しても、歴史や用語・
技術解説、主要スキャンレーション・グルー
プの紹介、メンバーへのインタビュー、歴史
的資料(出版社からの警告文・事件解説)な
ど、膨大な量です。
賞賛するにせよ批判するにせよ、対象につ
いてよく知ることは必要ですから、その理解
のためのリソースとして役立つことは、間違
いないでしょう。じっくりと読んでいきたいと
思います。


まず目を通してみたのは、Historyのコーナ
ーで、90年代から現在にかけてのスキャン
レーションの歴史を、大まかに三世代に分
けて解説していました。
テキストだけをA4用紙に印刷してみても、
20ページになってしまう、とてもボリューム
のあるコーナーですけど、スキャンレーショ
ンの歴史を俯瞰する一助になると思います。
その全てを紹介するのは無理ですが、簡単
に各年代の大きな動きだけまとめてみますね。
原文には、スキャンレーション・グループ名
や個人名も細かく記載されていますけれど、
ここでは紹介しません。


short_g.gif


・90年代

個人や小さなグループで、マンガのファン翻
訳は既に行われていて、ファンサブがVHSテ
ープでやりとりされていたように、スキャンに
ついてもCD-Rに焼かれて、普通の郵便で送
られることもあったよう。
ネットが広まり始めると、オンラインでのやり
取りも始まり、この頃のスキャンされていた
作品として、

「らんま1/2」
「きまぐれオレンジロード」
「ドラゴンボール」
「X」(CLAMP)
「魔法騎士レイアース」
「ふしぎ遊戯」
「美少女戦士セーラームーン」
「スレイヤーズ」
「幽遊白書」

などが挙げられている。
当時の目的としては明確に、日本国外では入
手出来ないマンガ作品を紹介すること、とされ
ていた。


スキャンレーション scanlationという言葉
が定着したのは2000年頃で、それ以前は
"fanscan"、"fanscanning"、"fan-lettering"
という表現もあったよう。


・2000〜2001年

この頃までに、それまで個別に活動していた
スキャンレーション制作者の組織化が始まり、
4月には初めての、現在と同じような形のス
キャンレーション・グループが誕生する。
手がけた最初の作品は「D・N・A²」「I"s」
「ラブひな」。メンバーの数はすぐに30人ほど
に到達。
刺激を受けて、同様のグループが次々に立ち
上げられていく。
この頃のコミュニティは、IRCチャンネルをメ
インに構築されていた。スキャンレーションの
ダウンロードも、そこで行われる。


90年代後半からの、第1世代に属するこの
頃のスキャンレーション・グループ間では、
「ライセンスされた作品のスキャンは取り下
げる」「他のグループがスキャンしている作
品には手を出さない」という暗黙の了解が
成立していた。
一方で、スキャンレーション技術の向上と共
に、市場に与える悪影響についての懸念も
生まれてくるようになる。



・2002〜2003年

ネットのブロードバンド化の浸透、アメリカ国
内でのアニメ・マンガの認知度の高まりによ
り、スキャンレーションの人気と需要も一気に
増加する。
スキャンされる作品の数・ジャンルは爆発的
に増え、日本マンガだけではなく、韓国マンガ
の翻訳も始まる。
逆に、アメリカで出版された英語版マンガを
ヨーロッパ向けに翻訳するグループも。
グループの数も増えていくが、同時にグルー
プ間での対立・抗争も起きる。


ファンサブと同様に、ダウンロードのための
ソフトとして、BitTorrentが活用され始める。


増加するグループ数に対応して、スキャンレー
ションの総合情報サイトが登場。コミュニティの
場は、それぞれのグループのサイトから、情報
サイトのフォーラムへと移り始る。
そういった、個々のグループにこだわらなくなっ
てきたのが、第2世代とされている。



・2004〜2005年

スキャンレーションされる作品の数はさらに増
加傾向。
新規参入者の急増により、かつての「手に入ら
ない未知のマンガ作品を紹介する」という意義
は薄れ、「タダのマンガを手に入れるため」に、
スキャンレーションの目的は変容していく。
前者の理由にこだわる第1世代と、スキャンレ
ーションが当たり前に手に入る時代しか知らな
い第2世代の対立も深まる。
マンガ情報サイトにおいても、スキャンレーショ
ンのリリース情報を扱うところと、そうでないと
ころに分かれる。
アメリカでライセンスされた作品でも、構わず
未出版巻・エピソードがスキャンされていく。


それまでは単行本なりを輸入しなくてはならな
かったRAW、つまり日本語のオリジナルが、ネ
ットを通じて簡単に入手出来るようになってくる。
単行本はおろか、連載されている雑誌が発売さ
れる前にリークされたものが流れてくることも。
結果として、質よりも、毎週のスキャン制作の
速さだけを競うグループも登場。翻訳者などの
スタッフの不足も。


IRC経由ではなく、直接スキャンレーションをダ
ウンロード出来るサイトが人気。
料金を徴収しているサイトに対抗するために、
同じスキャンが無料でダウンロード出来るサイ
トを立ち上げる行動も。
また、スキャンをCD-Rに焼いて、Ebayに出品
する者も現れる。



・2006年〜現在

この頃までに、始めた頃は大学生くらいだった
第1世代のスキャン制作グループの多くが消
える。
続く世代は、作業が簡単になってきたこともあ
り、かつてのような大規模なグループは作らず、
少人数で、少ない作品を手がけるように。


RAWを提供するサイトの登場で、スキャン制作
のスピードアップがさらに加速。
「Generation JUMP」とされる第3世代、少年
ジャンプの作品だけを手がけるグループが増加。
「NARUTO」だけでも、同じエピソードのスキャン
を毎週制作するグループの数が10を超える。
それに対抗して、速さよりも質を重視したスキャン
制作を目指すグループも登場。
人気作だけではなく、かつてのように「知られて
いない名作」の認知普及を目的に。ライセンスさ
れた作品にも手を出さない。


ダウンロードするまでもなく、ウェブ上でそのまま
読めるスキャンレーションを提供するサイトが普
及していく。
他人の作ったスキャンを掲載し、広告収入を得る
手法に批判も。


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とりあえず要所だけですが。
今回のInside Scanlationの立ち上げで
驚いたのは、Marco Paviaさん(TOKYOPOP)、
Simon Jonesさん(Icarus Publishing)
さんといった、北米のマンガ出版社の人も、
スキャンレーションをテーマにしたインタビュ
ーに答えていることですね。
「どうしてスキャンレーション制作に対して、
法的措置を取らないのか?」という質問には、
両者が口を揃えて、「そんな経済的余裕がな
いから」と答えています。


ちなみに、歴史的に確認出来る最も古いファン
翻訳のひとつとして、フレデリック・ショットさん
をメンバーに含んだDadakaiによる、77年の
「火の鳥」のケースが紹介されていましたけど、
ショットさんによれば翻訳に際して、手塚プロか
らはきちんと承認を得たそうですから、現在の
無許可スキャンレーションと同じものとして語る
ことは出来ないと思います。
というのも、スキャンレーションのエクスキュー
ズとして、「今は研究者として評価されている
フレデリック・ショットだって、かつてはスキャン
を作っていた」というコメントが、時々出される
ので。


posted by mikikazu at 10:37 | TrackBack(0) | ファンサブ/スキャンレーション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年10月15日

イタリアでの原作コミック「ARIA」出版は、10月21日より再開/アニメ版第1期の反応は



帰省をはさんだりで、タイミングとしてはずい
ぶんと遅れてしまい申し訳ないのですが、
まず先に、お薦め記事のご紹介です。
いつもお世話になっている、サイト「白い空」
のかざみあきらさんが、9月27日に高田馬
場の「東京コンテンツプロデューサーズ・ラボ
(TCPL)」で開催された公開プレ講座「世界か
ら見た日本コンテンツ、その強みとは?」の
レポート
を掲載してくださっています。
僕なんかとは違い、現地での経験・取材も豊
富なお二方のお話は、とても興味深い情報で
満載だったようですね。かざみさんの感想も
含めて、色々と勉強になります。


下記のイベントも、ホントはとても行きたかった
ところなんですけど。関東に引っ越そうかな?

アニメ!アニメ! 2009年10月14日付け記事
「海外で成功する日本アニメをテーマ 
 TIFFCOMセミナー開催」



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さて本題。
以前にも少し触れた話題ですが、公式な日付
と詳細が確定したので。
Star Comics社(公式サイト)による、イタリア語
版「ARIA」(天野こずえ)の出版は、2006年10月
に始まったんですが、2007年7月に出版された
第8巻を最後に、もう2年以上、ずっと休止され
ていたんです(あ、「AQUA」も第1巻が2006年
12月、2巻が2007年1月に出版されてます)。
それが今年の4月になってやっと、秋からの再
開が発表されたんですね。
Star Comics公式サイトの10月12日付けニュー
で詳細と、カバー絵が確認出来ます。


使用されているイラストは、日本版の9巻そのま
まなんですが、右上のH〜Iという表記に、気づ
きますよね。
これまでのイタリア版「ARIA」は、日本版と同じ体
裁で1巻ずつ出版されてきたんですが、9巻以降
については、2巻分を合わせた、合本の形で出版
されるんです。
10月21日に、日本版の9巻と10巻を合わせた版、
そして12月に、11巻と最終巻である12巻を合わ
せた版が、発売されるスケジュールです。
価格は、これまでが1巻で4.2ユーロ(約560円)
だったのが、2巻分合わせての厚さでも7ユーロ
(約933.8円)と、ちょっとお得になっています。


とはいえ気になるのは、第10巻と第12巻の表紙
の扱いですよね。
特に第12巻は最終巻ですから、イタリアの人に
も、美麗なカラー絵で見て欲しいのですけど。
この2年以上の休止と、合本での出版再開は……
日本側との契約問題とかじゃなければ、やはり
セールスがイマイチだったから?とは想像して
しまいます。
それでも、打ち切りじゃなくて、最後まで出版し
てくれることになったのは、素直に嬉しいです。


この第9&10巻と合わせて、今月はアニメ版
第一期の「ARIA The Animation」のBOXセット
(DVD3枚組で全13話収録。イタリア語吹替あ
り。リリース元のYAMATO VIDEOによる詳細)
も、21日か29日に発売されますので、イタリア
の「ARIA」ファンにとっては、楽しい月になりそ
うですね。
タイトルはシンプルに「Stagione 1(シーズン1)」
となっていて、特典として、キャラクター・カード、
ブックレット、そして「settei originali」という
のは……オリジナル設定集でいいんでしょうか。
定価は49.99か50ユーロ(約6700円)。それより
1割引くらいの実売価になると思います。


以下のクリップは、YAMATO VIDEO提供の
公式トレーラー各期編です。
特に「NATURAL」編でたっぷり聞けますが、
みんなのイタリア語台詞も、背景の雰囲気と
マッチしていて、とてもいい感じだと思います。
すごく可愛いです。Bravissima!
イタリア語で喋る、若い元気な女の子達なら、
こんな風になるんだろうって納得します。
アリア社長の「ぷいにゅ」はそのままですね。
って、訳しようがないですけど(笑)。


「ARIA The Animation」編




「ARIA The NATURAL」編
(東京国際アニメフェア2006で初上映された、
プロモーション映像「その 再び出逢える奇跡に…」
のイタリア語吹替版)




「ARIA The Origination」編





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さらに加えてこの第一期アニメの、イタリア
のデジタル地上波局Rai4での放送ですが、
10月3日から無事に始まっていて、局の公式
サイト内に、番組紹介コーナーも出来ました。
今週は第3話、そして来週は第4話の放送で
すね。時間帯は土・日曜の朝、7時〜9時台です。
イタリア国内であれば、この公式サイト上でも
Rai4の番組は視聴出来るのですけれど、日本
からは、残念ながら出来ません。


イタリアの人の反応はというと……、例えば
他でもない、Rai4公式ブログ9月28日付け記
のコメント欄を読むと、「土・日の朝だけど頑
張って6時半に早起きして見ている」、あるいは
「どうして朝しか放送しないの?」、という意見
はあるようですね。
そういう意味では、ちょっと厳しい時間帯かも?
リピートがあるのは救いでしょうか。「コードギ
アス」
なんかは、リピートがないことへの不満が
伝えられていますし。


他に、MTVイタリアのフォーラムニュースサイト
NANODAのフォーラム
でも、「映像は美しいが
寝そうになった」という反応が多いですね。
放送時間的なことと、雰囲気重視の作風を合わ
せての反応みたいですが……。
ただ、全三期53話の長いシリーズだとも知られ
ているので、これからどう物語が動いていくのか、
しばらくは様子見、という方もいます。


このRai4での放送が好評だったかどうかは、
既にYAMATO VIDEOがイタリア国内での権利
を獲得している、第2期「The NATURAL」、
第3期「The Origination」を続けて放送し
てくれるかで、判断出来ると思います。
以前の放送局RaiSat Smash Girlsは、局自
体が無くなってしまったので、その辺の想像が
結局出来ませんでしたから。


posted by mikikazu at 09:36 | TrackBack(0) | 「ARIA」シリーズ情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年10月14日

ANIME 3000ポッドキャスト最新回のテーマは「アメリカのマンガ業界」


アメリカのアニメ/マンガ/ゲームの情報・レ
ビューサイトAnime 3000が定期的に配信
しているポッドキャストの最新回である、
シーズン2・エピソード6(10月9日配信開始)
は、"Manga Industry"というタイトルが示
すように、アメリカのマンガ業界・出版状況に
興味がある方には、必聴の内容だと思います。


サイトのオーナーである、フロリダ在住の
Sean Russellさんがホストを務めているこの
ポッドキャストの今回のゲストは、Vertical
Inc.(公式サイト)のマーケティング・ディレク
ターであるEd Chavezさん、TOKYOPOP
(公式サイト)のシニア・エディターである
Lillian Diaz-Przybylさん、そして昨日も記
事をご紹介した、お馴染みManga:about.com
のDeb Aokiさん。
当然のことながら事情について詳しいお三方
によって、アメリカのマンガ出版における、流
通・マーケティング・プロモーション・市場開拓
といった、ビジネスに関わるお話が、1時間た
っぷり聴けます。


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まず最初に語られたのが、同じマンガを扱って
いる出版社であっても異なる、TOKYOPOPと
Verticalの主な流通経路です。
前提として、返品の出来る一般書店では、ここ
2年程返本率の上昇が問題となっており、返本
の出来ないコミック専門店でも、コミックと比較
して単価の高いマンガはリスキーだとも思われ、
仕入れにも慎重になっている、という全体状況が
説明されました。


TOKYOPOPの商品の50%以上が売れている
のは、大手の一般書店チェーンであり、Amazon
などのオンラインストアでの売り上げは小さなも
のだとか。
その理由をLillianさんは、TOKYOPOPの出版
しているマンガを読んでいるのは、主にまだクレ
ジット・カードを使えない10代の子供達であり、
親のカードを頼ったりしない限りは、オンライン
ストアを積極的に使うことはないからでは、と解
説します。


一方のEdさんによると、Verticalの場合は、
全く逆とまではいかなくても大きく状況が異
なっていて、Amazonでの売り上げは、とても
大きいそうです。一般書店での扱いは少なく、
Diamond Comic Distributorsを通したコ
ミック専門店の方が大きい。
Amazonでの扱いが大きい理由としては、
Verticalの書籍は小説やパズル・ゲームなど
も含めて購読者の年齢層が高く、クレジット・
カードの所有者が多いこと、オムニバス版(日
本版の単行本数冊分を一冊にまとめたもの)
での出版が多いマンガの場合は単価も高く、
一般書店よりは値引率のいい、Amazonを利
用したがるのではないか、とEdさんは考えてい
るそうです。


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続いてはマーケティング。
Lillianさんによれば、正規商品が発売・出版
される前に、ファンサブやスキャンレーション
によってファンダムが構築されてしまっている
アメリカでは、企業や商業広告に対する反感
や抵抗も強く、マーケティングするには、とても
難しい対象だとのことですね。
ファンから搾取していると糾弾されるほどの大
儲けをしているわけでもない、「ほとんどのマ
ンガ出版社の規模の小ささを見れば、アンチ
企業活動なんて、的外れだと理解出来そうな
ものだけれど」というコメントを溜息まじりにさ
れていました。


マーケティングの難しさということで、具体的
に例に出されていたのが、TOKYOPOPの
「学園アリス」(樋口橘)ですね。
ご存知のようにTOKYOPOPの圧倒的な稼ぎ
頭は「フルーツバスケット」(高屋奈月)でした
が、日本では2006年に既に完結しています。
アメリカでは、単行本の出版間隔を広げるな
どの努力も費やしていましたけど、どうやって
も今年2009年には、最終巻である第23巻を
出版しなくてはならなくなり、「フルバ」の穴を
埋めるヒット作が求められていました。
そこで白羽の矢が立てられたのが、「学園アリ
ス」だったんですね。アメリカでの英語版出版
前にも、ポスト「フルバ」として期待する声を、
コンベンションのTOKYOPOPのパネルでよく
目にしましたし(実際に行ったわけではないので、
レポートされている発言を読んだ、わけです)、
プロモーションなども大々的に行われていたよ
うです。


なので、出版開始後は、各種の売り上げランキ
ングも注視していたんですが、まったく売れて
いないというわけではないにしても、とても「フ
ルバ」の地位には届きそうにもない順位でしか、
その姿を見なかったんですね。「フルバ」は新刊
が常に1位を獲得していましたけど、「学園アリ
ス」の場合は、トップ10入りしたようなことは、
まったくなかったと思います。
英語版「学園アリス」は、現在第9巻まで出版
されているのですが、悪い売り上げではないけ
れど、マーケティングに投じた費用に見合う結
果ではなかったという失望を、Lillianさんは、
今回はっきりと認めています。日本側(白泉社)
の期待も満たせなかったと。
「フルバ」クラスのヒットになれば、日本側への
ロイヤリティも大きいでしょうし、当然の期待だ
ったろうとは思います。


逆に、マーケティングにはそれほど力を注がな
かったにもかかわらず、意外な今年のヒット作
となってTOKYOPOPを驚かせたのが、「ブラッ
ディKISS」(古都和子)です。
ニューヨーク・タイムズのマンガベストセラー
ランキングにも、複数回ランクインしていまし
たよね。
考えてみれば吸血鬼ものというジャンルは、
「かりん」「ヴァンパイア騎士」「ロザリオとバン
パイア」といった作品が現在進行形で大ヒット
中であることからもわかるように、アメリカでは
売れ筋なのですから、同じ吸血鬼ものの「ブラッ
ディKISS」が売れても、おかしくはないわけです。
マーケティングが少なかった分、口コミでその
人気が広められたのだろう、というのがDebさん
の推測ですね。


個人的な見解を述べると、「フルバ」の後釜とし
ての「学園アリス」が受け入れられなかったのは、
やはり高校生主人公の「フルバ」から、小学生
主人公の「学園アリス」に、そのままの読者層
が移行することはなかった、ということかもと想
像します。
「学園アリス」も、これはこれで可愛らしい作品
ですけど、小学生の子供のお話ということで、一
度「フルバ」の大人びた洗練を経験してしまった
人には、ちょっと無邪気過ぎるかな、と。
今年6月からやっと始まった、アニメ版の正規
リリース(公式サイト)が、いい意味で影響する
可能性は……どうでしょう。


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長くなってきたので以降は端折りますが、
その他語られたのは、

・アニメとのタイアップ、クロス・プロモーション
・アニメコンベンションでの企業ブースに必要な
 予算とその効果
・新規マンガ読者の開拓(アニメファンの取り込み)
・日米同時出版・配信の未来

などで、続いてファンから寄せられた質問として、

・学校図書館との関係を活用しているか
・スキャンレーションはすぐにネットに流れる
 のに、どうして正規の翻訳出版には、いつも
 時間が長くかかってしまうのか
・TOKYOPOPは、何故OEL Manga(非日本人
 作家による作品)をプッシュしているか
・TOKYOPOPが紙媒体での出版を打ち切った
 作品が、オンライン配信で復活する可能性は
 あるか
・どうしてアメリカのマンガ出版社は、もっと広告
 を出して宣伝しないのか
・翻訳の際の基準のようなものはあるのか

などに、丁寧に答えられていました。


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そうそう、マンガではないんですが、アニメ関連
で、ひとつだけ追記です。
Edさんが、日米での同時出版・配信の話題の時
に少しだけ言及したんですけど、日・米・韓でほと
んど同時放送された、「黒神 The Animation」
(日本公式サイト)という作品についてです。
今ネットで盛んになってきた同時配信で流されて
いるのは、ほとんどみな、オリジナルの日本語音
声に、字幕を重ねたものですが、この「黒神」に
ついては、各国語での吹替版が放送されたんで
すね。
で、Edさんによると、アメリカ側でプロデュースし
たBANDAI ENTERTAINMENTに台本が届け
られるのは、日本でのアフレコ収録が終了した直
後だったんだそうですね。今はネットで送れます
から、文字通り直後なんでしょうけれど。


この送られてくる台本が、日本語のままなのか、
それとも英語に翻訳されているものかはわかり
ませんけれど、仮に後者だとしても、翻訳をその
まま英語吹替には使えませんよね。
何故なら、そのままでは、キャラクターの口パク
に合いませんから。
ADR(additional dialogue recording)に
おいて最も難しい作業のひとつが、この口パク
に合わせて、あらためて台詞を調整することです。
オリジナルの意味から外れ過ぎてはいけないし、
かといって、英語のセンテンスとして、不自然な
切り方になってもいけない。日本語の台詞の長
さと同じ長さで、同じ意味の英語表現が常に見
つかればいいですけど、語学の神様はそんなに
寛容じゃありません。
日本でアフレコが行われるのは……早くても放
送の数週間前でしょうか? それから台本が送
られてきて、必要なら翻訳し、口パクのタイミン
グに合わせて台詞を考案・調整し、そしてキャ
ストを集めて収録し、という作業を毎週続ける
わけです。Edさんが「クレイジー」と言うのもわ
かります。


あ、アメリカのアニメ吹替においては、合理化
もあって、各キャストが個別に、複数話分をま
とめて収録していくのですけど、この「黒神」の
場合は、きっと日本方式の、1話ごとにキャスト
が全員集まるものですよね。そういう点でも、
コストが高くついたと思います。
今後、この吹替版による世界同時配信が普及
するかどうかはわかりませんが、正直、かなり
無理がありそうですね……。


posted by mikikazu at 09:34 | TrackBack(0) | 海外情報(北米) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年10月13日

アメリカ・VIZ Mediaがオリジナル・コミック企画の募集を再開


というわけで、帰ってきました。
帰省していた、高知県の実家にはネット環境
がないので、色々ニュースが溜まっているよ
うですね。
ぼちぼち片付けていくとして、まず目についた
のが、アメリカ・サンフランシスコに拠点を置く
VIZ Media(公式サイト)が、オリジナル・コミッ
ク企画の募集プログラムを再開した、という話
です。
この企画は、2008年に一度立ち上げられて
いたんですが(参考・ICv2 2008年7月14日
付け記事
)、2009年2月に行われたリストラで、
そのオリジナル・コミック部門担当副社長の
Marc Weidenbaum氏が退社したことにより、
どうなったんだろうと、ずっと懸念されていまし
た。幸いにして、再開の運びとなったようですね。


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再開の証拠となったのは、VIZ公式サイト内に
用意された、提出ガイドライン文書なんですが、
目を通しても、提出する企画の扱いについての
取り決めや提出者の資格などが述べられてい
るだけで、プログラムに参加したいと思う人達が
一番知りたがっている、作品はどのような形で
いつ発表・出版されるのか、どのような作品が
求められているのか、ということについては言
及がありません。
そこで、Manga:about.comのDeb Aokiさん、
Anime ViceのGia Manryさんがそれぞれ、
VIZ Mediaのシニア・エディターであるEric
Searlemanさんにインタビューを行い(Aokiさん
はメール経由)、その辺の詳細を訊ねています。


Manga:about.com 2009年10月9日付け記事
"Q&A: VIZ Media Talks About Relaunch
of Original Comics / Manga"

Anime Vice 2009年10月9日付け記事
"VIZ Talks Original Submissions"


当然、答えは両者で重なるんですが、まず応募
された作品の発表形態については、
・「あらゆる形を検討している」
発表時期については、
・「企画を立ち上げたばかりなので、まだ答えら
る段階ではない」
求めている作品のジャンル・種類については、
・「マンガに限らない、多様なクリエイター達に
よる広い範囲のコミック」「優れたコミック」
ということで、まあ正直、なにも具体的になって
はいない、という感じですね。
逆に言えば、優れたコミックであるなら、なにを
描いてもいい、とも受け取れます。


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興味深いのは、VIZ Mediaは日本製マンガ・ア
ニメの出版・流通会社なのに、この募集企画が、
「マンガ」ではなく、「コミック」を謳っている点で
すね。
「マンガ、あるいはマンガのように見えるだけの
ものを求めているのではないのです。誰にも、
どのような形でも、制限を設けたくはありません。
私達はただ、良いコミック作品を探しているので
す。それだけなんです」
というのが、その点についての、Searlemanさん
の説明ですね。


これは、講談社が開催している「モーニング国際
新人漫画賞」(公式サイト)の英語名称が、第1〜
3回の
「Morning International Manga Competition」
から、
「Morning International Comic Competition」
へと、今年の第4回から変更された理由(の想像)
と同じではないかと思います。
つまり、企画に「マンガ Manga」と冠してしまうと、
一生懸命にマンガ・スタイルを模倣しただけの
作品ばかりが集まってしまう危惧があるのでは
ないか、ということですね。
なにが「マンガ」で、なにが「コミック」かというと、
線引きは曖昧になるでしょうけれど、「Mangaを
募集しているのだから、マンガ・スタイルで描か
なくてはならない」という制約を与えず、もっと
自由な創造性の展開を期待しているのでしょう。


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もうひとつのポイントは、この募集は完成作品を
求めているのではなく、あくまで粗筋と、完成さ
せた原稿を3ページ、それにキャラクター・デザイ
ン集といった、「企画」を求めていることですね。
日本のマンガ・コンテストや原稿持ち込みの場
合だと、とりあえず最初は全ページを最後まで
仕上げた、完成原稿を提出するのが普通だと
思います。
ところが、このVIZのオリジナル・コミック・プログ
ラムは、そういった企画だけで採用を検討し、
あとは実制作の初期段階から、編集者による綿
密な指導・打ち合わせを重ねていく方針になって
います。
日本のマンガを、世界のマンガ・コミックと比較し
た時の最大の違いは、編集者が深く関わった、
その制作システムにあるとは、よく指摘されるこ
とですけれど、その「日本的システム」(と断言出
来るほどには、実は僕個人も世界のコミック制作
現場全てに詳しいわけではありませんが)を取り
入れてみようということですか。


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この件に関しては、例によってアダルトマンガ
専門出版社であるIcarus PublishingのSimon
Jonesさんがコメントを寄せていて(10月8日
付け記事
 10月10日付け記事)、描けるテー
マは限られてくるだろうけれど、「バットマン」の
倍の読者数の目に触れる、英語版SHONEN
JUMP誌(公式サイト)を活用すべきだと語って
います。
確かに、SHONEN JUMP誌は日本版「少年
ジャンプ」より、ずっと対象年齢層は低いので、
いわゆる「濃い」「とんがった」作品は載せづら
いかもしれませんが、それでも大きな利用価
値がある、ということです。


個人的には、SHONEN JUMP誌来年5月号へ
の掲載が予定されている(単行本は8月から)、
英語版「バクマン。」と合わせて展開したら、
このオリジナル・コミック企画も面白くなるかも、
と思ったりしています。
マンガ家2人組が主人公であり、ジャンプ編
集部が大きな舞台となっているこの作品によ
って、ジャンプのマンガ・コンテストにも、若い
人による応募が増えたと聞きますが、同じこ
とはアメリカでも起きるかもしれません。
そういう人達が目指せる夢というか、具体的
な目標を、他でもないSHONEN JUMPが提
示出来たら、色々盛り上がりそうですものね。
今後の展開に注目です。


posted by mikikazu at 09:52 | TrackBack(0) | 海外情報(北米) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年10月06日

イタリアMTVで、10月13日よりイタリア語吹替版「鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST」放送開始


先にお知らせです。
イギリスのアニメ・マンガ情報サイトAnimetion
の、共同編集長であるTom Phillipsさんを
筆頭にした皆さんが、現在日本に滞在中で、
その日々の模様をライブジャーナルで報告
してくれています。
昨日までは関西に滞在されていて、京都の
国際マンガミュージアム
、大阪・港区のサン
トリーミュージアムで開催中の「スタジオジブ
リ・レイアウト展」
、そして神戸・新長田の18
メートル鉄人28号モニュメント
など、精力的
に取材を続けられているようですね。
特にTomさんは、宮崎駿監督の大ファンとの
ことなので、ジブリのレイアウト展には、強い
感銘を受けたそうです。
僕もTomさんとは、メールで連絡は取れまし
たが、結局タイミングが合わずに、直接会っ
たりすることは出来ませんでした。ちょっと
残念です。
今日からは関東に移動して、三鷹の森ジブ
リ美術館
や、サンリオピューロランドなどを始
めとして、色々なところを訪問する予定だそ
うです。
関東での滞在予定は1週間ほどとのことなの
で、関東地方で興味のある方は、Tomさんと
コンタクトを取ってみてはいかがでしょうか。
「Ultimo Spalpeenで知りました」と伝えれば、
話は通ると思います。
Animetionの方々も、日本のファンと交流出来
たら、きっと楽しい思い出になると思いますし。
連絡については、Animetionスタッフ紹介ペー
に記載のメールアドレスで届きます。


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では本題として、イタリアからのニュースを。
イタリアMTVで、10月13日より、海外では
「Fullmetal Alchemist: Brotherhood」
と題されている(FMA:Brなどと略されることが
多いみたいです)、「鋼の錬金術師 FULLMETAL
ALCHEMIST」が、イタリア語吹替版で放送
されることが発表されています。

via・comicsblog 2009年9月30日付け記事
"Fullmetal Alchemist: Brotherhood su MTV -
Torna la Anime Night"


この「FMA:Br」の、Youtubeやアニメ専門局な
どでの、各国語版字幕によるネット配信・放送
は広く行われていますが、吹替版での放送は、
僕が知る限り、このイタリア語版が最速のひと
つだと思います。相変わらず、イタリアは動き
が早いです。
イタリアでも、Youtubeチャンネルと、MTV公
式サイト
でイタリア語字幕版エピソードが配信
されていますが、もちろん日本からの視聴は出
来ません。


MTVイタリアでの放送時間帯は、毎週火曜日
の午後9時で、以前に「DEATH NOTE」なども
放送されていた、日本アニメ専門のAnime
Night(公式ページ)という枠ですね。今回、
その呼称は使ってないかもしれませんが。
確か、つい最近まで「隠の王」「銀魂」などを放
送していて、少しお休みしていた後、また再開
の運びとなりました。視聴者からの、アニメを
放送して、という要望も強いんでしょうね。
今回のラインナップは、

21:00 ―― 「鋼の錬金術師 FULLMETAL
 ALCHEMIST」
21:30 ―― 「Black Lagoon」
22:00 ―― 「DEATH NOTE」

ということで、なかなか強力だと思います。
英語版吹替の評価がとても高かった「Black
Lagoon」なんかは、イタリア語だと、どんな感
じなんでしょうね。


また、このMTVサイトのアニメページでは、
以前MTVで放送したアニメ作品で、再放送
して欲しい作品は、という投票も受けつけて
いて、現時点でのその結果は、

「彼氏彼女の事情」 ―― 24033票
「GTO」 ―― 24025票
「スラムダンク」 ―― 12471票
「トライガン」 ―― 6222票

という、かなり興味深い結果になっています。
アクションだけではなく、ドラマ作品もちゃん
と受けるイタリアだからこその、「彼氏彼女の
事情」の人気でしょうか。


posted by mikikazu at 12:44 | TrackBack(0) | 「鋼の錬金術師」情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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