2009年09月30日

ニューヨーク・アニメ・フェスティバル情報 ―― 北米のアニメ・マンガ業界人によるディスカッション編


集中してお伝えしてきた、ニューヨーク・ア
ニメ・フェスティバル(公式サイト)の話題も、
とりあえず今日で一区切りにしたいと思い
ます。だいたい、主なニュースは伝えられ
たと思いますし。
あ、日本からの大物ゲストである、アイドル・
グループAKB48さんについては、実は今ま
でに1曲も、その歌を耳にしたことがないく
らいに知識がないので、申し訳ないけどスル
ーですね。訪米を待ち望んでいた人は、もち
ろんみんな大喜びだったみたいですけど。


NYAF運営側からのリアルタイム告知も含め
て、イベントの雰囲気がよくわかったソース
のひとつがTwitterで、例えばThe Anime
Almanac
のScott VonSchillingさんが、
有名ジャーナリスト・業界人・ブロガーさんに
よる呟きを、開催前日から、それぞれの日で
時系列順にまとめてくれているので、読んで
楽しかったです。
エリカ・フリードマンさんがDeb Aokiさんと
たまたま会って、アニメ/マンガ・ジャーナリ
ズムについての楽しい会話が弾んだ、なんて
いう報告は、ぜひその内容を知りたいですね。
ああ、あとScottさんも、AKB48のパフォーマ
ンスが見られて、「もうこれで死んでもいい」
くらいに感動されたそうです。日本に住んじゃ
いましょう、Scottさん。


残念ながら、という声が多かったのは、他でも
ない現地ニューヨークの会社である、Yen Press
(公式サイト)が、パネルでもブースでも参加
していなかったことみたいです。
出版人であるKurt Hasslerさんは、会場に
顔を見せていたようですけど。
ADVからYen Pressに移って出版が再開され、
セールス的にも絶好調な「よつばと!」のお話
なんかを、聞きたかった人はたくさんいたでしょ
うね。


そうして結局、今年のNYAFの入場者者数は、
2万1388人ということで、昨年の1万8399人
から、さらに16%の増加率ということですね。

MediumAtLarge.net 9月27日付け記事
"21,388 – NYAF By The Numbers"

昨年の前年比24%増加に続いて、不況をもの
ともせず、二ケタ成長が続いているのはスゴい
ことだろうと思います。
アニメコンベンションに参加する人を、アニメ・
マンガのファンと称していいのなら、アメリカ
でアニメ・マンガのファンは増え続けている、
人気は高まり続けているということの、証明の
ひとつとしていいでしょうね。


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で、今日の本題というわけで、そうやってコン
ベンションの参加者数は増え続けている、アニ
メ・マンガのファン層はアメリカで着実に構築
されつつある――のに、アニメDVDは売れない、
という溜息と困惑が伝えられていたのが、NYAF
2日目・9月26日土曜日の午後1時半から行わ
れたパネル、"State of the Anime & Manga
Industries"です。
これはタイトルそのままに、北米のアニメ・マン
ガ・ビジネスの当事者さん達が集って、市場の
現状を語り合うものですね。
参加者は――、

Adam Sheehan
(FUNimation シニア・イベント・マネージャー)

Keven Mckeever
(Harmony Gold マーケティング・コーディネーター)

Robert Napton
(BANDAI ENTERTAINMENT
 マーケティング・ディレクター兼マンガ部門
 エディター)

Ali Kokmen
(DEL REY マーケティング・マネージャー)

Ed Chavez
(Vertical マーケティング・ディレクター)

司会進行・Chris Mcdonald
(Anime News Network編集長)


といった方々でした。
アニメとマンガ業界からそれぞれ2人ずつと、
両方関わっている方がお1人、という構成で
すね。コンベンションでの業界パネルなんか
でも、お馴染みの方が多いと思います。
約1時間にわたって行われたこのディスカッ
ションの詳細については、Mania.comフォー
ラム
経由で知った、こちらで報告されていた
ので、ざっと目を通してみました。
直訳は無理ですが、北米のアニメ・マンガ業
界の現状がわかるような、目立つ意見の要
旨を、いくつか抜き出してみたいと思います。


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「アニメに限らない、DVD市場全体を見てみ
ると、不況や、他のメディアの登場と浸透に
より、ここ数年の下降傾向があり、アニメに
限定しても、DVDによるセールスが苦戦して
いるのは明らかだ。ずっと広く続いてしまっ
ている違法ダウンロードが大きな問題だと語
る最初の人間に、私がならなくてはいけない
ようだね」(Napton)


「アニメ・マンガのファン層は安定して育ちつ
つある。ただ、それがアニメDVDのセールス
には反映されていないんだ。マンガの方は、
当社(BANDAI)の商品については少なくとも、
好調ではあるけれど」(Napton)


「うち(Vertical)は、マンガ以外の書籍の方
を多く出版しているし、アニメについては全く。
けれど昨年度の業績は35%の伸びで、これ
は経済状況を考えるとスゴいことだった」
「だから全体的な、アジアン・カルチャーへの
関心は高まり続けていると思う」(Chavez)


「スキャンレーションやファンサブの問題が
ある」(Chavez)
「それについてはよく知らない」(Kokmen)


「アニメDVDの売り方は、単巻から13話入りの
BOXセットが主流になり、購買者も小売店もそ
れを望んでいるのだから、我々もそのトレンド
に素早く合わせなければならない」
「そのためには販売スケジュールや価格設定、
ライセンス料についても、これまでとは違うやり
方が必要」
(Sheehan)


「しかし日本では、いまだにDVD1巻に2話
しか収録していないDVDが売れているので、
権利者にBOXセットでの販売を納得させるの
はなかなかに難しい」(Napton)


「マンガのセールスがアニメほど落ち込んで
いないのは、やはりまだ、マンガは実際の印
刷物を手にして読みたい人が多いからではな
いか」
「DVDについては、大手の小売チェーンが多く
撤退してしまったが、マンガについては、まだ
それは起きていない」(Napton)


「北米のマンガ市場は、アニメのそれと比較
するとまだ歴史が浅く、飽和点に達しつつあ
るとしても、まだまだ多くの可能性を秘めて
いるのではないか」(Chavez)


「ネットでの同時配信は、間違いなく今後も
続いていくトレンドであり、全ての会社が、
日本で放送されたのと同時に見たいというフ
ァンの希望をかなえるために努力をしている」
「しかしながら、今のところそれによって十分
な利益を得られているところはない」
「どこも、同時配信から利益を得る方法を模
索している」
「とはいえ、合法的に作品を視聴出来る方法
を用意しておくことは、とても重要」
(Napton)


「制作委員会方式が主流な現在では、権利者
全員の合意を得るにも時間がかかり過ぎるの
で、同時配信を可能にするためには、日本の
側の革新も必要」(Sheehan)


「作者が完成させた原稿を、そのまま印刷所
に運ぶような、ギリギリのスケジュールで作ら
れている連載マンガの場合は、日本と海外で
の同時出版・配信は難しいと思う」
「ネット配信のプロモーション効果も確かにあっ
て、日本ではモーニング2がネットでの無料配
信を始めたら、実際の雑誌の売り上げも伸びた。
まあ、そもそもそんなに売れていなかった雑誌
ではあるけれど」(Chavez)


「マンガの場合は、デジタル配信を読むため
のデバイスの発達・普及がまず必要だろう」
(Kokmen)


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という辺りになるでしょうか。
今は、DVDからブルーレイ、あるいはネット
配信といった、売り方そのものの過渡期の
中で、色々と各社の模索が続いているのが
わかります。


訳しませんでしたが、個人的な注目点として
は、Ed Chavezさんが、Verticalにマーケ
ティング・ディレクターとして雇われた理由と
して、目の前の会場に集まったアニメ・マン
ガファンを示したことがあります。
最新のマンガ作品を扱っているわけでは
ないVerticalは、アニメ・マンガファン間で
の知名度も高くなかったそうで、彼らに声を
届けるスポークスマンとして、MangaCast
代表として活躍していたEdさんが、まさしく
適任だったわけですね。
多くの北米のマンガファンが、「Edさんが言っ
ていることなら」と耳を傾けてくれるのは事実
ですし。
その人気が、これからもVerticalの手塚治虫
作品や、フェリーぺ・スミスさんの作品のため
に貢献してくれることを期待します。


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2009年09月29日

ニューヨーク・アニメ・フェスティバル情報 ―― 牧野由依さんとアメリカ・アニメ声優さんのパネル編


他の国からの情報が溜まりつつあるんです
けど(汗)、もう少しだけニューヨーク・アニメ・
フェスティバル(公式サイト)について続けます。
とりあえず現地では22時間ほど前に、大きな
問題はなく終了したようですね。
Kadokawa Pictures USAの閉鎖(公式サイト
参照 Anime News Network記事)の情報が
もう少し早く広まっていたら、パネルなんかで
も、質問が殺到してたでしょうけど。


週末くらいになれば、参加した東海岸のポッ
ドキャストさん達が、レポートを配信し始めて
くれると思います。
知っているブログさんだと、例えばManga Blog
のBrigid Alversonさんなんかは、9月28日
付け記事
によると、イベント自体は楽しんだ
ものの、会場であるJavits Centerには、

・建物の構造の不便さ
・建物の場所の不便さ
・コンセントなどの基本設備の不足
・食べ物の高さと、飲食店の無さ

などのたくさんの不満を感じたようですね。
「誰かの地下室を広げただけ」とまで言って
おられます(笑)。
次回のNYAFは同じ会場で、ニューヨーク・コ
ミコンと併催されるのですが(2010年10月8〜
10日)、それによる規模の拡大が、問題点を解
決してくれることを、Brigidさんは祈っています。


また、お馴染みYuricon代表のエリカ・フリード
マンさんも足を運ばれていて、Yuriconあるい
はその出版部門であるALC Publishingと
して、ブースやパネルを構えたりはしなかった
んですが、楽しい時を過ごされたようです
(個人ブログOkazu9月26日付け記事)。


エリカさんは会場で、複数の業者や業界関係
者さんと会話されたようですが、ここ数ヶ月の
売り上げはやっと上向きになってきたという
答えが多かった、とのことですね。
それは、他ならぬエリカさんの百合作品専門
出版社ALC Publishingでも同じだとのことで、
アメリカの不景気もついに底を打ち、またエン
ターテインメントにも、お金を出してくれるよう
になりつつあるのかもしれません。


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では本題。
NYAFで楽しみにしていたのが、9月14日付け
記事
でも触れましたけど、日本からのゲストで
ある牧野由依さんと、アメリカ側の声優さんと
の意見交換パネルですね。
"Japanese Seiyuu and US Voice Actors"
と題され、9月27日・日曜日の午後1時45分か
ら行われたそのパネルでの、アメリカ側からの
参加者は、

・Veronica Taylorさん
(Ash-日本版の「ポケモン」シリーズ・サトシ)
・Rachael Lilis
(Misty-日本版の同・カスミ)
・Tom Wayland
(ディレクター作品が多数)

といった方々でした。
採録はまだ見つかっていないんですけれど、
Anime News Networkがレポートを掲載し
てくれています。

Anime News Network 9月28日付けレポート
"Japanese Seiyuu & US Voice Actors"


やはりまず話題になったのは、日米での労働
状況の違いで、牧野さんが、典型的な日本の
アニメ吹替収録の場合は、午前10時から午後
9時まで、1時間の休憩を挟んでずっと続くと説
明するのに、アメリカの声優さんは大いに驚か
れたようです。
集団で行う日本と違い、アメリカ側の収録の
場合は、個人個人で行うので、実際に声を出
している時間は異なるでしょうけど。


またアメリカ側だと、「cold read」と称され
ているように、スタジオに来た収録当日に、
初めて台本とアニメの絵を見せられる場合が
ままあるのに対して、日本だと通常数日前には、
リハーサル・ビデオと台本が届くので、事前に
練習を重ねられる、と牧野さんが説明したのも、
大きな違いですね。
それに声優さんが個別で収録していくアメリカ
だと、日本のようには、声優同士でずっと時間
を共に過ごす機会がないし、結局顔を合わせる
こともないことがある、という話を聞いて、「寂し
くなりません?」と、つい牧野さんが質問したり
もしたようです。
あ、Lilisさんの答えは、「お互いに嫌い合って
るから、別に」というものでした。もちろん冗談で(笑)。


その他にも色々な意見交換が行われたようで、
楽しい時間を共に過ごされたようです。
完全版をいつか期待したいですね。


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2009年09月28日

ニューヨーク・アニメ・フェスティバル情報 ―― VIZ Media編


さらに引き続いて、ニューヨーク・アニメ・
フェスティバル(公式サイト)から、今度は
VIZ Media(公式サイト)の情報です。
VIZのパネルは、27日・日曜日の、午後0時
15分からでした。イベントも最終日の午後に
入って、そろそろ寂しい雰囲気になってたり
するでしょうか。


一番大きい話題としては、既にアジア地域の
展開は伝えられていた、「犬夜叉 完結編」が、
北米地域でも、ネット
(http://shonensunday.com/)
で英語字幕版が同時配信されると確認された
ことですね。

参考
・アニメ!アニメ! 2009年9月15日付け記事
「『犬夜叉 完結編』アジア各国で日本と同時
 展開決定」


細かい時間はわかりませんが(数時間後、との
ことです)、北米での配信開始は、日本テレビ
での放送と同じ10月3日からで、僕が住んで
いる大阪・読売テレビでの10月5日よりも早か
ったりします。
もちろん、日本での「少年サンデー」誌の連載
と同時に北米でネット配信されている、高橋留
美子さんの「境界のRINNE」と同様に、日本
からはアクセス出来ない筈です。
今回の放送は深夜枠ということで、日本国内
の放送範囲も、ずっと少なそうですけど、どう
でしょうか。


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新規にライセンスされたマンガ作品は、


「GENTE〜リストランテの人々〜」
 (オノ・ナツメ)
「図書館戦争 LOVE&WAR」
 (原作・有川浩/画・弓きいろ)
―― 2010年6月
「人形宮廷楽団」(由貴香織里)
―― 2010年10月
「神様はじめました」(鈴木ジュリエッタ)
「境界のRINNE」(高橋留美子)
―― 2009年10月に、日本と同時に単行本出版
「トリコ」(島袋光年)
―― 2010年6月
「ボブとゆかいな仲間たち」(パンチョ近藤)
「答えは3つ」(とんだばやし)


となっています。
現在SHONEN JUMPでも連載されている、
スタン・リー原作/武井宏之作画の「機巧童子
ULTIMO」の単行本は、2010年2月の予定とか。
「DEATH NOTE」コンビの作・大場つぐみ/作画
・小畑健による「バクマン。」の単行本は、
ず――っと先の、2010年8月からということ
ですけど、それまで日本での連載が続いてる
かというと?みたいな気もします。


あと、質疑応答で出た興味深い話は、

・「SHOJO BEAT」の休刊は不況のため。雑
 誌か単行本の新刊かの、どちらかを選ばな
 くてはならなかった。
・「NARUTO-疾風伝」のテレビ放送については、
 ディズニーに訊いて。
・ブルーレイへの移行はもちろん考えている。
・「NARUTO-疾風伝」のテレビ放送でカット・
 修正があるかどうかについては、ディズニー
 に訊いて。
・「NARUTO」のゲームについては、ナムコ・
 バンダイに訊いて。
・小説「灼眼のシャナ」についてはノー・コメント
 (噂が出回っているらしい?)
・「Bleach」のゲームについてはセガに訊いて。
・中断された「ヒカルの碁」DVDリリースの再開
 はない。
・Haikasoru(小説部門)の反応は良好。

辺りですね。
VIZなら、「NARUTO」絡みのことは何でも知っ
ている筈だと思われているようで、ちょっと気の
毒かもです(笑)。

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ニューヨーク・アニメ・フェスティバル情報 ―― マンガ出版社TOKYOPOP編


今日も引き続き、開催中のニューヨーク・
アニメ・フェスティバル(公式サイト)からの
話題ですね。
まずはマンガ出版社TOKYOPOP(公式サ
イト
)の、スケジュール表には掲載されてい
ませんが、9月25日に行われた筈のパネ
ルから。


新規にライセンスされたマンガ作品は、


「.hack//Link 黄昏の騎士団」
 (画・喜久屋めがね)
「僕が唄うと君は笑うから」(高屋奈月)
―― 2010年5月
「Ratman」(犬威赤彦)
―― 2010年5月
「聖痕のクェイサー」
 (作・吉野弘幸/画・佐藤健悦)
―― 2010年8月

・Blu boys-loveインプリントから
「CROQUIS クロッキー」(高永ひなこ)
―― 2010年
「Blood Honey」(夜桜左京)
―― 2010年
「LOVE KNOT」(一城れもん)
―― 2010年
「かわいい悪魔」(斑目ヒロ)
―― 2010年
「鎖国恋愛」(DUO BRAND)
―― 2010年


というラインナップになっています。
やおい/BLはまだまだ強いでしょうか。


2008年12月に、第4巻が出版されて以降、
続刊がずっと途絶えていた「ARIA」(天野
こずえ)なんですが、約1年ぶりの今年11月
3日に、やっと第5巻が出る予定ではある
ようです。
ただ、「Tactics」「V.B. ローズ」「エレメンタ
ル・ジェレイド」などと同じく、続刊が出るに
はサポートが必要、つまり売れ行き次第で、
シリーズの出版中断もあり得るという話で
すね。
NOZOMI ENTERTAINMENTからリリース
されているアニメ版(公式サイト)については、
第一期「The Animation」と、第二期「The
NATURAL」前・後のBOXセットが、売価37.49
ドル(約3350円)という、徹底した安値戦略も
あって、そこそこ売れているとは思うんです
けど、原作マンガについては、厳しい状況が
(アメリカだけでなく)続いてるみたいで、ファ
ンとしては残念です。


あと、ライトノベルについてなんですが、当然
翻訳量が違うので、出版のコストがマンガの
5倍かかる、という話も出ていました。
マンガと比較して、決して飛び抜けている作
品があるわけでもない、アメリカでの翻訳ラ
イトノベルのセールスを考えると、それがビ
ジネスを難しくしている要因のひとつではあ
るようですね。


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2009年09月27日

ニューヨーク・アニメ・フェスティバル情報 ―― アニプレックス・BANDAI ENTERTAINMENT編


さらにさらにさらに続いて、アニプレックス
(日本公式サイト)とBANDAI ENTERTAINMENT
(公式サイト)編ですね。


9月25日午後5時半からのアニプレックス
のパネルでは、特に新しい発表というものは
なく、
「鋼の錬金術師FMA」
「グイン・サーガ」
劇場版「天元突破グレンラガン 螺巌篇」
「かんなぎ」
「黒執事」
「センコロール」
「空の境界」
などの、既発表作品の予告編上映がメインだ
ったみたいですね。


ただし質疑応答で、後にネットで注目を集め
たのが、今回の「鋼の錬金術師FMA」は全63
話になる、という話ですね。
日本でどう情報が伝わっているのかはよく
知りませんけれど、前作同様に4クールの全
50話くらいと想像していた人は、結構驚いて
いるようです。
また、日本で「FMA」の視聴率が芳しくない理
由については、今の世代の視聴者は、テレビ
放送を生で見なくなっているから……とも答え
ています。テレビを見るスタイルの変化が影
響しているのだろう、ということですね。


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翌26日の午後0時15分からは、BANDAI
ENTERTAINMENTのパネルでした。
開口いきなりで、「不況の影響で、新規作品
の発表はありません」と宣言したようです。
人気作の筈の「コードギアスR2」や「ガンダム
00」セカンド・シーズンでも、もう利益が見込
めないので、BOX付きの豪華版でのリリース
は考えていないとか。
ただしFUNimationと同じ判断として、2010
年は、よりブルーレイでのリリースが増えてい
くとのことですね。当然DVDよりは高くなる価
格の設定とか、難しくなりそうですけど。


リリースの時期が明確にされたのは、劇場版
「交響詩篇エウレカセブン ポケットが虹でいっ
ぱい」で、DVD・ブルーレイ共に、2010年1月
28日発売。価格はDVDが定価24.98ドル、ブ
ルーレイが34.98ドルです。
日本版だと、DVDは5040円、リージョン無しの
ブルーレイは6057円ですね。まだブルーレイ
は日米で倍の価格差です。


Q&Aセッションは、ほとんど具体的な答えが
出来ないようなものばかりでしたね。
っていうか、自社作品じゃない、FUNimation
の「ケロロ軍曹」のこととか訊かれても、
BANDAIの人も困るだけです(笑)。
あ、「涼宮ハルヒの憂鬱」第2期については、
「機密事項」だそうです。


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ニューヨーク・アニメ・フェスティバル情報 ―― 出版社Vertical編


さらにさらに続いて、今度は出版社Vertical
(公式サイト)からの情報です。
マンガに限らず、小説や料理・クラフト実用
本など、様々なジャンルでの、日本からの翻
訳書を出版している、ニューヨークの出版社
ですね。
Verticalのパネルは、25日午後5時からでした。


そのパネルで発表されたマンガの新規ライセ
ンス作品は、

「ピポチュー」(フェリーぺ・スミス)
―― 2010年7月13日
「ふたつのスピカ」(柳沼行)
「70億の針」(多田乃伸明)
「チーズスイートホーム」(こなみかなた)
―― 2010年6月1日

の4作品ですね。
「ふたつのスピカ」「70億の針」の日本での
出版社はメディアファクトリー、「ピポチュー」
「チーズスイートホーム」は講談社ですけど、
結局講談社のアメリカ直接進出みたいな話は
どうなったんでしょうね。


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それはともかく、やはり注目を集めているの
が、アメリカ人マンガ家フェリーぺ・スミスさ
んの「ピポチュー」が、早くもアメリカに逆輸
入されることですね。
ハリウッドで主役を張ったショー・コスギの
映画が、日本でも公開されるみたいなもの
でしょうか。
関わっている人達も含めて、Verticalなら
安心出来る出版社だと思います。
2010年夏には出版に合わせて、アメリカで
サイン会(サンディエゴ・コミコンで?)も行う
予定だそうです。
それまでに、日本でもベストセラーとかドラ
マ・映画化とかになってたらいいんですけど
……。
あ、それだけ人気だと忙し過ぎて、逆に訪米
なんて無理かもですね。


「ピポチュー」で興味深かったのは、台詞の英
語の翻訳が、フェリーぺさん自身で行われる、
あるいはフェリーぺさんはそもそも英語で台詞
を書いていて、編集者さんが日本語に直す前の、
オリジナルの英語台詞が使われる、という話で
すね。
僕個人は、フェリーぺさんはとても日本語が堪
能だと聞いているので、台詞も最初から日本語
で書いているのかと思っていたんですけど、違
うんでしょうか。
ともあれ、フェリーぺさん自身が、英語版の台詞
を手がけるのなら、間違いはなさそうです。


それとVerticalとしては、「ピポチュー」が連載
されている雑誌「モーニング・ツー」(モーニング
公式サイト
)からは、まだまだ翻訳出版したい
作品があるそうです。
勝手なことを言えば、やはり「聖☆おにいさん」
なんかは、物議をかもすことは承知で、出版し
たら面白いのに、とは思います。


あと、手塚治虫さんの「ブラック・ジャック」の売
り上げは引き続き好調で、全17巻を最後まで
出版出来そうなだけではなく、売り上げが落ち
なければ、さらになんらかの関連出版が追加
出来そう、というのも嬉しいニュースです。
とりあえずは、「ブラック・ジャック」を完結させる
ことが最重要だそうですが、いずれは、さらなる
手塚作品の英訳出版も、続いていくでしょうね。
とても楽しみです。


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ニューヨーク・アニメ・フェスティバル情報 ―― アニメ流通会社FUNimation編


さらに続いて、アニメ流通会社の最大手
FUNimationについて。
公式サイトに日本から繋げないのは、な
んとかして欲しいですけど……。

親会社Navarre Corporationのサイト
http://www.navarre.com/nf/


FUNimationのパネルは、25日金曜日の
午後2時半から。企業パネルでは、一番
早いものでしたね。
まず、英語版「鋼の錬金術師FMA」のキャ
スト変更の件については、昨日付けの記事
を参考にしてください。
とりあえず、新作の発表はなかったんです
けど、かつて初期シリーズをTOKYOPOPが
リリースしていた、アニメ版「頭文字D」全5
シリーズと、かつてGeneonが保有していた、
CLAMPさん原作「X」の、劇場版&TVシリー
ズの獲得を発表しています。


「X」(2010年予定)の英語吹替トラックは、
Geneon版そのままですが、「頭文字D」
(2010年予定)の方は、新たに吹替トラック
を制作し、音楽も、オリジナルのものをその
まま使用する、と報じられています。
僕は直接確認したことはないんですけど、
TOKYOPOP版「頭文字D」には、マンガ・アニ
メ共に、色々な改変が施されていて、不評だ
ったとは伝え聞いていますので、それを受け
ての再リリース方針なんでしょうね(英語
Wikipedia
)。


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このFUNimationのパネルでは、2009年の
5月から9月にかけて調べられた、2000人
を対象にした意識調査の結果も伝えられて
いました。
例えば、「英語吹替VS英語字幕」というお題
だと、

主に吹替 ―― 53%
半分くらい ―― 27%
まれに ―― 18%

主に字幕 ―― 28%
半分くらい ―― 36%
まれに ―― 35%

という結果になっていて、調査対象の詳細
は不明ですが、英語吹替でアニメを見る層
の多さがわかります。
この結果も受けてFUNimationでは、他社
で行っているような、英語吹替無しの字幕だ
けのバージョンで、アニメDVDを売ることは
ないと断言(no way in hell)しています。


また、テレビのバージョンはHDとノーマル
がまだ半分ずつである一方で、アメリカ一
般でのブルーレイ普及率が16%なのに対
して、FUNimationの購買層では、PS3も含
めて、既に33%がブルーレイ・プレイヤー
を保有していることも明らかにしています。
つまり、アニメファンに対しては、よりブル
ーレイ・ソフトが売れる可能性があるわけ
で、FUNimationも今後ブルーレイのリリー
スを増やしていく方針だそうです。
アニメのダウンロード販売の売り上げも、
DVDのそれに迫りつつあるとかで、特に好
調な作品としては、「ガラスの艦隊」「一騎
当千」が挙げられています。


あと、質疑応答セッションで出た話題としては、

・今後もオンライン配信される作品が増えて
 いくかどうかは、デジタル権を含む契約内
 容次第。
・「ストライク・ウィッチーズ」のリリース時期は
 未定だが準備中。内容に改変無し。
・実写映画「DRAGONBALL EVOLUTION」
 は見ていないのでノーコメント。←ホントです?
・「クレヨンしんちゃん」作者の事故死は悲しい
 ことだが、アメリカでの配給には影響はない。
 少なくとも、日本側からはまだなんの公式発
 表はない。
・「ONE PIECE」のテレビ放送再開については、
 東映とCartoon Network間の話なので、
 FUNimationにはわからない。
・ディズニーがFUNimationを買収する可能
 性は――? 現在FUNimationは、親会社
 のNavarreにとって優良企業となっている
 ので、有り得なさそう。

くらいが主なところだと思います。

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ニューヨーク・アニメ・フェスティバル情報 ―― マンガ出版社Del Rey編


続いてNYAF内イベントから、英語版マンガ
出版社のDel Rey(公式サイト)について。


あ、その前にひとつ動画ですけど、Del Rey
Booksのインプリントとして、2004年の3月
に出版を開始した、Del Reyのマンガ部門は、
とりあえず今年で5周年ということで、25日
の木曜日の、NYAFのプリ・パーティの会場
でも、ケーキ・カットのお祝いイベントが催さ
れたんですね。
「魔法先生ネギま!」などの、Del Reyから
出版されているマンガ単行本をモチーフに
した大きなケーキが作られ、共同発行人の
Dallas Middaughさんが、いざカットしよう
としたら、用意されたナイフでは、あまりに
小さ過ぎる、という感じになったわけです。
そうしたら、「こんなこともあろうかと」(笑)、
マーケティング・マネージャーのAli Kokmen
さんが差し出したものは――!





関連記事
Suvudu9月25日付け記事
"Now THIS is how you cut a cake"


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まず、9月26日午前11時から行われたDel
Reyのパネルで発表された、新規ライセンス
作品は、

・「ココにいるよ!」(遠山えま)
―― 2010年秋 英語題「Here I am」
・「RAVE」(真島ヒロ)
―― 2010年9月 「RAVE MASTER」
・「ARISA」(安藤なつみ)
―― 2010年11月
・「妖界ナビ・ルナ」(作・池田美代子/画・
 菊田みちよ)
―― 2010年5月

の四作品になりますね。
「RAVE MASTER」の英語題になっている
「RAVE」は、これまでTOKYOPOPから出
版されていましたが、講談社との契約解消
により、既に真島ヒロさんの次作「FAIRY
TAIL」を保有している、Del Reyへの移籍
ということになります。
TOKYOPOPでの既刊は第32巻までですけど、
Del Reyからは、全35巻の残り3巻を、一冊
にまとめたバージョンで出版することになりそ
うです。
「Samurai Deeper Kyo」と同じパターンで、
「Kyo」と同じく、既刊分の巻についての扱い
はまだ未定。


また、予期していなかった大ヒット作品にな
ったと、Del Reyも驚いていた「キッチンのお
姫さま」作者の、安藤なつみさんの最新作
「ARISA」への期待も大きいようです。
多くの作品は、第1巻の売り上げは良くても、
それ以降は落ちていくものですが、「キッチン
のお姫さま」については、売り上げは落ちず
に売れ続けたとか。


その他、注目すべきコメントを並べてみると、

・「X-Men: Misfits」「NINJA GIRLS」のセー
 ルスは好調で、共にNYタイムズのベストセラ
 ー・リストに。
・アメリカでのCLAMPの人気を伝える「Clamp in
 America」の出版は予定より遅れて、2010年3
 月に。ただし、理由は内容が予定の倍の、300
 ページを超えるものになったため。
・とりあえす。他社のように値上げの予定はなし。
・話題を呼んだ英語版「もやしもん」のカバー
 (英語で!アニメ・マンガ2009年8月30日付け
 記事
)は、続刊でも英語版オリジナルのアート
 を続ける。
・「ファウスト」第3号については未定。
・Del Reyの単行本で最も売れたのは、おそらく
 「魔法先生ネギま!」の第1巻だろうが。それは
 一番古い作品(2004年3月の、最初の出版作
 品のひとつ)だから、ということもある。


辺りでしょうか。


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ニューヨーク・アニメ・フェスティバル情報 ―― アメリカ公共ラジオ局での紹介番組


今日はお休みなので頑張って、現在開催
中のNYAF ニューヨーク・アニメ・フェスティ
バル(公式サイト)からの情報を、各会社ご
とに記事を分けてお伝えしてみたいと思い
ます。
ソースはお馴染みの、

Anime News Network
Mania.com Anime/Manga
Toon Zone
Active Anime
Anime Vice

などのニュース・サイトさん及び、その中の
フォーラムなどでのレポートからですね。
パネルでの発言の採録をあげてくれている
人が複数いるのは助かります。


そうそう、コンベンションのレポートそのもの
ではないのですが、アメリカの公共ラジオ
放送局NPR(National Public Radio)
が久々のアニメ・マンガネタとして、この
NYAFを紹介していました。
3分間の短い番組ですけど、NYAFのスタッ
フの1人であるLance Festermanさんが、
イベントについて簡単に説明してくれてい
ます。

NPR 2009年9月26日放送
"Anime Festival Not Just For Otakus"




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2009年09月26日

英語版「鋼の錬金術師FMA」での、アル役の声優さんはやはり変更に


いよいよ開幕したニューヨーク・アニメ・フ
ェスティバル(9月25〜27日 公式サイト)
からは、さっそく色々とニュースが届いて
いますね。


その中で大きなもののひとつは、英語版
「鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST」
―― 英語題
"Fullmetal Alchemist: Brotherhood"
の英語版キャストがFUNimationから発表
され、大方の予想通りに、アル役の声優さん
が、前作のAaron Dismuke君から、女性の
Maxey Whiteheadさんに変更されたことで
しょうね。
他のメイン・キャストでは、スカーがDameon
Clarkeさんから、J Michael Tatumさんに
代わっているだけでしょうか?


Mania.com 9月25日付け記事
"Fullmetal Alchemist: Brotherhood Cast"


日本版でも前作からのキャストの変更はあ
って、その理由の正確なところは知りません
けれど、この英語版での、Aaron Dismuke
君のアル役からの降板は、多くの人に想像
されたことでした。
というのも、前作収録時に、1992年10月13
日生まれのAaron君は、まだ12歳でしたが、
2009年の今では、もうすぐ17歳ということで、
既に声変わりの時期を経てしまっており、12
歳の時のアルの声は、もう出せなくなってし
まっているだろう、と指摘されていたんですね。
残念ですけど、子役を起用するリスクのひとつ
ということで、仕方ないんでしょう。
ただ、声優の仕事自体は続けているので、
シリーズには別の重要な役で、いずれ参加
するとのことです。
新たにアルを演じるMaxey Whiteheadさん
の代表作は、「ロミオ×ジュリエット」のアントニ
オ、「バッカーノ!」のチェスワフ・メイエルという
ことで、少年役を得意にしているキャリアを理
由にしての起用だと思います。


前作でスカーだったDameon Clarkeさんの
交代は……、最近はもうアニメの仕事には多
く関わっていないようですし、実写の仕事の方
が忙しいからでしょうか? 「24」とか「プリズン・
ブレイク」「CSI」シリーズなどに出演されている
んですね。まあぶっちゃけ、そちらの方がずっと
ギャラもいいでしょうし。


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エド役のVic Mignognaさん、ウィンリィ役の
Caitlin Glassさんはそのままですね。
Vicさんのエドは、代表作中の代表作ですか
ら、変えることは考えられなかったでしょう。
Vicさん御本人も、エドの再演には前向きで
したし。

参考
・Anime UK News 2009年7月20日付け記事
"Vic Mignogna talks about life after FMA"

また、前作時にはまだ新人声優だったCaitlin
さんは、今回はADRディレクター(前作も手がけ
たMike McFarland氏と共同)ということで、
出世(?)ですね。既に他の多くの作品でADR
ディレクターを務めるようになっているので、
自然な役目なのでしょうけど。


英語版トラックを収録した、「鋼の錬金術師
FULLMETAL ALCHEMIST」の、アメリカでの
DVDリリースは2010年春からを予定していま
すが、テレビ放送については、まだ未定とのこ
とです(ソース・Anime Vice)。
前作の人気には、Cartoon Networkでの
テレビ放送が大きく貢献していたと思います
が、今作で試みられている、ネットでの配信
は、DVDあるいはブルーレイのセールスに、
どれだけ影響を与えるでしょう。
北米のアニメ業界の多くの人が、その結果に
注目している筈だと思います。


posted by mikikazu at 10:28 | TrackBack(0) | 「鋼の錬金術師」情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年09月25日

アラブ首長国連邦国立図書館が、マンガ・コミック専門の図書館設立を計画


Publishers Weeklyの9月21日付け記事、

"Publishing in the UAE"

は、UAE(アラブ首長国連邦)における書籍出
版の現状について、詳しく解説するものでした。
その中で目を引いた情報は、アブダビ文化遺
産庁(ADACH)内の国立図書館が予定してい
る新しい計画として、音楽と合わせて、ティー
ンエイジャー向けの、世界から集めたマンガ・
コミックの図書館も設立する予定がある、とい
う話でした。
テクニカル・サービス部門担当のKhalid al
Dhaheri氏のコメントには、それ以上の詳しい
ことは語られていませんでしたけど、実現すれ
ば、とても面白い計画だと思います。


マンガ・コミック専門の図書館・博物館という
と、既にフランス・アングレームのバンド・デシ
ネ博物館や日本・京都の国際マンガミュージ
アムなどがありますよね。
フランスや日本は、そもそもバンド・デシネな
り、漫画なりの長い歴史があるわけですが、
UAEだと、自前のコミック文化が大きく育つの
は、たぶん、まだまだこれからだろうと想像し
ます。
マンガを楽しんでいる子供や、マンガ家を目
指している若者も、急速に増えつつあるよう
なので、この図書館が彼らの役に立つ場所
になればいいですね。規模とか蔵書とか、
また詳しい情報を待ちたいです。


日本やアメリカの出版ビジネスは、厳しい状
況にあるそうですが、記事によると、UAEの
出版市場は年間15〜20%の伸びを続けてい
るそうで、海外の出版社が参入するには、絶
好の場所だろうとも伝えられています。
「Gold Ring」のセールスも好調だそうですし、
日本のマンガにも、大きなビジネス・チャンス
の可能性が、さらにあるかもしれませんね。


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ちょうどなんですけど、そういったUAEでの、
マンガ・アニメの人気を伝える記事が、英字
日刊紙The Nationalに、9月21日付けで
掲載されていました。

The National 2009年9月21日付け記事
"Mad about manga"

記事の内容は、かねてよりお伝えしている
マンガ「Gold Ring」(参考・2009年7月23日
付け記事
)、ザーイド大学の日本語クラブの
女の子達、そしてドバイのレストラン「マンガ
寿司」(2009年3月4日付け記事)、在ドバイ
日本総領事館で日本企業の進出や日本の
ポップカルチャーの促進を担当している方に
ついて、ですね。


「マンガ寿司」のオーナーである、現在25歳
のSultan Qassim Sultan氏についての、
もう少し詳しいプロフィールが掲載されてい
たので、いくつか箇条書きすると、

・初めて見たアニメは、8歳の時に兄に見せら
れた英語吹替版「強殖装甲ガイバー」。
・それからアニメとマンガに夢中になり、父親
のクレジット・カードを借りたりも。
・現在保有しているビデオ、DVD、マンガの総
数は約5000。人の大きさの棚7つが一杯。
・昨年開店した「マンガ寿司」の費用は250万
UAEディルハム。1ディルハム=24.853円と
して、約6213万2453円?
・既に五つの日本のテレビ局からコンタクトが
あった。UAEのテレビ局からはなし。

というような話が出ています。
25歳で、(計算間違いでなければ)6000万円の
開店費用が捻出出来るなんて、どういう立場の
人なんだろうと、さすがに思ってしまいますけど。


それと日本総領事館の方は、UAEで人気のある
マンガ作品の調査を、レストランや大学、ビジ
ネス界の人達約120人以上を対象に行っていて、
それによると、「Bleach」や「DEATH NOTE」
といった近作も、とても人気があるが、やはり
圧倒的なのは「ドラゴンボール」で、続いて
「ドラえもん」「NARUTO」といった順位になる
そうです。


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あ、昨日フジテレビ系列で放送された、「〜あら
ゆる世界を見学せよ〜潜入リアルスコープ」は、
一応見てみました。
確かに「マンガ寿司」は登場しましたが、時間に
してわずか40秒と、あまりに駆け足の紹介だっ
たのが残念でした。
「涼宮ハルヒ」の制服姿の女の子達が踊ってい
た曲は、ここではピチカート・ファイブの「スウィー
ト・ソウル・レビュー」でしたね。
でもあのスペースでは、「ハレ晴レユカイ」を踊る
のは辛そうかも。


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2009年09月24日

「アニメの殿堂」予算で、古いアニメのフィルム作品のデジタル保存を ―― 石黒昇さんの提言(Otakon記者会見・米メリーランド州ボルチモア)


話題的には少し前のことなんですが、紹介す
るには、今がちょうどいいと思います。
選挙前から公言していたように、民主党政権
は「アニメの殿堂」と一般メディアでは呼称さ
れている、国立メディア芸術総合センター(仮
称)の建設計画を撤回するようですね。

参考・
アニメ!アニメ! 2009年9月23日付け記事
「メディア芸術総合センター白紙撤回 
 大臣代替案を要請」


代わってアニメ・マンガ分野に、どんな振興
策が講じられるかは、まだわかりませんけれ
ど、それに関わる、実際にアニメを作っている
現場の方からの声を、ひとつ紹介しておきた
いと思います。


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7月17〜19日にかけて、アメリカ・メリーラン
ド州ボルチモアで開催された、東海岸最大規
模のアニメコンベンションOtakon(公式サイ
)には、たくさんの日本人ゲストも招待されて
いました。
そのゲストさん達による、プレス向けの記者
会見のひとつが、

・石黒昇(アートランド代表)
・丸山正雄(マッドハウス共同設立者)
・菊川幸夫(OVA「銀河英雄伝説」プロデューサー)
・松原秀典(「岩窟王」キャラクターデザイン)

といった方々によるもので、その内容を、ゲー
ム・マンガ・アニメの情報サイトAni-Gamersが、
ポッドキャストとして、8月30日に配信していた
んですね。


Ani-Gamers 2009年8月30日配信ポッドキャスト
"Ani-Gamers Podcast #019 - Otakon
Guests Press Conference"



記者会見では、色々と興味深い質問がされた
んですけど、その質問の流れとは関係なく、
時間の最後に、石黒昇さんが、メディア芸術総
合センター計画のことを、話題にしたんです。
55分00秒〜1時間00分20秒辺りなので、ペー
ジ上のプレイヤーで再生するなり、MP3ファイ
ルをダウンロードするなりで、直接石黒さんの
発言を聞いていただくのがベストですが、とりあ
えずここでも、石黒さんの発言の採録を掲載
しておきますね。


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・石黒昇氏の発言(Otakon記者会見より)

それでひとつ実はあの、ちょっと今も思い出し
たんですけど、最近、皆さんご存知ですか? 
日本の政府が、国営のマンガ喫茶を作ろうと
いう話があったというのはご存知でしたか?
いや国営のマンガ喫茶というのはちょっと――。
じゃあ、マンガ資料館ですね。アニメ・マンガ資
料館というのを、百億円出して作ろうという。


その作ろう、というのはいいんですけど、とりあ
えずそういう建物を作ろうという意図でして、そ
れだけで何をするかっていったら、何も考えて
いないんですね。
現場でも実は賛否両論。かなり反対意見も結
構あるんですが、実際にじゃあ百億円あったら、
何に使うかということに、色々な意見があるん
です。


実は、我々仲間で話していたもののひとつとして、
気がついたんですけど、日本のアニメーション、
実はもう始まって、45〜46年経つんです。今では
全部デジタルですが、初期のものは当然フィルム
で作られていて、いま、そのネガの保存状態って、
ものすごく悪いんですよ。


その点、アメリカはホントに羨ましいと思うんです
が、昔のフィルムが、いい状態で保存されている
んですよね?
ディズニーなんかは、初期のフィルムを、巻いて
おくと、要するに、お互いにくっついてしまうんで、
長い洞穴を掘って、そこに巻かずに、一本置いて
保存しているんだっていう話を聞いたことがあり
ます。


まあ、それは無理にしても、我々も初期のフィル
ムのネガを、今のうちになんとかデジタル化出来
ないだろうかということを考えている。
実は、そういったものをやった者がいて、それは
一本につき、約3000ドルかかるんですね。(日本
円で)30万円くらい。


100億円あったら、かなりのタイトルの、初期の
フィルムがデジタルとして残しておけるんじゃな
いかと思うんですよ。
もちろんそれは、SFもあり、名作もあり、愚作も
あり、とんでもないものもあるけど、でも、それは
ひとつの歴史的価値として残しておくと、必ずあ
とで役に立つと思うんですよ。


我々の仲間としては、そういったものを提言して
おこうかなと思っているんですけど、まあ、どうな
るかわかりませんけども。
もし皆さん、折がありましたら、そんな意見もある
んだということをね、日本の政府に言ってください。
日本の政府は、アメリカの意見に弱いですから(笑)。


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100億円を単純に30万円で割ると、3万3333。
フィルム一本というのが、25分エピソード1話
分として、4クールのアニメ作品が、640タイト
ルほどデジタル化出来る計算にはなりますね。
石黒さんは、それこそ日本初の本格テレビア
ニメ「鉄腕アトム」の頃からのアニメ制作者で
すから、他でもない自分も関わった、そういっ
た初期からのアニメを、きちんとした形で保存
したいという気持ちは、当然強いでしょうね。
アニメ制作現場からの、ひとつの真摯な提言と
して、民主党政権に届いて欲しいとは思います。
あ、最後のコメントは削っておかないとマズいか
もですけど(笑)。


short_g.gif


1時間ほどの長さに編集されたこのポッドキャス
ト番組は、ゲストの方々の日本語による答えは
そのまま残されていますけど、例によって質問
の日本語訳は割愛されています。英語リスナー
さんには必要ないですものね。
とはいえ、日本の方にも興味深い質問がされて
いますので、それぞれの質問の大意を、以下に
タイムコードと共に記載しておきますので、お役
に立てれば幸いです。


3分45秒〜
・石黒さんに
「『超時空世紀オーガス』には、アトランタという
名前の街が登場するが、それはアメリカに実在
する地名『アトランタ』(ジョージア州)と、何か関
係があるのか?」

5分15秒〜
・丸山さんに
「マンガをアニメ化するのを決定するのは誰?
アニメ制作会社? 出版社?」

7分16秒〜
・丸山さんに
「とても早い段階でアニメ化が決まったり、アニ
メの放送と同時進行で展開するマンガがあった
りするが、そういったケースについての説明を」

9分55秒〜
・全員に
「実現させたい、夢の企画は?」

18分50秒〜
・石黒さんと丸山さんに
「自分のアニメスタジオを運営する上での
苦労は?」

20分47秒〜
・全員に
「ハードロック・バンドのモトリー・クルーの
曲で、好きなものはある? あるいは他に
好きなミュージシャンは?」

24分20秒〜
・全員に
「アメリカで、日本のアニメが人気だと初めて
知ったのはいつ?」

29分40秒〜
・菊川さんに
「OVAシリーズ『銀河英雄伝説』が実現した経
緯について説明してください」

36分20秒〜
・松原さんに
「『岩窟王』で用いられていた、特異なアート
スタイルは、どうやって作り出していった?」

42分45秒〜
・石黒さんに
「故・長浜忠夫さんの思い出を語ってください」

50分20秒〜
・全員に
「アメリカで知られている、あなた方の作品は
SF物が多いが、それは好みなのか?」



という感じですね。
モトリー・クルーの質問は唐突ですが、日本か
ら来るゲストの方は、何故かモトリーのファンが
多いので、質問者の方は必ず聞いてみるんだ
そうです。ちなみに僕だと……「Too Young
to Fall in Love」「Same Ol' Situation」
「Afraid」辺り?
あと、長浜忠夫さんの作品は、ヨーロッパやア
ジアでは人気がありますけど、北米ではほとん
ど知られておらず、情報も入ってこないので、
ベテランの石黒さんに、ぜひ色々教えて欲しい、
とのリクエストでした。


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2009年09月23日

米・ラスベガスにリニューアルオープンした、アニメキャラのコスプレ・レストラン「Dragon Noodle Co.」


今日二つ目の記事でも、先にお伝えしておく
ことがあります。
2009年3月4日付け記事で紹介した、UAE――
アラブ首長国連邦ドバイのレストラン「Manga」
を憶えているでしょうか。
先日のマンガ「Gold Ring」の件より、情報を
提供していただけるようになった、在ドバイ日
本総領事館(公式サイト)の辻本さんから、
また情報提供いただいたのですが、その「Manga」
が、日本のテレビ番組で紹介されるそうです。


番組は、フジテレビ系列で9月24日午後10時
〜11時24分に放送される、「〜あらゆる世界を
見学せよ〜潜入リアルスコープ」です。
フジテレビ公式サイトでの解説に情報はない
のですが、スポットCMの画面に「ドバイ」の文
字はあるので、そのことだと思います。
5分〜10分くらいだそうですが、興味のある方
は、ぜひチェックしてみてください。
そうそう、以前引用した記事では、そうかもと
思いつつ、確認出来なかったウェイトレスさん
の着ているコスチュームですが、辻本さんによ
ると、やはり「涼宮ハルヒ」シリーズの、県立北
高校女子制服だそうです。
日本マンガ・アニメのファンであるオーナー氏
が、通販で購入したとのことですね。
あとは、彼女達が披露してくれるというダンス
が、「ハレ晴レユカイ」なのかどうかということ
ですけど、その辺も番組は伝えてくれるでしょ
うか。楽しみです。


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で、コスプレのウェイトレスさんということで
話が繋がるわけなんですけど、アメリカ・ラス
ベガスの地元紙Las Vegas Sun電子版が
9月22日付け記事、


"An experiment in pop culture fun on the
Strip: Anime-attired waitresses"


で伝えていたのが、ラスベガスにリニューアル・
オープンしたばかりの、アニメキャラのコスプレ
をテーマにしたラウンジ「Dragon Noodle Co.」
なんですね。
「Dragon Noodle Co.」が入っているのは、
モナコ王国をテーマにしたホテル「モンテカルロ」
で、13年間続いていたアジアン・レストランを改
装する際に、ポップ・カルチャーの要素も取り入
れてみようということで、ウェイトレスとバーテン
ダーにアニメキャラのコスプレをさせる求人をし
てみたんだそうですね。
リニューアル・オープンから1ヵ月で、それなり
の評判のようです。


写真でもわかりますけど、4人のウェイトレスさ
ん達がコスプレしているキャラは、

・朽木ルキア
―― 「Bleach」
・セーラージュピター
―― 「美少女戦士セーラームーン」
・桃宮いちご
―― 「東京ミュウミュウ」
・シムカ
―― 「エア・ギア」

になります。
一応ウェイトレスさん姿なのは、「ミュウミュウ」
のいちごさんだけですか?
服のコストは4人で800ドル程度だそうですけど、
そもそも滅多に着る必要はないコスプレ・コスチ
ュームではなく、1日6時間シフトの仕事着とし
て酷使するので、痛むのも早いということです。
メイド服ならいいのかもしれませんが、お店の雰
囲気的には、また違うんでしょうか。


とりあえず、今のところはお客さんも奇妙がりつ
つ面白がって、一緒に写真を撮ったりしてくれる
そうですが、日本人としては、せっかくベガスま
で行ったのに、アニメキャラのコスプレ・レストラ
ンがあるというのは、銀河の向こうのL星にまで
行ったのに吉野屋がある(映画「うる星やつら 
オンリー・ユー」)みたいなもので、変というか、
ここって本当にアメリカ?みたいな感じかもですね。


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そうそう、記事で面白い表現があったのが、スカ
ートについてです。
引用すると――、

「そうそう。コスチュームについてもうひとつ。
スカートなんだけど、アニメの基準に合わせて、
ネブラスカ州の海岸線と同じくらいの長さだっ
たんだよね」
(Oh, one other thing about the costumes:
the skirts, in keeping with animie norms,
are about as long as Nebraska’s coastline.)

という表現があったんです。
どうしてネブラスカ州の海岸線の話が?と、
すぐにはピンとこなかったんですが、アメリカ
の地図を広げてわかりました。
ネブラスカ州が位置しているのは、アメリカの
中部の真ん中で、当然海には東西南北で全く
面していないし、海岸線というのも存在しない。
つまり、存在しないネブラスカ州の海岸線と同
じくらいの長さということは――、それだけ極端
に短い、ということなんですね。
ルキアのコスプレをしている、Heidi Haldman
さんのコメントを借りると、
「この格好をしてると、全然かがめないの。短過
ぎなのよね」
とのことですが、共同オーナーのCharles Pastron
さんによれば、
「アニメでそうなってるんだから仕方ない」
とのことで、記事の方も、
「ここはベガスなんだし、仕方ない」
とまとめています。うむむ。


posted by mikikazu at 11:28 | TrackBack(0) | 海外情報(北米) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

イタリアで公開の始まった、「となりのトトロ」の第1週週末成績は第10位


えっと、今日一つ目の記事の前に、昨日の
記事への補足を。
紹介させていただいた、「フレッシュプリキュ
ア!」のラブ×せつなの百合同人誌である、
「ハニーシュガー」なんですが、作者の花華
みなさん(公式サイト「Star Berrys LAB*」)
から許可をいただけましたので、表紙画像を
昨日の記事と、ここに掲載しておきます。クリ
ックで原寸大表示です。


c7605.jpg


この表紙なら、ラブ×せつ派な人は、即買い!
ですよね。
表紙は可愛らしくてキュートで、内容はせつな
さんの性格に合わせて真面目、というバランス
も良かったと思います。
これからも、活躍を期待していますね。楽しん
で活動を続けてください。


short_g.gif


さて本題。
当ブログ8月13日付け記事でお伝え済の、
宮崎駿監督の1988年の旧作である、「となり
のトトロ」のイタリアでの公開が、先週末9月
18日より始まっています。

「となりのトトロ」イタリア公式サイト
http://www.luckyred.it/totoro/


経済情報サイトIl Sole 24 ORE掲載の、
週末興行ランキング(9月18〜20日)によると、
「トトロ」は初登場第10位で、スクリーン数は65、
興行成績は9万1245ユーロ(約1226万5152
円)という結果ですね。
比較ですが、宮崎監督の最新作である、「崖の
上のポニョ」のイタリアでの第1週成績(2009年
3月20日公開)は、初登場第6位で、スクリーン
数は186。興行成績は23万6767ユーロ(約3200
万円)でした。
トータルでは、「トトロ」は「ポニョ」の三分の一
程度の数字ですが、これを1スクリーン辺りで
計算してみると、「トトロ」は約18万8694円、
「ポニョ」は約17万2043円になり、1スクリーン
単位では、「トトロ」の方がわずかに盛況だった
ことになります。


この結果をどう考えるかですが、例えば Sabato
Sera Online 9月22日付け記事
でも評されて
いるように、20年前の作品としては、トップ10
入りは、間違いなく大健闘だと思います。
リバイバル公開でよくありますが、完全版とか
ディレクターズ・カット版とかではなく、フィルム
それ自体は、セルで制作された、20年前の作
品そのままなのですし。
それだけ、イタリア語版での上映を劇場で楽し
みたい人が多かったということであり、宮崎監
督作品のブランド力が、この20年間でイタリア
でも定着したということなんでしょうね。
予告編で見る限りですが、イタリア語吹替の雰
囲気の良さも、理由としてあると思います。


「となりのトトロ」イタリア語版予告編




posted by mikikazu at 10:17 | TrackBack(0) | スタジオジブリ作品情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年09月22日

お休みの間に。


とりあえず近況なのです。
更新をお休みしていた間に、ちょっと東京に
行ってました。
メインの目的は、大田区産業プラザPiOで、
20日に開催された、百合同人誌即売会
「GirlsLoveFestival2」(公式サイト)です。
いつもお世話になっている、アメリカ・ニュー
ジャージー州在住の、百合振興団体Yuricon
(公式サイト)の代表である、エリカ・フリード
マンさんに、日本の最新百合同人誌をお送
りしたいと、また思ったわけなんですね。
単体の大きな百合イベントとしては、昨年の
11月に京都で開催された、「Maiden's Garden」
(公式サイト)以来です。


イベント自体は、こじんまりとした規模でした
けど、それだけアットホームというか、本当に
好きな人達だけの集まりという感じが強かっ
たように思います。
サークル参加者さんの男女比は四・六で女性
の方が多かったようですが、一般参加者さんは、
男性の方が多かったですね。女性のコスプレイ
ヤーさんも、数人おられました。


short_g.gif


現在進行形の作品/カップルだから、いま百
合界で話題になっているだろうかと想像して
いた、「フレッシュプリキュア!」(公式サイト)
の、桃園ラブさんと東せつなさんをフィーチャー
した本は、残念ながら一冊しか見つけられま
せんでした(実は他にもあったそうですが)。
2人の関係については、キュアパッション誕
生までの本編の展開が完璧で、余計なもの
を付け足す必要がない、ということも大きくて、
そこまでの物語なんかは、なかなか描きづらい
のかも、とか思ったり。


見つけられた、そのラブ×せつな本は、花華
みなさん(公式サイト「Star Berrys LAB*」)
の、「ハニーシュガー」という御本。
表紙の2人(ピーチ&パッション)があまりに可
愛いので、見た瞬間に即買い!って感じでした。


c7605.jpg


内容は、ラブさんと一緒に暮らすようになって
(あ、ラブさんの両親もいます)からの、せつな
さんが――、なんていうのかな、ラブさんに対
する自分の心の表現、伝え方がわからなくて、
それでも出来ると思ったことを、一生懸命に頑
張ってみせる――、みたいなお話ですね。
せつなさんならこうなるだろうという、2人の
カップリングのファンとしては、とても納得出
来る、共感出来るお話になっていました。こう
いうのを、読みたかったというツボに、ぴたり
と嵌まってくれた感じで、嬉しかったです。
本編で描かれたキャラや展開を考えると、せ
つなさんがこういう方向で考え込んでしまうの
は必然ですし、また、そういった時に絶対フォ
ローしてくれる存在としての、ラブさんのお母
さんをきちんと登場させてくれる配慮が、わか
っているなあ、と思います。
結果として、独りよがりではない、きちんとした
ひとつの世界の「雰囲気」が伝わってくるという
意味でも、成功した二次創作本だと評したくて、
大好きです。


本それ自体も、とても凝った可愛らしい装丁
で、作るのにはとても手間がかかったそうで
すけど、今回のイベントでは再販分もなくなっ
てしまった、という人気も理解出来ます。
冬のイベントでは、ラブ×せつな本で、また
新作を出したいご意向のようなので、期待し
たいですね。
素敵な御本を、ありがとうございました。


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同日同じ会場の、1階大展示ホールでは、
「魔法少女リリカルなのは」シリーズオンリー
イベントの、「リリカルマジカル7」(公式サイト)
も開催されていました。結局、中を覗くことは
ありませんでしたけど。


僕が現地の駅を降りたのは、ちょっと早めの9
時過ぎくらいで、10時以前の一般参加者の来場
は禁止されていたんですが、初めての場所だけ
に迷子にもなりたくなく、とりあえず場所だけは
確認しておこうと、前を通ってみたら、既にかな
りの数の人が、会場前の場所を占拠していて、
驚きました。
「え、百合ってそんなに人気あるの!?」と一瞬思っ
てしまいましたけれど、みんな「なのは」の人達
だったんですね。


驚くと同時に、住宅街と隣接した会場ですから、
『「なのは」イベントの方は、時間までの来場禁
止といった規制はないのかな」と訝しんだので
すが、実際には当然あって、運営の方から、一
部の人にペナルティを与えている姿も、後に見ら
れました。
調べてみると、以前の同会場のイベントでも、
同じようにルールを守らず、ペナルティを課せら
れた人はいたようですね。
休日の朝のことですし、近所の方々から苦情が
寄せられたのかもしれませんけれど、何度もそ
ういう風にルールを守らない方がい続けると、
会場を借りるのだって、いずれは難しくなるかも
しれません。
なにより、「なのは」のオンリーイベントなのです
から、アニメ・マンガのファンといった大枠での捉
えられ方ではなく、もっと絞られた、「なのは」とい
う作品のファン達が、ちゃんとルールを守れない人
達だと思われる、伝えられてしまうのは、作品の作
り手さんや、なのはさん、フェイトさん達にとっても、
とても悲しいことだと思います。


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イベントが終了した後は、約束していた、海外ア
ニメ・マンガ情報サイトの重鎮である、「アニメ!
アニメ!」
代表の数土直志さん、「白い空」のか
ざみあきらさんと、それぞれ別にお会いして、
歓談の機会をいただけました。
ネットでは数年来のお付き合いをさせてもらっ
ていますが、リアルで会うのは初めてです。
それぞれ、海外情報のエキスパートさん達です
から、ここでは書けないような裏事情も含め、
あらためて色々な情報を直接伝えていただけて、
とても勉強になりました。
「当然、この事はご存知だと思うけど」という感
じで話を振られて、「もちろんそんな事は当然
知っていた」という振りを何度したことか(笑)。
お2人にバレていないといいんですけど。


かざみあきらさんには、ずっと西日本在住の僕
が行ってみたい場所ということで、生まれて初
めて、秋葉原にも連れて行ってもらいました。
とはいえ思ったより、何もないというか、整理
されているというか、綺麗な普通の街だったの
が、「あれ?」という感じではありました。
同じオタク街と化している、大阪・日本橋みたい
に、「ぎゅうぎゅう」していないというか。
AKB48のイベントをやっている場所なんかも
ありましたけど、休日の夕方なのに、想像して
ようなカオスな雰囲気は皆無でしたね。特に何
も買ったりはしませんでした。


あとは……Twitterでも呟きましたけど、何気に
夕食に入ったお店の親子丼が、1500円もして
ビックリしたことでしょうか。
さすがに、世界で一番物価の高い街・東京です。


とりあえずこんなところで。
今回は日帰り日程だったので、結構バタバタし
てしまいましたが、次回の機会があれば、もう
少しゆっくりしたいですね。結構疲れました。
今回お世話になった方々には、どうもありがと
うございました。またの機会がありましたら、
見捨てずに(笑)よろしくです。


posted by mikikazu at 12:42 | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年09月18日

ブルガリア初のマンガ雑誌「SHOGUN」


取り上げるのは初めてだと思いますけど、
今日は東欧の国、ブルガリア共和国から
のお話です。
今年、2009年の3月にブルガリアでは、初
のマンガ雑誌となる「SHOGUN」の月刊出
版が開始されたそうです。
とはいえ、中身はオリジナルではなく、2006
〜2007年にフランスのLes Humanoïdes
Associés
から出版されていた、「Shogun Mag」
(現在はオンラインのShogun Cityで展開?)
からの、ブルガリア語翻訳出版だと思います。
「SHOGUN」はもちろん、日本語の「将軍」か
らでしょうね。
ブルガリアでは現在、第6号まで出版が進ん
でいます。


・第1号表紙

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「SHOGUN」公式サイト
http://www.manga.bg/

各号表紙・ディテール
第1号
第2号
第3号
第4号
第5号
第6号


ブルガリアでの日本マンガ状況については、

「ブルガリアでは日本のアニメが普通に
テレビで放送されていて子供を中心によ
く見られているのだけれど日本の漫画は
まだほとんどまったく出回っていないそう
です」
(「編集チーフの真夜中の事情」2008年
11月30日付け記事
より)

というコメントがありましたが、実際には
複数の、ブルガリア語翻訳のマンガ・ス
キャンレーション・サイトが存在している
ので、商業出版はともかく、ネットではマ
ンガを楽しんでいる人が、ブルガリアに
もそれなりの数存在していると想像して
いいでしょうね。


ブルガリアの人の、マンガイラストのレベ
ルということについては、「SHOGUN」が
毎月行っているらしい、イラストコンテスト
が参考になるでしょうか。


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第1号の出版体裁は、

サイズ・A5
厚さ・0.9cm
重さ・216g
ページ数・176P(カラー14P)
価格・5.99ユーロ(約805円)

ということになっています。


「SHOGUN」に掲載されるのは、いわゆるグ
ローバル・マンガ作品がメインで、いずれは
他でもない地元ブルガリアのマンガ家の作品
も掲載される予定ではあるようです。
どこの国の人が描こうとマンガはマンガなの
で、バラエティ豊かになっていいと思います。
現在掲載されている作品のラインナップは、


「B.B Project」
 (作・KAZE/画・SHONEN 格闘アクション)

「Omega Complex」
 (作・SHONEN/画・IZU アクション)

「Vairocana」
 (作/画・ Moa810 妖怪もの?)

「All In」
 (作/画・Shogun Script Studio
  スポーツ、コメディ)

「Pen Dragon」
 (作/画・Mika 少年?)

「Kairi」
 (作/画・Janina Görrissen, Audrey Diallo
  少女、日常ドラマ)


というものですね。
この中で日本人マンガ家さんは、大阪に拠点
を置いて、日本・フランス・アメリカで活動され
ているという、Moa810さん(公式サイト)だけ
ですね? 「Kairi」は、日本が舞台のお話だ
そうですけど。
Moa810さんの「Vairocana」は、他の作品と
同様にフランスでは、既に単行本の出版も進ん
でいます(第1巻第2巻第3巻-2009年10月
予定
)。作品の、日本語紹介ページもありました。
これで、ブルガリアでの人気爆発・単行本も発
売、なんて流れになるといいですけど。


posted by mikikazu at 10:41 | TrackBack(0) | 海外情報(ヨーロッパ) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年09月17日

イタリアでのアニメ版「ARIA」テレビ放送は、地上波デジタル局Rai4に移って10月3日から再開


2009年5月3日付け記事でお伝えしてい
た、イタリアでのアニメ版「ARIA」シリーズ
のテレビ放送なんですが、反響はどうだっ
たんだろうと思っていたら、7月いっぱいで、
放送局だった衛星チャンネルのRaisat
Smash Girls自体が、なくなってしまって
いたんですね。
TVシリーズ三部作とOVAの権利は、YAMATO
VIDEO
が保有しているんですが、5月18日
の放送開始から2ヵ月と少しで、第一期「The
ANIMATION」では全13話のエピソードが、
ちゃんと最終話まで放送されたのかも、確認
出来ませんでした。
第2シリーズの「NATURAL」は? という声
はフォーラムで見かけたので、放送されたと
しても、第1シリーズ「The ANIMATION」
だけになると思います。


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なので、途中までだったら不憫だと思って
いたんですが、幸いにして、同じイタリアの
国営放送局RAIグループの、無料地上波
デジタルチャンネルであるRai4で、Raisat
Smash Girlsでも一緒に放送されていた
日本アニメ「ロミオ×ジュリエット」と共に、
この10月3日から、再び放送が始まるとの
ことで、安心しました(ソース・Rai4公式サ
イトのアニメページ
via Animeclick9月16
日付け記事
)。
放送時間帯は、土曜日の朝8時と日曜日の
午前10時半になるそうです。


イタリアでのデジタル放送普及率は、2008
年3月で52.8%の世帯率らしくて(国別に見
る世界情報通信事情
)、日本と同じくらいの
伸びですか?
女の子向けの有料チャンネルRaisat Smash
Girlsから、若者向け無料チャンネルRai4に
移って、視聴者数自体は格段に増えると思い
ます。
Raisat Smash Girlsの時は、そもそもチャ
ンネルを見ている層と、イタリアのアニメファン
とが重ならないのか、反応もよくわからなかっ
たのですが、Rai4では9月24日から、アニメ
ファン大注目作の「天元突破グレンラガン」と
「コードギアス 反逆のルルーシュ」の放送が
始まりますし、イタリアのアニメファンがチャン
ネルを合わせる機会が増えるのは、間違いな
いでしょう。


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イタリアでの「The ANIMATION」DVD-BOX
セット
の発売は、10月21日になっています。
10月29日という情報もありますが、リリース元
YAMATO VIDEOの公式サイトには、来月
の話だというのに、何も情報がないので、正解
はわかりません。
ディスク3枚組で、定価は49.99か50ユーロ
(約6700円)。実売価は、それより1割引くらい
でしょうか。


アメリカで、Right StufからBOXセットがリリ
ースされた時は(公式サイト)、値段は安かった
ものの(定価50ドル・売価37.49ドル=約3400
円)、英語吹替は収録されず、日本語音声に英
語字幕だけというフォーマットで、ガッカリした
人も多かったようですが、このイタリア版DVD
には、日本語音声と合わせて、イタリア語吹替
音声もきちんと収録されているようです。
イタリア語版キャストについては、AntonioGenna.net
掲載のリスト
を参照ください。
実際の「ARIA」作中で話されている言語はと
もかくとして、舞台であるネオ・ヴェネツィアの
モデルになった場所で話されている言葉の、
イタリア語で会話する灯里さん達の雰囲気は、
どんなものになるでしょう。




参考資料・Raisat Smash Girlsで放送された
告知CM。残念ながら、イタリア語なのはナレー
ションだけです。音楽も、本編とは別のものです
よね?





posted by mikikazu at 11:54 | TrackBack(0) | 海外情報(イタリア) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年09月16日

言語学習における、マンガの多用性(インドネシア・アラブ首長国連邦の例)


外国におけるマンガの、言語学習における
影響・活用の違い、という話ですね。
まず、インドネシア共和国の日刊英字紙
The Jakarta Postの電子版が、9月15日
付けで伝えていたのが、

"Manga and dorama entice RI students
to learn Japanese"


という記事で、日本のマンガ・アニメ・ドラマ
に触発されて、インドネシアで日本語を学ぶ
人が増えていることと、その人達の日本語教
育をサポートしている、現地の日本大使館の
働きを伝えるものでした。
駐インドネシア日本大使の塩尻孝二郎氏に
よると、公・私的教育機関を合わせて、イン
ドネシアで日本語を学んでいる人の数は、
50万人に達するそうです。
同時に、日本語を教えられる先生の需要も急
増しているそうで、確かに、生徒が50万人い
たら、先生がどれだけ必要になるか、という話
になりますよね。それが学校を卒業した日本語
学習者の、よい就職先にもなっているようです。
言語だけでなく、日本文化と歴史に興味を抱く
人も多いそうですが、そうすると、1942〜1945
年までの、日本による占領期のことにも、当然
触れるわけで、そういう歴史への、若い人達の
反応は、どんなものなんでしょう……。


インドネシアでの日本マンガの歴史については、
以下の記事が参考になります。

Manga Blog 2007年10月25日付け記事
"What Manga is Like in Indonesia - Part I"

同11月7日付け記事
"Part II: Issues around Publishing"


また、インドネシアの人達の日本語学習につい
ては、公使の方のスピーチも情報になると思い
ます。

在インドネシア日本国大使館
リアウ大学日本語学科でのスピーチ(要旨)
「インドネシア人学生への日本語学習の勧め」



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続いては中東に飛んで、UAE(アラブ首長国
連邦)の英字紙The Nationalの、9月11日
付け記事。

"Search for a new chapter in Arabic
youth fiction"


この記事は、UAEでの、アラビア語による児童・
ティーエイジ向け文学と、その作者の少なさを
憂いるものですね。
ティーンエイジャーの子供達がもっぱら読んで
いるのは、ステファニー・メイヤーの「トワイラ
イト」や、J・K・ローリングの「ハリー・ポッター」
といった、欧米発の英語物語になるそうです。
アラビア語の本もわずかならあるけれど、その
内容や語り口は、「トワイライト」などと比較す
ると古臭くて、今の子供達が楽しんで読めるよ
うなものではない。


このままでは子供達が英語ばかりを使う・読む
ようになって、伝統的なアラビア語が廃れてし
まうのでは、という危惧があり、それに対する
活動のひとつとして紹介されているのが、うち
でも7月23日付け記事にした、日本人のマンガ
家(姫川明さん)とUAE人の作家(Qais Sedki
さん・出版者兼)との共作による、初のオリジナル
マンガ作品の「Gold Ring」(公式サイト)です。
ここではマンガによって、日本語ではなく、母国
語であるアラビア語のリテラシーを向上させ、
かつ伝統文化を正しく伝えようという、作品の
目的が語られています。


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つまり、インドネシアでは、日本語を勉強するき
っかけの一つとなっていたマンガが、UAEでは、
その土地伝統の言葉である、アラビア語の学習
のためにも利用されているんですね。
そもそも、マンガはあくまでもmedium ―― 表
現のためのツールですから、用いる言語に縛ら
れることなく、それぞれの目的のために活用し
てくれていいわけです。
結果として身につくのが日本語であれアラビア語
であれ、役に立ったのならそれでいい。
国境を越えたマンガの多用性を示す、いい例だと
思います。


posted by mikikazu at 10:40 | TrackBack(0) | 海外情報(総合) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年09月15日

影山ヒロノブさんインタビュー&ライブ動画 at 2006年バルセロナ(スペイン)


忘れた頃にやるJAM Projectネタです。
3ヶ月ほど前に、YouTubeにアップされて
いたのが、2006年10月27〜29日に、ス
ペイン・バルセロナで開催されたイベント
Salón del Manga(公式サイト)にゲスト
参加されていた、影山ヒロノブさんのインタ
ビュー&ライブ動画です。
再生数は少なめですし、日本語のコメント
もないので、日本のファンの方にはあまり
知られていない動画かと思って、紹介して
おくことにしました。既に有名だったらすみ
ません。


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Salón del Mangaは、1995年に始まり、
昨年までに13回を重ねている、スペインで
最大規模のアニメ・マンガコンベンション
です。
2007年度の参加者数は約6万5000人以
上ということで、北米で最大規模のアニメ
コンベンションAnime Expo(2009年・約
4万4000人)を上回る盛況です。
この年には、影山さんの他に、串田アキラ
さん、桂正和さん、中嶋敦子さん、モンキー
・パンチさんなどもゲスト参加されていたよ
うですね。
動画を提供しているのは、スペインで日本
アニメのDVDを販売している、Selecta
Vision(公式サイト)という会社のチャンネル
だから、公式なものといっていいと思います。


注目は、12分近くに及ぶロング・インタビュー
ですね。
JAMの成り立ちについての1問を除いて、
全て「聖闘士星矢」のことだけですが、それ
だけスペインでの「星矢」人気がいまだに高
い証明なんでしょう。Selecta Visionが「星
矢」のDVD
をリリースしている会社、ということ
もあるでしょうけど。
影山さんのお答えで想像がつくかもですけど、
とりあえずだいたいこういうことだろうという、
質問の和訳を置いておきます。
Q2とQ3で影山さんが言及しているアルバムは、
「聖闘士星矢 ヒット曲集III BOYS BE〜君に
あげるために〜」でいいでしょうか?


Q1.
「『聖闘士星矢』が、あなたの歌が世界中
で聞かれた、一番最初のアニメ作品という
ことになりますか?」

Q2.(00分47秒〜)
「(「聖闘士星矢」の二代目OP&EDである)
『聖闘士神話〜ソルジャードリーム〜』と
『BLUE DREAM 夢旅人』のレコーディングは、
どのようなものでしたか?」

Q3.(4分18秒〜)
「『聖闘士星矢』ソングの中で、歌うのが最も
難しい曲と、好きな曲は?」

Q4.(6分20秒〜)
「イメージ・アルバム『聖闘士星矢〜冥王ハー
デス篇』(90年発売)で歌っていた、『DEAD OR
DEAD』が、OVA『冥王ハーデス編』(2003年〜)
で使われなかった理由は?」

Q5.(7分26秒〜)
「JAM Projectのアイディアはどこから生まれた?」

Q6.(9分33秒〜)
「あなたにとって『聖闘士星矢』は、どういう意味を
もった存在?」

Q7.(11分9秒〜)
「『聖闘士星矢』でお気に入りのキャラクターは?」







続いてライブも。
6万人以上集まっているイベントだから、お客さん
の数はスゴイですね。
それにしても影山さん歌上手過ぎです。
こんな風に歌えたら、さぞかし気持ちがいいだろう
と思うシンガーさんですね。





posted by mikikazu at 09:35 | TrackBack(0) | 海外情報(スペイン) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年09月14日

ニューヨーク・アニメ・フェスティバル(9月25〜27日)での注目イベント ―― 牧野由依さんとアメリカ・アニメ声優さんのパネル


まず先にちょっとご報告。
9月11日付け記事で、「DRAGONBALL
EVOLUTION」についての情報を引用させ
てもらったので、お返しに、うちの方で見つ
けた同日付け記事からの、実写版「バブル
ガムクライシス」についての情報を、アニメ・
マンガの実写版映画情報専門サイト「Live
Action Anime」
に、挨拶と合わせて送って
おいたら、さっそく英文の記事にしてくれて
いました。

Live Action Anime
2009年9月12日付け記事
"New information on Bubblegum Crisis LAA"

こういう風に、情報交換の交流が日米で進
むのは、とても嬉しいことですし、今後もお
役に立てることは多そうです。よろしくお願
いします。


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では本題。
アメリカ・アイオワ州に拠点を置くオンライン
ストアRight Stufが、隔週で配信している
ポッドキャスト番組Anime Todayの、最新
第101回
のゲストは、いよいよ開催が迫っ
てきたニューヨーク・アニメ・フェスティバル
(9月25〜27日 公式サイト)のプログラミン
グ・ディレクターであるPeter Tatara氏と、
同コーディネーターであるKim Mueller氏で
した。
とはいえ、喋っていたのは、ほとんどTatara
氏だけでしたけど。


インタビューの内容はもちろん、NYAFの色々な
お楽しみや目玉についての解説で、たくさんの
イベント、ゲストさんについて紹介していました
が、僕が個人的に注目したのは、フェスの3日
目、9月27日・日曜日の午後1時45分〜2時45
分に予定されている、"Japanese Seiyuu and
US Voice Actors"というパネルです。
これは、日本側のゲストである牧野由依さんと、
ニューヨーク地域で活躍しているアメリカ側の
声優さん(Veronica Taylorさん他)が、それ
ぞれの国での、アニメの声優/voice actors
and actressesという仕事の違いについて、
直接語り合う、というものです。ギャラの話とか、
して欲しいなあ。


ゲストで参加した声優さんが、単独のQ&Aパネ
ルなどに出席することは普通ですが、こうやっ
て日米の声優さん達が直接、お互いの仕事に
ついて語り合うセッションは、結構まれだと思う
んですけど、どうでしょう。
すぐに思い出せるのは、2008年4月18〜20日
にハワイ州ホノルルで開催されたKawaii-Kon
(公式サイト)に、「新世紀エヴァンゲリオン」の
アスカ・ラングレー役の宮村優子さんがゲスト
参加されていて、英語版アスカ役のTiffany
Grantさんと、パネルを共にしていたことでしょ
うか。

・画質全然悪いですが、その模様が少しだけわ
かる動画





牧野由依さんの代表的な役である「ツバサ・
クロニクル」のサクラを、英語版で演じていた
Monica Rialさんも、NYAFにはゲスト参加し
ているので、アスカみたいに、日米サクラの
共演が実現すると楽しいですね。
Monicaさんはテキサスの人なので、ニューヨ
ークの声優さん、という枠からは外れちゃいま
すけど。


ああ、あと、やはりゲストとして見逃せないのは、
うずまきナルト君でしょうか。
日本でやってるキャラクター・ショーを、そのま
ま再現するというわけではなく、サイン会のみ
を行うようですが、結構盛り上がりそうです。
まあ、ショーをそのままやるんだったら、台詞
も全部英語に吹替しなくちゃいけないし、大変
ですものね。
ショーはショーで面白いものなので、いつか輸
出して欲しいものです。


posted by mikikazu at 07:52 | TrackBack(0) | 海外情報(北米) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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